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減価償却費を多く取ることが本当に節税になるのか?について




税金の話がずっと続いています。笑

しかもけっこう深いところだったりするので、後回しにしようかと思ったり思わなかったり・・・チュー




ただやっぱり減価償却についてはもうちょっと知っておきたい内容があるので、それだけは書いておこうと思います。




まず、再び下記の例です。年収500万円のサラリーマンが2200万円の物件を買い、年間の減価償却費を300万円取っています。




(購入した物件)

物件購入価格・・・2200万円(土地1000万円、建物1200万円)

築年数・・・22年

構造・・・木造

減価償却期間・・・4年



(確定申告の内容)

給与所得    ・・・350万円

不動産所得 ・・・-100万円

所得合計     ・・・250万円




不動産所得がマイナスになった事で、損益通算で所得合計が給与所得より低くなり、払いすぎた所得税12万円が確定申告の後返ってきて、さらに翌年の住民税が15万円安くなる事に成功しました。




所得税と住民税合わせて27万円も得をしました。節税成功!!爆笑




とここまでが前回までの話ですが、実は注意点があります!ガーン




減価償却費を取った分、売却した時の譲渡税が上がってしまうんです。ガーンガーン




今回の例で、4年間減価償却費を300万円ずつ合計1200万円取ったとしましょう。そして、その後物件を売却したとしましょう。




すると、所得税と住民税合わせて27万円を4年間節税できたので、合計108万円もの税金が返ってきます。




そして、4年後に購入した時と同じ2200万円で売却した時とします。




売却の際に利益が出た場合、所得税や住民税とはまったく別の計算方法で譲渡税がかかる税制になっています。




全く別枠で税金の計算をするので分離課税と言ったりします。




株の売却益なんかも分離課税ですね。サラリーマンの年収が高くても低くても関係なくて、売却益(株を安く買って高く売った時の儲け)の20%が税金というふうに別枠で計算します。




不動産も売却した時は、安く買って高く売った時の売却益は、不動産を買って5年以内の売却(短期譲渡)なら約40%、5年以上たってから売却(長期譲渡)なら約20%かかる事になっているんです。




さて例に戻ります。買った時と売る金額が同じ2200万円の想定で話を進めます。




同じ金額で売れたなら、売却益は0円、つまり譲渡税はかからないと思いませんか?




(不動産賃貸業の運営期間中の家賃収入は別の話です。譲渡税はあくまで売却益に対してかかります)




売値 - 買値 = 売却益

2200万円 - 2200万円 = 0円


※実際は購入と売却の際にかかった諸費用(仲介手数料など)も引いて売却益を計算します。ただ複雑になるので、ここでは費用は考慮しません。




ところが、上の式の買値の部分は実は減価償却費を引いた額(帳簿価格(簿価))で計算するんです。




簿価は減価償却費を4年で1200万円取ったので、売却時点では1000万円まで下がっています。



売値 - 買値(簿価) = 売却益

2200万円 - 1000万円 = 1200万円




なんと、買値と売値が同じなのに、売却益が1200万円も出てしまいました!!プンプン




売却益に対して短期譲渡の場合は一律約40%の譲渡税がかかるので、この物件を売却するとその時点で480万円の税金支払いが確定です。びっくり




※ちなみに、短期譲渡と長期譲渡は、物件購入してからお正月を6回迎えたかどうかで判断です。6回迎えれば長期譲渡です。今回は4年で売却なので短期譲渡です。ニコニコ



減価償却費をたくさん取って、4年間で108万円の節税に成功したと思ったのに、譲渡税で480万円も持っていかれて成功したと言えるのでしょうか?




今回の例で、仮に減価償却費がなければ、サラリーマンで支払った分のが節税できない代わりに譲渡税はかかりません(売却益0円ですからね)。




つまり、減価償却費による節税の本質は、譲渡税の税率(短期譲渡40%、長期譲渡20%)と、給与所得にかかる所得税と住民税の税率(所得税は累進課税、住民税10%)の差分が不動産購入によって節約できた金額という事なんです。




今回の年収500万円のサラリーマン例ですと、所得税率が10%〜20%、住民税は一律10%なので、短期譲渡による税率40%より小さいという事で、減価償却費を取る事で逆に税金をたくさん払う羽目になってしまいました・・・えーん




じゃあどういう人が減価償却費を多く取る事で得をするのでしょうか?




それは、給与所得が高い人です。(所得税が累進課税なので)




例えば、給与所得が4000万円の人は、所得税と住民税合わせて税率約50%ととても高い税率です。




この人が減価償却によって税還付を受けて、例えば5年後に売却したとすると、売却益による税率は20%なので、差分の30%が節税できた額という事なんです。




じゃあ今回の例で、年収500万円のサラリーマンの人はいったいどうすればよかったのでしょうか?




一つは4年で売却ではなく5年以上持ってから売却(長期譲渡)すれば、売却益にかかる譲渡税の税率40%➡︎20%まで下がるので有効ですね!




それともう一つ、減価償却の期間は長くする事ができるんです




今回は減価償却期間4年としました。これは、購入時点で木造築22年というのを計算根拠にして決めましたよね?




でも、実はその期間を短くはできないのですが長くするのはありなんです。(短くしたら、税務署から税逃れを疑われて見つかったらアウトです)




※ちなみに法人の場合は、減価償却費を1円も取らないという選択もできます。このへんはまた今度。。。




例えば、今回の例で減価償却期間を4年ではなく10年にしよう、というふうに確定申告の際に申告する事ができます。




そうすれば、無駄な譲渡税を払わずに済んだわけですね!ニヤリ




数字がいろいろ出てきて難しくなったかもしれません。




すぐに全部を理解しようとしなくても良いと思います。




ただ知っておきたいのは、同じ物件であっても個別事情でかなり結果が変わるという事です。




今回の例では、減価償却の期間を4年ではなく10年に伸ばす、という何気ない変更で支払う税金が大きく変わりました。




また、同じ物件であっても年収が高い人には節税ができる良い物件であっても、年収が低めの人にとっては悪い物件という事もあり得るということが分かったと思います。ニヤリ




良い物件を選ぶ、というような目立って重要な部分だけではなく、減価償却の期間を10年にする、というような細かい判断も収支に大きく響く重要な経営判断の一つなのです。グラサン