既に出版されて2年が経過しておりますが、久しぶりに渡邉正裕さんのベストセラー「10年後に食える仕事食えない仕事」(東洋経済新報社)を読み返してみました。
独立して2週間が経ち、サラリーマン時代とは少しは違った感覚で読めるかな~と思ったこともあります。
内容を簡単にご紹介させて頂くと、渡邉さんは、グローバル時代の職業を次の4つのカテゴリーに分けてマッピングしています。
その4つのカテゴリーとは
①重力の世界
(日本人メリットがなく、特段の付加価値の高いスキルも必要とされない職業群)
・グローバルの最低給与水準に収斂される
・平均賃金が日本の20分の1のインド人、中国人との勝負
・無限大の人材供給
②無国籍ジャングル
(知識集約的で、日本人メリットがないエリア、個人の腕一つで世界を相手に勝負)
・世界70億人と仁義なき戦い
・”超成果主義”の世界
・勝ち残れば青天井
・才能も運も必要
③ジャパンプレミアム
(日本人メリットを活かせる技能集約的な職業)
・日本人ならではのサービスマインド、職人気質、チームワーカースピリット
・「同じ日本人」という信頼感を活用した対面のサービス
④グローカル
(日本人メリットを活かしつつ、ホワイトカラーとして高付加価値なスキルを身につけて外国人労働者からの高い参入障壁を築くエリア)
・日本人の強みを活かしつつ、高付加価値スキルで勝負
・日本市場向けの高度専門職
・高度な日本語、日本の人的ネットワーク
の4つです。
我ら人事業務は、どのカテゴリーに分類されているかというと-----
”人事はグローカルな典型職種”に区分されています。
”どんなにグローバル化が進んでも、労働者の大半が現地人である以上、人間を扱う人事の仕事は、現地人の職務として最後まで残る(同本P114)”
とはいっても人事の中でも”無重力”の世界もあることは注意する必要があります。
例えば給与計算など、”決まったデータを投入してプログラムに従ってただ計算を回すだけ(実際は、日本企業の給与計算はこんなに単純ではありませんが)”の業務は、「IT環境の整備」&「日本語能力」が準備できれば、瞬時に海外移転してしまいます。
当方、前職は外資系BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)会社日本法人の人事・経理・総務の責任者だったため、この”無重力”の世界への移行のスピードについては身を持って感じているところです。
人事部で働く皆様の中でも、”無国籍ジャングル”の世界を目指す方も”ジャパンプレミアム”の世界を目指す方も、”グローカル”な世界を目指す方もいらっしゃると思います。
ちなみに当方が人事ICとして目指している方向は、まさに渡邉さんカテゴリーでいうと ”グローカル”の世界になります。
「10年後に食える仕事食えない仕事」
まだ、お読みでない方は一度お読みになることおすすめします。
今後の自分の仕事の方向性を考えるには、必読の書籍だと思います。