エントリーシートを百社以上に出しても何の音沙汰なし、社会に出る前に
自信喪失ノックウト状態という話をよく聞きます。
こうした状況に対して、”大企業・有名企業ばかり目指すな、中小・新興
企業でもいい会社がある”という周囲からのアドバイスもよく聞かれます。
いわゆる需給のアンマッチ解消です。
しかしながら、実際の業界知識や職務知識も無い学生にとって、”中小
新興企業にも発展性のある会社がごまんとある、選択肢を広げて考えろ”
といってもあまり説得力があるとは思えません。
”大企業も将来どうなるかわからない”といいますが、”中小新興企業は
もっとどうなるか”、わかりません。
大企業は、やはり今まで経営ハンドリングがうまくいって現在の規模に
発展している会社ですので安定感は、大企業&有名企業(有名企業の
安定性は微妙ですが)のほうが、中小・新興企業に比べて間違いなくあ
ると思います。
やりたいことが明確になっていれば、もちろん企業規模にかかわらず職
種を定めた就職活動も可能ですが、普通の大学生にとっては、大学4年
間のうちに、”社会にはどんな仕事があるのか、自分は何をやりたいのか”
を本当の意味で明確になっているとはとても思えません。
普通の学生にとって、就職先を選択する際に、やはり企業規模や有名度
合で判断することもやむをえないというか、それ以外に判断しようがないと
いうのが実態だと思います(昔の自分自身を振り返ってもそうです)
学生さんばかりを責めるわけにはいきません。
中高年層の転職でさえ、今なお大企業志向は根強く残っています。
(現在就業中のサラリーマンでも”自分は何をやりたいのか”が明確になら
ないまま時が今に至っているケースが大半だと思います。
日本の大企業・安定志向は国民性なんでしょうか。
また、製造業からサービス業など第三次産業へ大きく就業構造が変わる中、
産業間の労働力需給アンマッチも問題です。
新卒エンジニアが就職先として、第三次産業を想定することはまだまだ少な
いと思います(金融・コンサルなど花形業界は別ですが)
実際のサービス産業の現場、例えば外食産業などでは、食材の加工プロセ
スなどの生産管理(IE)、食材加工ライン設計などエンジニア的な力が発揮
できる場面がたくさんあるかと思いますが、例えば大学の機械工学専攻者が、
進んで外食産業を希望するケースは多いかといえばまだまだ数は少ないの
ではないでしょうか。
観光産業(旅館業の配膳やルームセットなど)やアウトソーシング業界なども
エンジニア的な発想、分析スキルを活用できる局面が多々あるような気がし
ます。
こうした状況の下、中高年サラリーマン(特に技術系)こそ第三次産業の新興
中小企業へ積極的にチャレンジし、長年培ったエンジニア的発想、経験、スキ
ルを活用すべきではないでしょうか。
「統計学が最強の学問である」(西内 啓氏著)がベストセラーになっていますが、
統計分析のみならずTQC,5S、機械保全(TPM)、ISO、品質管理、リスクア
セスメントなど様々な分野で製造業で培った手法が活用できるような気がします。
第三次産業で必要とされるエンジニア的スキル(この部分があまり明らかでない
のですが、たくさんあると思われます)と中高年技術屋が有する技術スキル・ノウ
ハウをうまくマッチングさせることが出来れば、海外へのシニアエンジニア流出と
いうこともなくなり、日本において中高年の蓄積されたノウハウの再活用⇒第三
次産業の競争力強化、ひいては日本全体の競争力UPに資することも出来るので
はないでしょうか。
技術系中高年サラリーマンの皆様、今まで培った技術、ノウハウ、経験が思いが
けない産業、企業で活用できるかもしれません。
一度じっくりご自身の経験・スキルの汎用性につき真剣にスタディしてみてはいか
がでしょうか。
データではなく、感覚に基づいた感想になりましたが、自分を含めた中高年サラリ
ーマン諸兄、視点を変換して、自分の経験活かしてお互い頑張りましょう!

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