独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
今週月曜日4月14日、労働性格研究・研修機構(JILPT)主催の労働政策フォーラム「日本型グローバル人事のこれから」に参加してきました。
まず企業サイドからの報告として、日立製作所、コマツ、SAPというグローバル化の先陣を走る企業の事例報告がありました。
その後、早稲田大学ビジネススクール杉浦正和教授から現場と学問を架橋する立場からのグローバル人事に関するプレゼンがあり、最後には、それまでの内容を総括する形で、守島基博一橋大学大学院商学研究科教授をコーディネーターとするパネルディスカッションが行われました。
当方、日産自動車、その後GEの関連会社をその出発とするBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)会社の人事で勤務してきましたので、日本企業の人事のグローバル化については、当事者として、その必要性や課題なども皮膚感覚で感じてきたつもりです。
今回お話を聞いて感じたことは、やはり、そのプロセス進行には、まずはビジネス上の要請ありきという事実です。
それがない限りは、日本に本拠を置く企業にとっては、グローバル人事対応をするというモチーベションはなかなか働かないし、うまくいかないという当たり前の事実です。
先日世界最古の会社大阪の「金剛組」について、少し触れましたが、当たり前の話ですが、寺社建築をその生業とする金剛組にとっては、人事のグローバル化はまったく必要のないことです。
しかしながら、世界の2013新車販売8300万台のうち、中国2150万台、米国1500万台、日本は500万台超といった市場の中で、売上○兆円規模の商売をする日本の自動車各社にとっては、人事を含めた組織のグローバル化は必然的な要請になります(台数はざっくりした見込み値)
人事のグローバル化というと、英語人材の育成、海外担当人事部署の設立など頭に浮かべがちです。
今回フォーラムに参加して感じたのは、ここでいうグローバル化は、欧米流、日本流といったカテゴリーを超えた企業独自の経営戦略レベルの話であり、その企業の置かれた市場、経営環境によっては、日本ベースのグローバル人事制度が有効なケースもあれば、欧米型制度が有効なケースもあるというこれまた当たり前の結論でした。
”英語人材の育成、海外専門部署の設立など、今までなかったことを導入する!”という段階は、グローバル人事とは違う、単なる日本版人事制度の焼き回しに過ぎないような気がします。