毎日新聞3/30記事「年間自殺3万人下回るが、若者対策は置き去り」を読んで | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

毎日新聞3月30日夕刊の「クローズアップ2013」に「年間自殺3万人下回るが、
若者対策は置き去り」という特集記事が掲載されていました。

2012年の自殺者数が15年ぶりに3万人を下回り27,858人となつたことは、新
聞でも既に報道されているところですが、毎日の記事は対策の手薄だった若年層、
特には就職難で自殺する大学生自殺者の増加に着目した記事です。

記事によると
”内閣府によると「就職失敗」を理由とする10代と20代の自殺は07年に60
人だったが、景気が悪化した08年のリーマン・ショックを挟み12年は158名
に急増した。”

とのこと。

また、今後のこの層の自殺増加の要因になりえるリスクの一つが奨学金返済問題
です(毎日新聞の記事では特にこの問題は触れられていませんが)。

奨学金については、就職難や非正規従業員増加による収入の不安定さなどの要因
もあり、返済が滞る例が増えてきているところに、独立行政法人・日本学生支援機
構による回収の厳格化が追い打ちをかけています。

日本弁護士連合会で2月1日に行った「 全国一斉奨学金返済問題ホットライン」では、
453件の相談が寄せられ、その相談内容のうち、「生活苦で返済できない」が42%
で最多だったとのこと。

明日2013年4月1日から施行される改正高齢者雇用安定法が若年層雇用に与える
影響も不安材料です。

企業(特に中小)では、高齢者を雇うことも若年層を雇うことも労務費増であることは同
じで、一方の雇用(高齢者側)が義務化された今では若年層雇用に影響が出ることは、
間違いないことだと思います。

景気の先行きに少し明るさが見えてきたと言え、実態の生産・販売が増えているとは
いえない現在、若年者雇用を積極的にすぐに進められる状況かと言えばまだまだほど
遠い状況です。

今回安倍内閣で文部科学大臣として初入閣された下村博文大臣は、交通遺児育成
会(あしなが育成会)の第一期奨学生であり、低所得家庭の進学支援に対するリーダ
ーシップが期待できるかと思います。
(実際文部科学省は、返済義務の無い「給付型奨学金」の導入の方針を固めたとのこと)

毎日新聞記事によると、先進7カ国で比較可能な15~34歳で死因の1位が自殺であ
るのは、日本だけにしか見られない傾向のようです。

結局その解決策は景気回復ということになるのかもしれませんが、毎日新聞の記事で
指摘するように、年間3万人を下回ったことで安心することなく(とても一息つけるような
数字ではまだまだないですが)出来ることはすべてやるといった強力な政治主導でその
対策を今進めておかないと将来の大きな禍根を残すことになるような気がします。
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