昨日2014年3月14日、上野初青森行き夜行列車「あけぼの」の定期運行が廃止になりました(写真は昨日の写真ではありません)

昨晩21時からのNHKニュースでも特集を組んでいましたが、東北方面への夜行列車というと高度成長期の日本経済を支えた集団就職列車のイメージがあります。
実は、この「あけぼの」の登場は、昭和45年、集団就職もほぼ終焉を迎える時期にあたります。
しかしながら、「あけぼの」には、出世列車といわれた急行「津軽」のDNAが受け継がれており、昨日のNHKでも”集団就職の象徴”的な取り上げ方がされておりました。
(映像でも秋田から集団就職で東京へ出てきた方へインタビューが行われていました。)
そうしたイメージを象徴するのが、上野駅地上ホームにある石川啄木の「ふるさとの訛懐かし停車場の~」の歌碑です(こちらは昨日の写真です)

当方父親も集団就職世代であり、宮城の農村から東京へ出て、当初は都営団地、その後郊外に一戸建てを構え、定年退職を迎えるという高度成長期の典型的な職業人生を歩んでいます。
高度成長期の人不足状態を前提に、金の卵といわれた新規学卒者をいかに長く引き止め、戦力化するか?
高度成長期に求められた人事制度(福利厚生制度含む)のコンセプトです。
終身雇用の終焉といわれてかなりの年月が経っていますが、まだまだ日本企業の人事制度の基層部分には、そのコンセプトが残っています。
グローバル化の進展、低成長経済環境の常態化な企業を取り巻く経営環境が大きく様変わりする中、日本の人事制度も大きな変革を求められています。
昨日の「あけぼの」定期運行廃止は、ある意味で昭和高度成長期のノスタルジーの終焉、時代の変化を象徴する出来事のようにも思えます(東方、鉄道ファンということもありますが)
「あけぼの」廃止の日を迎え、昭和高度成長期の象徴的存在が一つまた消えたこと、痛切に感じるとともに、日本企業の人事制度も大きな見直しの時期に来ていること、感じた次第です。
※当方趣味のブログ「坐る・乗る・歩く」に昨日の「あけぼの」ラストランの動画をアップしております。鉄道マニアの方、お時間ありましたら、ご覧頂ければと思います。