「過労死等防止対策推進法案」が衆院厚生労働委員会で可決! | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

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大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

4月11日当方ブログ(「過労死等防止対策推進法案について」)でも触れた「過労死等防止対策推進法案」が衆議院厚生労働委員会で、全会一致で可決された旨、新聞各紙で報道されています。

この法案のベースは、さきの第185回臨時国会に野党6党の共同提案の形で提出されていたものですが、与党内での調整が間に合わずに継続審議となっていました。

その後、自民党内での論議を経て、超党派案として「過労死等防止対策推進法案」としてまとめられ、12月提出の野党案を差し替える形で、議員立法(衆法)として提出、昨日可決となったものです。

過労死は、海外でも「Karoshi」で通じるほど、日本の働き方の特異性を象徴するような言葉です。

法案では、”過労死等”を第2条で、
 「業務における過重な負荷による脳血管疾患もしくは心臓疾患を原因とする死亡、もしくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、またはこれらの脳血管疾患もしくは心臓疾患もしくは精神障害」と定義しています。

臨時国会提出時の法案では、この部分は
 「業務における過重な身体的若しくは精神的な負荷による疾患を原因とする死亡(自殺による死亡を含む)又は当該負荷による重篤な疾患」となっていましたので、「脳・心臓疾患に関する労災認定基準」に沿って、より具体的な定義づけがなされている感じです。

今後は、この法律の基本方針に従って、個別法に落とし込まれ、国の諸施策が講じられていくことになります。

今回は衆議院厚生労働委員会可決ですので、今後は衆院本会議→参院厚生労働委員会を経て参院本会議で可決されれば成立です。

また、この法案では、第5条で、「過労死等防止啓発月間(11月)の設定」を規定しています。

施行は成立から6カ月以内とされていますので、5月中に成立させ、11月の啓発月間につなげていくことで社会的な認知、機運もあがるものと思います。

(過重労働とは関係ないと思っていますが)当方も35歳のときに、まさにこの法案で定義する心臓疾患(急性心筋梗塞)で倒れたことがあり、他人事とは思えない内容です。

前回のブログでも書きましたが、 ”体を壊してまで働くことはないです”

この法案成立がきっかけの一つになり、「健康第一」、「家族第一」が当たり前の基準になることが日本の成長戦略を支える大きな基盤になると思います。