NANA side


朝、いつも通りみるきーの家に行くと
みるきーママが出てきて

「用事あるって言って30分前ぐらいに家出たけど…菜々ちゃん知らんかったん?」

と。

「あ〜、そうでした〜!」

って言ってなんとか誤魔化したけど
…私避けられてない??
結構、思っきり、避けられてない?

やっぱりあれから連絡も無かったし
まぁいつも通り一緒に学校行くんやろって思ってたけど。


「なんなん…」

小さく独り言を呟きながら
学校までの道を1人で歩いてく。


学校に着いてからも、
喋らへんどころか目も合わんくて。

今までずっと仲良くて、ずっと一緒で、
こんな事なんかなかったから違和感というか、
ほんまに不思議な気持ち。


「嫌やなぁ〜」

はぁ〜。とため息をつくと同時に机に突っ伏す。


「どしたーん山田。また赤点取ったん?」

彩が茶化すように話しかけてきた

「取ってません〜。」

「めずらし。じゃ、何があったん?そんなこの世の終わりみたいな顔して。」

「んー、彩に言ってもなぁ〜」

「何やねんそれ酷っw」

「…とりあえずしんどいから言うな?」

「聞いたろ。」


状況からきっかけから一通り話した。


「〜って言うこと。」
「なるほどなぁ〜。ん〜」
「ん〜」
「…強行突破で話してこい」
「えぇ…」
「だって話さん限りどうにもならんやろ」
「そうやけど」
「大丈夫やって、どうにかなる。」
「んー。わかった」



とりあえず、昼休みは用事あって話されへんから
放課後、無理にでもみるきー呼び止めて話すことにしよかな、






MIYUKI side



「素直になったらいいのに」

「そんなん分かってるよ…」


今日、朱里に何回同じ事言われたんやろ。
朱里に状況話したときからずっとそればっか言われてる。


「菜々ちゃんの事好きなんやろ?このままやったらほんまに距離めっちゃ出来るで?」

「分かってる…」

「返信やってしてへんのやろ?嫌われちゃうで?」

「嫌やってもぉ〜…」

「やろ?みるきーはどうしたいん?」

「話したいし仲直りしたい」

「してきなさいよ。」

「ん〜……」

「ぐずるな!もう!」



憂鬱な気分のまま、

同じクラスやのに菜々ちゃんと話すこともなく、
昼休みが終わった。

はぁ…。どうしよ、


「みるきー!」

「ん?」

いきなり、朱里が私の所まできて、

「菜々ちゃんから伝言。放課後絶対教室におってって。」

「なんで?」

「いいから。居なさいよ。待ってなさい。」

「…分かった」




やっと菜々ちゃんと話せる。
嬉しいはずやのに、嫌や、避けたい。
何て言われるんやろ…怖い。

大丈夫…

待っとくだけや、
教室に居たらいいねん、
大丈夫…。




キーンコーンカーンコーン…


放課後、

チャイムの音と同時に教室から出ていくみんな。

菜々ちゃんも。


どこ行くんやろ、

どのくらい待ってたらいいんやろ、


朱里どこ?彩ちゃんどこ?

みんな帰ったの分かってるけど

広い教室にぽつんと1人で座ってるのは
なかなか寂しい。


菜々ちゃん、ごめんなさい、



今やったら言えるのに…。