独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
9月5日に中央労働災害防止協会から平成26年度緑十字章受賞者が発表されています。
緑十字章とは、産業界における労働安全衛生活動その他に多大な貢献をされた方々に対して授与する章で、労働安全衛生分野では、非常に名誉ある章の一つです。
賞名の「緑十字」は、日本における安全および衛生に関するシンボルとして用いられている緑の十字マークによるもので、メーカー勤務の方は、現場に貼られている緑十字カレンダーでおなじみだと思います(工事現場等でも緑の旗が翻っているのを見ることがあるかと思いますが、あれが緑十字です)。
今年の受賞者は、産業安全、労働衛生、労働衛生及び産業安全の各部門で計90名の受賞です。
以前、日本自動車工業会に勤務していた時代に、この緑十字章の申請に係っていたことがあります。
緑十字章の受賞基準は、
”企業又は団体において産業安全の推進、労働衛生の推進または産業安全及び労働衛生の推進業務にまたは事業に従事した者で、次のいずれかに該当する者
ア.10年以上従事し、全国的又は地域的にその業績が顕著で他の範とするに足りる者
ただし、その功績が極めて顕著な場合は、業務等への従事年数を7年以上とすること
ができる
イ.20年以上従事し、その推進向上に顕著な貢献をした者
となっています。
一企業での活動の場合には、イ.の基準となりますのでなかなかハードルは高いです。
安全衛生の分野は ”現場で安全衛生一筋40年”というたたき上げの方々も以前は多かったのですが、最近は安全衛生領域もローテーション業務の一領域となり、安全衛生業務経験が短かくなる傾向にあります。
当方推薦業務に携わっていたのは今から10年以上前ですが、その頃から受賞資格をまずクリアできる人が少なくなってきたこと思い出しました。
今回の受賞者表彰は、今年10月22日~24日まで広島で行われる第73回全国産業安全衛生大会初日の総合集会で表彰式が行われます。
この大会は、全国から一万人以上の労働安全衛生関係者が集まる大きな大会です。
労働災害の数字は、景気がよくなると逆に悪くなる傾向がありますが、今年の上期については、消費税増税前の駆け込み需要増に伴う物流量の増加などもあり、大幅に悪化しています。
具体的には、1~6月上期をみると昨年同時期に比べ、死亡災害19.4%(+71人)、休業4日以上の死傷者数は3.6%(1625人)の増加という状況です。
安全は、事故が起こらなくて当たり前、起きたら責任追及されるという縁の下の力持ち的な役割の仕事ですが、製造現場、工事現場等での日々の徹底した安全活動が日本のモノづくりの現場を支えています。
各企業においてこうした縁の下の力持ち的な役割を担ってきた方々が今回緑十字章を受賞されていることと思います。
まずは今回緑十字受賞の皆様、おめでとうございます!