独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
今月初めに当方会員として所属するビューティフルエージング協会分科会で、ダイヤ高齢社会研究財団に訪問し、高齢社会に関する様々な諸問題に関する取組みや研究事例をうかがってきました。
ダイヤ財団は、三菱グループ各社を会員として1993年に設立された財団で、介護等を中心とした高齢者の健康や生きがいについての調査・研究活動を通じて、民間の立場で「しあわせで活力ある長寿社会」の構築に寄与することを理念として設立された財団です。
当日は、いろいろなお話をうかがいましたが、特にダイヤ財団主任研究員である澤岡詩野様の「退職後の居場所の在り方を考える」というお話は興味深いものでした。
人生における3つの居場所
第一の居場所「家庭」
第二の居場所「学校、職場」
第三の職場「趣味、社会活動」
の役割の大きさを円で表し、その移り変わりを「都市部の企業人」「都市部の主婦」などカテゴリーに分けて説明頂きました。
第三の居場所とは、居心地の良い、楽しい、やりがいがある、役立っている、仲間がいる等、個々の価値観が最も反映される場でもあります。
当方、53歳でサラリーマンを卒業し、今までまったくかかわりのなかった地域の活動に足を踏み入れつつあります。
やはり会社中心の時期を経て、これから前期高齢期、後記高齢期に進むにつれ、第三の居場所と呼ばれる場を意識的に作っていく必要性を痛感しました。
お話の中では、「地元に三軒行きつけのお店をつくること」など、「徒歩圏」での出番を新たに見出していくことが必要とのお話も頂きましたが、今まで長年企業での生活を中心としてきたサラリーマンにはなかなかハードルが高いことなのかもしれません。
また、当日もお話がありましたが、男性以上に「今まで企業で働いてきたおひとり様女子にとっては、第三の居場所と出番の確保」は過酷な状況になりそうです。
女性の活躍推進ということもあり、これから女性の管理職比率はますます高まっていくと思いますが、従来の男性サラリーマンの轍を踏まぬよう企業での居場所と同様に意識的に第三の居場所をつくっていくことが特に必要だと思います。
高年齢雇用安定法による65歳までの雇用義務化により、第三の居場所づくりのタイミングはますます後ろ倒しになります。
会社リタイアと同時に自分の居場所レスにならぬようにしたいものです。