慢性痛に特化した認知行動療法という方法
慢性的な痛み(3か月以上続く痛み)で困られている方ずいぶんおられると思います。
慢性疼痛のいくつかの調査研究では、わが国では全人口の約14%から23%の方がいると報告されています。
ざっくりと国民の1700万人~2800万人の方が痛みの問題で困られていることになります。
慢性的な痛みと言っても大きく2つに分かれます。
まずは急性痛の延長で続いている痛み。
例えば、肩こりがあるとしましょう。一日中パソコン業務のために年がら年中肩が凝っている場合などがこれにあたります。
この場合は、肩以外に問題はなく肩の筋緊張だけが問題なので定期的に鍼治療を受けたりしながら、自分でもストレッチや肩の筋肉を動かす運動、有酸素運動など日々コンディショニングを行うことが必要になります。
もう一つの慢性的な痛みをここでは『慢性痛』と呼びます。
多くの慢性痛といわれているものがこちらになります。
例えば、腰痛がかれこれ6か月ぐらい続いていて、それ以外にも足の冷えも出てきたりまた、よく眠れなくもなってきているなど、腰痛以外にも全身に何らかの症状が起きている場合がこれにあたります。
それとこの場合、腰には一切の問題がなくなっているのに痛みだけが残りている状態です。(痛覚変調性疼痛といいます・脳のネットワークの変化による問題)
ちなみに線維筋痛症はこちらになります。
捻挫・ぎっくり腰、関節痛、その他病気やけがの一過性の痛みである急性痛が起きたら、まずは整形外科やそれぞれの病気の科にいかれると思います。
しかし、慢性痛の場合はどうでしょうか。
そのまま整形外科に通い続ける。
鍼灸治療や整骨院などにも行ってみる。
痛みで不安感・心配が高くなって、MRIなどのいろいろな検査を受けたり神経科やその他の科を受診したりしてしまっている。
慢性痛(痛覚変調性疼痛)は、その場所(腰痛だと腰)が問題ではなく、痛みを感じるときに脳で多くの部位がネットワークを通じて同時に活動することがわかってきています。(ペインマトリックスやニューロマトリックスと⾔われています)
また、脳画像などでは通常の痛みを感じる脳の領域に変化があったり、関与しなくていい部位と関与してしまったりすることがわかってきて、このように脳の誤作動によって痛みが慢性的に続く原因であると考えられています。
さて、慢性痛の治療はどうなっているのか。
薬物療法は医師ではないので、医師が書かれているものなどをお読みください。
薬物療法以外では、
運動療法として、段階的有酸素運動やヨガ、大極圏なども有効な一つの方法です。
それ以外では、鍼灸治療以外では私の専門でもある認知行動療法も有効な方法の一つとされています。
日本の『慢性疼痛診療ガイドライン(2021年)』によると
認知行動療法/マインドフルネス/アクセプタンス&コミットメント・セラピーの3つの心理療法は、
推奨度:2(弱)
エビデンス総体の総括:B(中)
2とBと思われるかもしれませんが、結構信頼度が高い数字です。
エビデンスとは、
医療や心理の世界では『その病気に対する薬や治療方法の科学的根拠』という意味で使われています。
EBMという言葉もよく使われます。「Evidence-Based Medicine」日本語訳では『(科学的)根拠に基づいた医療』と訳されています。
慢性痛の認知行動療法は、日本より海外の方が研究が盛んで、エビデンスもきっちりと出している。
日本は千葉大学 大学院医学研究院などで『慢性疼痛の認知行動療法プログラム』が開発されている。
たぶん、これを読まれている方の中にも『慢性疼痛に認知行動療法』(心理療法を使うの?)と思われる方も多くおられるのではないでしょうか。
私のところにも慢性痛の方は鍼灸治療を希望してこられます。
ただ、来られた方には『鍼治療と認知行動療法の併用』か『認知行動療法単独』のどちらかで行っていることを説明させていただいております。
まぁ、日本ではまだまだ慢性疼痛でお困りの方が、鍼灸院に行くことはあってもカウンセリング・ルームに『慢性疼痛の認知行動療法プログラム』を受けることを目的に行く方はいないかな。
たぶん、慢性疼痛でお困りの方は想像すらしていないのではないでしょうか。
ただ、『慢性疼痛の認知行動療法』はエビデンスもあり、効果的な方法であることを知っておいてください。
リスタでは、
慢性痛に対して『鍼治療と慢性疼痛の認知行動療法プログラム』を併用して行う方法と『慢性疼痛の認知行動療法プログラム』単独のどちらかで行っております。
新横浜の鍼灸治療室
千田 恵吾



