独立人事総務業務請負人(人事総務IC)の木村勝です。
本日2014年10月31日の日経朝刊1面トップに「心不全の心臓再生~テルモ実用化へ申請」という大きな記事が出ていました。
多くの方は、「iPS細胞のような技術なのかな?医学の進歩もすごいものだな~」という程度で読み流す類の記事だと思います。
以前であれば、医療領域のコンサルタントをしているわけでもなく、軽く読み流すところですが、35歳の時に急性心筋梗塞を患った経験がある当方にとっては、他人事でなく思わず記事を読み込んでしました。
記事を見ると今回の実用化は
①患者さん自分の脚の筋肉組織を採取
②筋肉のもとになる細胞を抽出
③(テルモ)で培養
④シート状になった細胞を取り出す
⑤手術で心臓に貼り付け
という治療の流れになります。
心筋梗塞などで一度壊死した心筋は、機能回復は従来は不可能でしたが、今回のこの再生医療技術が承認となれば、機能回復により重症化を免れることになります。
培養の期間は1カ月間
意外に短い期間で培養されるものです。
この基盤後術は大阪大学の澤芳樹教授らが開発したものとのこと。
京大の山中教授のiPS細胞や話題のSTAP細胞など日本のこの領域の基盤研究は世界をリードする立場にありますが、実際の治療に適用する再生医療の製品化・事業化については、海外に後れを取ってきました。
産学連携の弱さ、あるいは医療分野においては薬事法などの規制による部分もあったかと思いますが、国も再生医療技術を成長戦略の一環として位置づけ、その推進に力を入れつつあります。
今後厚生労働省の審議会の論議を経て詳細が決まってくると思いますが、ぜひ早期の承認(もちろん安全性を確認した上ですが)&健康保険適用も含めて前向きな検討をお願いするところです。
2005年の労働安全衛生法改正で盛り込まれた過重労働対策もまさに働き盛りのサラリーマンの脳・心臓疾患リスクに対応した改正だったと思います。
心臓疾患というと自分には関係ないと思いがちですが、自分の周囲でも意外にこの領域の経験者はいますので、決して他人事ではありません。
もちろん発症しないことが一番ですが、それにしても少しでもこうした予後の治療への道が広がっていくこと、心強い限りです。