「佐川、配送に主婦1万人」~人出不足に対する雇用マッチング策の一つとして妙案ですね~ | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

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大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

本日2014年6月19日日経朝刊一面に「佐川、配送に主婦1万人」という記事が出ていました。

内容は宅配サービスの配送要員として今後2年で1万人の主婦パートを採用し、30個程度の少量の荷物を自宅周辺で届けてもらうというアイデアです。

この案、当方も宅配ドライバーの方が荷車のついた自転車で配送する姿を見て、以前から「何で地元の人を活用しないのかな~」と考えていました。

郵政民営化論議が華やかな頃、山奥の民家に郵便局から業務委託されたおばあちゃんが郵便物を届ける姿を特集した番組を見たことがあります。

かなりお年のおばあちゃんが、郵便カバンを肩から下げて山道をあえぎながら登って郵便物を届けるのですが、ただ郵便を届けるだけでなく、縁側に座って配達のおばあちゃんと配達される側の人との直のコミュニケーションが行われ、その役割の重要性がうまく描かれていました。

番組制作の趣旨としては、郵政民営化によりこうした最前線でのサービスが切り捨てられることになるといった論調だったと思いますが、こういう仕事もいいなあ~など呑気な気持ちで見ていたことを思い出しました。

昨今のインターネットによる商品デリバリーの肝となっているのが、この物流網のち密さだと思いますが、トラックから降りて自転車をこいで配送するドライバーの方々の姿を見るたびに、この自転車の部分はフルタイムで働く必要のない元気な高齢者や主婦層でも対応できるのでは?と思っていました。

利用者側の要求はどんどん高くなり、今どこの配送センターに荷物があるのかまでインターネットで追いかけられています。

紛失の管理などサービスレベルの維持管理面での難しさももちろんあるかと思いますが、地元の地理にも精通した高齢者or主婦層に活躍してもらうことは、人手不足解消になると同時にフルタイムではない新たな職域開拓といった面でも効果的だと思います。

以前、当方も人手不足に悩む外食チェーン店の早朝シフトを朝に強い高齢者層に任せたら?という案を書いたことがあります。

藤村靖之さんがかかれた「月3万円ビジネス」という本があります。
「たった3万円という競争にさらされない自らが好きないいことを複数行う」という働き方です。

この地域配送の業務は、自ら見つけ出すというわけではありませんが、収入源の複線化という意味でも魅力的な働き方になりえるのではと思います。

人手不足の状況を打開すべくこうした新たな働き方・職域が増えてくることが、地道な日本の成長戦略ですね。