”年金支給開始「75歳程度に」” 田村厚生労働大臣の発言が思わぬ波紋をよんでいますが--- | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。

5月11日日曜日、NHK番組での田村厚生労働大臣のタイトルの発言が話題になっています。

発言の趣旨は、”年金支給の引き上げ可能範囲を現行の70歳から更に75歳までに広げられないか検討する”という考えを示したものであり、年金支給開始時期を一律75歳にするということではないですが、その発言の背後に見え隠れする更なる支給開始時期の後ろ倒しの動きを敏感に感じてが故の反応かと思います。

当方の場合、35歳で急性心筋梗塞を発症し、生死の境を彷徨った経験もあり、まったく先の読めない自分の寿命、65歳、70歳、75歳のどこから年金をもらうかということを考えること自体に現実感が全く無いのですが、いずれにしても年金受給開始時期の問題は、中高年層にとって自身のキャリアプランに大きく影響する問題です。

2013年4月施行の高年齢者雇用安定法施行により、想定以上に継続雇用を望む人が増えてくることは間違いありません。

従来の労使協定による継続雇用基準があったときは、あまりに高いハードルを超えられずに継続雇用がかなわぬ先輩諸氏の姿を見て、申出自体をはなから断念するケースもあったと思われます。

当方昭和36年8月生まれ、まさに初の65歳から厚生年金完全支給の世代になりますので、年金支給開始時期までのつなぎを考えると、経済面からもまずは継続雇用(再雇用)を考えるのが普通だと思います。

また、従来は60歳という年齢が一つの大きな区切りとなり、自分のライフプランを考える契機となっていました。

しかしながら、今後は周囲を見渡すと”仲間ほとんどが今のままでの継続雇用を希望している”という状況を見ると、60歳という年齢の区切りの意味合いが薄れ、なし崩し的に65歳まで働くかという方も増えるかと思います。

こうした時代こそ、かなり前段階から自律的なライフプランをつくり、自らマイルストーンを設けてキャリアを含めたライフプランを実行していく必要があると考えます。

当方世代にとって、65歳年金支給開始は、マラソンを35kmまで走ってきて、”間もなくゴール”と思ったら、ルール変更で更に5kmコースが伸ばされたようなものです。

”取りあえず65歳まで我慢して今まで通り働き、その後のんびり旅行でも”と思っていたら、また5kmゴールが伸ばされていることも十分ありえます。

”仕事のゴール”=”人生のゴール” になりかねません。

他律的な退職時期設定ではなく、自分なりの人生のマイルストーンを設定し、オリジナル退職時期を設定し、準備を進めていくこと、ますます必要だと思います。