第1章 はじめに

 

「月5万円、稼げるだけでいいんだ」
そう思ってた。


会社の給料は頭打ちで、家に帰る頃には気力も残ってない。
それでも、何かを変えたくて、副業の世界に飛び込んだ。

最初は、希望だった。


転売で稼いでいる人のブログ。
情報商材を売ってる人のキラキラした実績画面。
アフィリエイトで「毎月30万円です^^」と笑う人のnote。

「自分にもできるかも」
「頑張れば追いつけるかも」
——その“かも”が、100万円を溶かした。

 

教材代。
広告費。
ツール代。
セミナー。
移動費。
リライト代行。
そして何より、時間。

全部、自己投資だと思ってた。


でも、気づけば何も残っていなかった。


アカウントだけが散らばって、アクセスはゼロ。


「今月こそは」と自分に言い聞かせる声が、どんどん小さくなっていった。

…あのときの自分に、何か一つでも言えるなら。

「お前、自分で“問い”を持ってたか?」

って聞きたい。

 

なぜ、それをやってるのか。
誰に、何を、届けたいのか。
そもそも、自分はどんな人生を生きたかったのか。


——何もなかった。ただ、「稼げるらしいから」という空っぽの動機だけがあった。

これは、他人を責めたい話じゃない。


「お前もバカだったな」と笑って言える自分になれたからこそ、今こうして書けている。
副業で何度も何度も迷走して、
情報に振り回されて、
「このままじゃ終わる」と思った夜を越えてきたから。

今だから、ようやく思える。
あの連敗の中で本当に足りなかったのは、「スキル」じゃなかった。
「問い」だったんだと。


 

 

第2章 手段が先にある副業の怖さ


気づけば、僕はいつも「誰かのやり方」をなぞっていた。

情報商材を買ったときは、
「この通りやれば結果が出る」と信じて疑わなかった。

 

転売に手を出したときは、
「リサーチさえすれば売れる」と思って、Amazonのランキングを眺めていた。

 

アフィリエイトを始めたときは、
「SEOが命」と言われて、キーワード選定とツールの使い方をひたすら学んでいた。

…でも、どれも“やり方”しかなかった。


そこに“自分”は、いなかった。

 


売れる商品を探す。
流行ってるキーワードを追いかける。
上位表示されてるブログを模倣する。

やってることは“正しい”ように見えた。
でも、“正しい”って誰にとってだろう?


それは、その人にとっての「最適解」であって、僕にとってのものじゃなかった。

手段が先にある副業は、すごく怖い。
“なぜこれをやるのか”が自分の中にないから、
新しいノウハウが出てくるたびにブレるし、
少しでも成果が出ないと「これじゃダメなんだ」と焦ってしまう。

 

やってもやっても、足りない気がして、
毎月、何かを「買い足さなきゃいけない」気がしてた。

でも、それって本当は“問い”が空白なだけなんだよね。

 


「この手段をやりたい」じゃなくて、
「この問いに答えたくて、この手段を選んだ」

——そこがズレてた。

 

手段は問いに従属する。
でも、僕の副業は「手段→行動」で終わってた。
だから、失敗した。だから、続かなかった。

 


🔹ミニワーク:自分の副業を“問い”で見直す

今あなたがやっている(または、これからやろうとしている)副業について、自分にこう問いかけてみてください:

  1. なぜ、これを選んだのか?

  2. これを通じて、誰に何を届けたいのか?

  3. 自分の“問い”は、この副業で答えられるか?

 

◆ 第3章 なぜ“問い”がなかったのか?


正直に言うと——
「問いを持つ」とか「届けたいものを考える」とか、
そんなことを考える余裕は、なかった。

 

本業が忙しくて、
毎日、疲れ果てて家に帰る。
副業をやろうにも、思考なんて止まってて、
目の前にある教材を“そのままなぞる”くらいしかできなかった。

 

だから気づけなかった。

 

問いがなかったんじゃなくて、
「問いを立てられるほど、自分が整っていなかった」んだって。

 


当時の僕は、自分の思考を“追い出す癖”がついていた。
「考えると不安になるから、考えない」
「自分の声を聞くと苦しくなるから、聞かない」

代わりに、誰かの“正しそうな声”を聞き続けていた。
「稼ぐなら今はこれ!」
「時代は動画だ!」
「成功者はこうしている!」
「初心者でもすぐできる!」

…その声に安心していたのは、きっと、“考えなくて済むから”。

 

でも、それじゃダメだった。


僕の人生を引き受けるのは、他人じゃない。


「選ばされた」と思っていても、
実は「自分で選ばなかった」だけだった。


“問い”は、自分と向き合った先にしか出てこない。
でも、それは“ちゃんと休んだあと”にしかできない。

僕が問いを持てなかったのは、意志が弱かったからじゃない。
“立ち止まって考える体力”がなかっただけだったんだ。

 


🔹ミニワーク:問いが持てない理由を見つける

次の問いを、紙でもスマホでもいいので書き出してみてください:

  1. 最近「考えたくないな」と感じた瞬間はいつでしたか?

  2. それは、なぜですか?(疲労・不安・過去の傷 etc.)

  3. 「今の自分に足りないのは、問いではなく〇〇だ」としたら、何が入りますか?

無理に“問い”を持とうとせず、
まずは“なぜ持てないか”を丁寧に扱うことで、次の一歩が見えてきます。


 

◆ 第4章 問いがある副業は、静かに強い


あるときから、僕は「成果」よりも「問い」を大事にするようになった。

 

——というと、カッコよく聞こえるかもしれない。


でも実際は、10連敗以上して、借金もして、
“もうこれ以上、表面だけのやり方に振り回されるのはやめよう”と思っただけ。

「この副業、ほんとに自分がやる意味ある?」
「なんで俺は、これをやってる?」

何度も何度も、自分に問い直すようにした。

 


すると、不思議なことが起きた。

・記事のネタが尽きなくなった
・“伝えたいこと”が先にあって、書くスピードが上がった
・少しずつだけど、“自分の文体”が出てきた
・「濵口さんの言葉って、なんか響く」と言ってくれる人が現れた

どれも“ノウハウ”じゃなかった。
自分の中にある“問い”から出てきたものだった。

 


問いがある副業は、静かに強い。
すぐバズらなくても、
すぐ収益にならなくても、
“やる理由”があるから続けられる。

むしろ、やる意味が見えないことを繰り返すほうが、
長期的には心が摩耗して壊れてしまう。

問いは、あなたを守る盾にもなる。
でもそれは、「ちゃんと選んだ人間」にだけ与えられる。

 


問いのある副業は、
「楽しい」とか「ラク」とかとはちょっと違う。

静かに、でも、しっかりと——
“人生が自分の手に戻ってくる”感覚がある。

 


🔹ミニワーク:今のあなたの“問い”を書いてみる

今やっている副業、もしくはこれからやりたいと思っていることに対して、以下の問いを書いてみてください。

  1. なぜ、それをやろうと思ったのか?

  2. 自分の中にどんな“問い”があるのか?

  3. それは、どんな人に届けたい問いか?

うまく言葉にできなくても大丈夫です。
「問いを持とうとする姿勢」自体が、すでに“軸”の始まりです。


 

◆ 第5章 再起は、“問い”から始まる


僕は、特別な人間じゃない。
ただ、副業で10連敗した。
借金もしたし、逃げたこともある。

 

でも、不思議と——
「終わった」と思った夜ほど、
次の日の朝、なんとか目だけは覚めた。

 

そしてまた、始めた。
怖さも、迷いも、全部引きずったまま。

 


うまくいかない日々を経て、ようやく気づいた。

副業で再起するには、
「ノウハウ」よりも「問い」が必要だった。


「成功者の真似」より、「自分との対話」が必要だった。

“もう一度やる”と決めた日、
僕はこう問いかけた。

「次こそ、“誰かの真似”じゃなく、“自分の問い”から始めよう」

 


再起は、「努力の量」で勝負するものじゃない。
再起は、「問いの深さ」で支えられるものだと思う。

問いがあれば、時間がかかっても戻ってこられる。
問いがあれば、ブレても立て直せる。
問いがあれば、また進める。

 


そして今、この記事を読んでいるあなたも、
何かしらの“問い”を持って、ここに来てくれたのだと思う。

それは、もう十分すぎるスタートだ。

 


🔹ミニワーク:再起の一歩を言語化する

  1. 「もう一度、始めたい」と思っていることは何ですか?

  2. その理由は、“成果”のためですか? “意味”のためですか?

  3. どんな小さな一歩なら、今日できそうですか?

“動けない日”があってもいい。
でも、“問いがある日”を1日でも多く持てれば、人生は少しずつ変わっていきます。

 


この記事は、ここまでです。
この文章が、どこかで疲れていたあなたの“問い直し”のきっかけになれば嬉しいです。


 

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