2013/5/30 第11回規制改革会議原案について | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

5月中旬から中国出張に行っており、ようやく戻ってまいりした。
その間、ブログ更新の間隔が空いておりましたが、これからは、週1~2回
程度の更新を継続していきたいと思っております。

5月31日(金)毎日新聞朝刊第一面は、『雇用拡大へ「限定正社員」』とい
う記事が出ておりました。

規制改革会議は、2013年1月23日に設置された会議ですが、この初回
の会議で安倍総理は、

”「規制改革は安倍内閣の一丁目一番地であります。「成長戦略」の
 一丁目一番地
でもあります。
 前政権における規制改革は、どちらかと言えば、規制改革のための
規制改革になっていたわけでありますが、安倍政権においては、目的
ははっきりしているわけでありまして、経済活性化のための規制改革
であります。
そして規制改革により経済の成長、そして雇用を作っていくということ
が目的であります。その目的を明確化させていただきたい、このように
思います。”


と言及しているように、この会議の役割は極めて大きく、実質的にもアベノミ
クス第三の矢の中核的な提言論議がなされる会議体になります。

規制改革会議の答申内容は、6月14日に閣議決定される成長戦略に反映
されるだけにその内容は注目です。

内閣府HPでは、肝心の「雇用ワーキング・グループ報告」については、後日
公開となっており、詳細はその公表を待ちたいと思いますが、毎日新聞の記
事でその概要を見てみたいと思います。

注目は、まず「限定正社員の雇用ルール整備」です。

限定正社員とは、勤務地や仕事内容、労働時間が限定された形で働く正社
員で、今まで総合職に対して一般職、あるいは地域限定総合職と呼ばれ一
部業種ですでに導入されてきた社員タイプに近いものと思われます。

なぜ、限定正社員が雇用拡大につながるかと言えば、非正規従業員の正社
員化の受け皿としての役割を期待しているためです。

派遣26業種の厳格適用により拡大してきた現在の契約社員ですが、あまり
根拠ない2年11カ月をMAXとした契約適用など不自然な運用が目立ってい
ます。

会社側も、期間の定めのない雇用契約に変更することが正社員化の検討の
ネックになっているわけではなく、昔ながらの転勤・職種問わずの総合職を前
提とした処遇をそのまま適用することが躊躇となり、正規従業員化が進んでい
ない部分が多々あるかと思います。

また、働く側も実際のところ、”全国(or世界)・職種問わず”を視野に入れて働
きたいという人ばかりではありません。
(当方はまさにそうです)

条件的にはいわゆる総合職とは異なる部分があっても、契約更新の度に雇止
めのリスクを感じながら勤めることが解消されることで、モチベーション的にもマ
イナスに働いている部分の解消が期待できると思います。

職種も少なく、また地域をまたいだ支店、営業所もない中小企業においては、
多くの地域限定社員が生まれ、労働条件の引き下げにつながるおそれも懸念
されていますが、雇用拡大のための規制改革という観点を外さない前提での制
度検討は、閉塞感漂う昨今の雇用状況を打破するためにも、ぜひ前向きに検討
すべきと当方は考えます。
(現状実態として勤務地変更もなく、職種変更もない企業が、この機会にこれ
幸いと限定正社員制度を導入して条件切り下げを行うのはもちろん本末転倒で
す)

答申案では、「限定正社員」以外にも、「労働者派遣制度の見直し」も今回の
答申案には含まれています。

先日当ブログでも「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」につい
て記載しましたが、今回の検討では、専門26業種の区分の撤廃し、全ての職種
で派遣期間を拡大することを目的としているようです。

真に雇用拡大につながり、働く側の本当のニーズに合致するような規制緩和の推
進を期待するところです。
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