NANA side
「聞いてんの??」
「……」
「なぁ」
「……」
「あーもう」
付き合い始めて約1ヶ月。
今、私は怒ってます。
目の前に居る彼女は口を開こうともしません。
さて、理由を話しましょう。
三日前…
「あ、百ちゃん!」
「ちゃんて言うなやw男やで」
「百ちゃんは百ちゃんやから百ちゃんでええの!」
「はぁずるい…もう可愛すぎるわ、」
「ん〜?なんて〜??」
「自覚してるやろw」
「ん〜??」
二日前…
「百ちゃん今度ギター弾いて!」
「何で俺やねんw」
「出来るんやろ?」
「出来るけど…彩の方が上手いやん」
「百ちゃんのやつ聞いてみたいねん!」
「わぁーった。今度なw」
「やった〜!」
昨日…
「百ちゃんて彼女作らへんの??」
「本命はいらんねん。遊びが1番楽しい」
「好きな人は??」
「女の子みんな」
「私も??」
「みるきー可愛いからな、好きやで?」
「いひひ…/////」
そして、数時間前…
家に泊まりに来てたのにいきなり
「ちょっと出るなぁ」
「どこ行くん?」
「…百ちゃんとこ」
「は?」
「呼ばれてん!」
「ちょっと待って。この前からさ」
で、今に至る。
百ちゃんってのは結構前からの友達らしいけど
女癖悪いで有名な人。1つ上の先輩。
いくら友達やからって
ここ最近のあの絡みはあかんやろ。
しかも私の超目の前で絡むねんで?
相手は男やで?あんな可愛い子があんな態度取るとか…ほんまに考えられへん
今日やって、泊まり来たくせに
何が、呼ばれたからちょっと出る。やねん
夜やで?抱かれに行くも同然やん
一体どうしたいん?
「……」
行くのはやめたみたいやけど
とにかくまぁ全く喋らへん。
かれこれ30分近く色々聞いてるけど
うんともすんとも言わん。
…何も言ってくれへんと不安やんか、
「もういいわ。寝る」
そう言って私は部屋から出た。
早歩きでリビングまで行ってソファに寝転がる。
…知らん。もう知らん。
……
「グスッ…菜々ちゃん…ごめんなさい…怒ってるやんな…グスッ」
「…ん、みゆ?」
「グスッ…」
何か聞こえるな〜と思って目が覚めて
そしたら私が寝てるソファの前に座って泣いてるみゆがおった。
時計を見るともう夜中の2時。
少し寝たからかみゆが泣いてるからか分からへんけど
気持ちも落ち着いてもう別に怒ってもない。
それより…
「何で泣いてるん」
「グスッ…ごめんなさいっ…」
「…謝って欲しいとかじゃなくてな?どういうつもりやったんか聞きたかってん、もう怒ってへんよ」
「っ…グスッ…妬いてほしかってん…」
「へっ??」
想像も出来ひんかった理由にびっくりした。
そして想像してた理由じゃなくてほっとした。
「菜々ちゃんいっつも余裕あって…私ばっかりが気にして…小さい事やのに妬いたり…私ばっかが好きなんかなって…グスッ…思ってっ…百ちゃんには協力してもらってん…男の子やったら…妬いてくれるかなって…」
「…妬いた。ほんまに嫌やった。相手が女の子やとしても嫌や。」
「…ごめんなさいっ」
「あのな?…余裕そうに見えるかも知れへんけど全くそんな事ないから。みゆほんまに可愛いし自分でもびっくりするぐらい好きやから…。不安やってんで…」
「ごめんなさい…。でも嬉しい…グスッ」
と、みゆがそうやって泣きながら笑うもんやから
いい意味で、もうどうでも良くなって、
「よし、もう終わり。はよ泣き止み?寝るで?」
「一緒に…?」
「当たり前やw1人で寝るの寂しいからな」
「菜々ちゃん…」
「ぎゅーぎゅーして寝よな?笑」
「うん!」
なにこんな夜中にイチャイチャしてんねんって自分にツッコミいれつつ、
まぁたまにはええやんなとかフォローしてみる。
はぁ…好きやわ、
ベッドに入ってすぐ
ほんまに秒で寝た彼女は
多分、私が部屋から出て寝とる間も
寝らんとずっと考えとったんやろな。
「すぅ…」
「ほんまにあほぅ…ふふ」
「んぅ…すき…」
起きてる??って思ったけど、やっぱ寝てる。
「…私の方が好きやで?」