見かける時期になりました(それにしても何でひと目で新入社員とわかるの
か不思議ですね。スーツ姿は2年目サラリーマンも同じなんですが)
勤め先では、ここ何年も新卒の入社はなく、その時々の契約社員での対応
です。
非正規従業員が、35.2%に達するという統計数字は、体感的にも納得です。
”来る者あれば去る者あり”ということで、当方勤め先でも、3月末で定年退
職後に再雇用で嘱託勤務されていた方が会社を去りました。
ご家庭の事情によるものですが、ベテランの方がいなくなることは会社にとっ
ても影響は大きいです。
当方昭和30年代生まれで、昭和50年代末に社会人になった世代ですが、
入社した当時は、職場の人数も多く、若手からベテラン層までそれこそピラミ
ッド型の職員構成が維持されていました。
若手は、ほぼ全員独身寮に入り、朝から夜まで少し上の世代の会社先輩と
衣食住をともにする生活です。
振り返ってみると、この時代はまだ「コツコツと働く」ことが美徳とされていた
時代でした。
特別目立つことはないですが、突発で休むこともなく、自分の仕事はもちろん、
周囲のメンバーの仕事に関してもさりげなくサポートするといった心遣いが出
来るベテランの方が職場にはいらっしゃいました。
こういう方々の仕事ぶりを一言で表すと、「コツコツと仕事をする」という表現が
まさにぴったりでした。
仕事はもちろんですが、会社行事などでも黙々と最後まで後片付けを行う後ろ
姿を見て、若手もその立居振舞いを自然に学んでいきました。
会社の運営に自ら口を出すことはありませんが、大学卒の課長・部長も、困っ
たときには、最後はその方にアドバイスをもらいながら、仕事を円滑に進めて
いました。
当時は、「コツコツと働く」ことは、どちらかといえば美徳のイメージでしたが、い
つの頃から「コツコツ仕事をすること」が非効率で付加価値を生まない(言葉を
変えると無能のイメージ)に変わってきました。
”オペレーション業務⇒付加価値を生まない仕事⇒誰でも出来る仕事⇒オペレ
ーション担当者は不要⇒オペレーション担当者は無能(言い過ぎですが)”とい
う図式です。
(その反対に”企画業務=付加価値のある専門性のある人間が担当する仕事”
という区分けが蔓延してきました。)
そのイメージの変化には、オペレーション業務のアウトソーシング化進行の影響
も大きいかと思います。
アウトソーシング化も、外出し当初は、オペレーション経験を持つ人が行うので
問題はないのですが、だんだんオペレーション経験を持たない層が増えるにつ
れて、その業務はブラックボックス化してきます。
そうならないためには、オペレーション業務をただ単に外出しするだけでなく、
”「コツコツ業務」を今まで会社が蓄積した財産である”という認識のもと、きち
んとマニュアル等に落とし社内に残した上で、アウトソーシング化を進めていく
などの対応が必要です。
”企画業務はオペレーション経験がないと出来ない”というのも逆に言い過ぎだ
と思いますが、最低限その業務に関してノウハウが整理され、いつでもその内
容をトレースできる仕組み(机上でも)は必要不可欠です。
「コツコツ」という言葉は、時代とともに受け止め方が変わった言葉の一例ですが、
「コツコツ」という生活態度、長い人生を歩む上で、実は昔から変わることのない
大切な行動規範の一つではないでしょうか!

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