「和える-aeru- (伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家) 」
伝統産業の技で0歳から6歳向けの日用品ブランドをつくり、新市場を創り出した若き起業家の挑戦記だ。
好奇心、専門知識を持つ人からの学び、統合的思考、行動志向、実験志向、あそび、情熱、目的意識・・・こうした要素がイノベーターの資質を育てる。
こんな内容の書籍「未来のイノベーターはどう育つのか」もある。
未来のイノベーターはどう育つのか――子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの
著者はそうした資質を体現している。
自身の内から湧くモチベーションの形成を支える両親や教師、職人ら大人との交流は豊かだ。
統合的思考を「和える」という方法に昇華させた。
これが著者の個性だろう。
異質なものをぶつけて化学反応を起こすのではなく、「異様材同士が互いの魅力を引き出しあいながら一つになることで、より魅力的な新たなるものが生まれる」ことを目指している。
そうした取り組みは作るというより、生命を吹き込み育む営みともいえる。
岡本太郎さんのこんな言葉を思い出した。
伝統とは「形式ではない。受けつがれるものは生命力であり、その業-因果律です」(「日本の伝統」)というものだ。
先人から受け継がれた技を子どもたちに、未来に託す。
強くしなやかな著者の感性に導かれたビジネスモデルに共感した。
早川書房、税別1400円
和える-aeru- (伝統産業を子どもにつなぐ25歳女性起業家)




