■ジブリの特徴2
95年の夏に公開された「耳をすませば」では、宮崎がプロデューサー・脚本・絵コンテを担当し、これまで「火垂るの墓」「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」のジブリ作品で作画監督などを担当してきた近藤喜文が初監督に挑戦するという新しい布陣を敷きました。また「デジタル合成」を採用することで、制作現場へのデジタル技術導入を加速させるきっかけにもなりました。思春期の爽やかな出会いを描いた「耳をすませば」もその年の邦画No.1になりました。
その後、「もののけ姫」では初めてデジタルペイントを採用し、完成後には社内に本格的なCG部を設立。その後、CG部はデジタル作画部と名を変えて、「ゲド戦記」まで映画制作に大いに貢献しました。しかし、その後は、作画方針の変更もあって、CG部は縮小され映像部に吸収されて現在に至ります。
ちなみに現在スタジオジブリに社員として所属するのは、制作系のスタッフとして作画・デジタルペイント・美術・撮影・映像・音響制作・演出・制作部門があわせて約100人、事務系のスタッフとして業務・出版・商品・海外事業・イベント・管理部門・その他で50人の合計計150人です。こうやって比較するとおわかりのように、その3分の2が映像を作る作業に関わるスタッフです。ジブリ作品は他のスタジオに比べるとコスト高だという話を繰り返ししてきましたが、映画制作に必要なほとんどの作業を社員スタッフでまかなっていることが大きく影響しています。このことが、良質な作品を作り続ける上で大きく貢献している特長なのですが、見方を変えると弱点のひとつだといえるかもしれません。
