昨日6月25日は、私が親しく

させて頂いている、

国立ウラル音楽専門学校で

卒業証書が授与されました。

 

卒業式(最後のベル)は

既に5月に催されていますが

卒業を控えた最上級生達は

その後に、中等教育修了を

証明する証書を得るため

厳しい国家試験に

合格せねばなりません。

 

ここウラル音楽学校では

楽典、ソルフェージュ、

指導法等の学科試験に加えて、

楽器の演奏実技で

試験に受からねばなりません

 

正に友人の教える打楽器クラスの

優等生のキリール君が書いてきて

くれたように、

 

「人生の重要な段階」

なのですね?

 

そんなプレッシューを晴れて

潜り抜けたキリール君から

先週やっと嬉し気な報告と共に

実技演奏の様子を知らせる

メールが届きました。

 

「イゴールも僕も学科試験と

実技試験の全てで”優”を取り

その間に、安倍圭子先生の

最新の作品「時の流れ」

(Reminescence for solo Marimba)

にも着手、

やっと録音できましたので

お送りします。安倍先生に

お送り頂けるでしょうか?」

 

というメールでした。

 

安倍先生の作品の件は

また別に書くとしまして

 

まずはキリール君の

卒業国家試験での

演奏を聴かせて頂きました。

ちょっと繰り返しになって

しまいますが...

 

容量が大きいのでこちらに

ご紹介できず残念です

 

 

1. シロフォン(木琴)で

サラサーテの「カルメン幻想曲」

 

 

 

 

2. ヴィヴラフォンで

 

 

 

 

3. スネア・ドラムでは

グラン・プリも受賞した

「アスヴェンヴュラス」を

 

この曲は先日日ロ文化フェスで

ペテルブルクのタラヌハ君も

披露したそうですが、

 

聴きに行った野口先生曰く

「ウラルの皆さんがこなくて

残念です...」と、

 

 

 

4. マリンバでは、シュヴァントナーの

Volocities(永遠機関)

 

 

 

5. ティンパニーでも

 

 

 

 

6. 更に、スネアセットでも

 

 

6曲をステージに出てきて

シロフォン、ヴィヴラフォン

マリンバ、スネアドラム

ティンパニー、

打楽器によるアンサンブルと

 

次々と披露していったのには

びっくりでした!

 

国家試験のため客席には

審査員の先生方以外には

2人を指導してきた

クミーシェ先生が心配そうに

見守っています

 

 

そしてアンサンブルでは

 

既にフィルハーモニーで披露し

大成功を収めた、日本の

野口道子さん編曲の

 

1. バッハ「トッカータとフーガ」

弾き終えた時、キリール君が

大きく一息をついたのが

印象的でした。

 

キーになるソロを担当したので

緊張したのでしょうね?

 

 

2. スネア・アンサンブルで

 

ザハール君中心に3人の息が

ぴったりのPer uno.

 

この時ばかりは国家試験中でも

3人はリラックス、

お互いの顔を見合って

時には笑顔もみせる余裕の演奏

音楽学校最後の共演を

楽しんでいました音符

 

 

総計、驚異の8曲!ドンッ

 

 

キリール君が送ってきてくれた

映像を見て、この日の

最後の卒業試験のために

 

師のクミーシェ先生が

愛弟子達に、苛酷な程に

次々と、コンクール、学内外での

コンサート、ステージ出演と、

様々な楽曲を課題として与え、

訓練してきたのだな、と

今初めて思い至りました。

 

このままでも既に十分

どのプロのロシアの有名な

オーケストラでも通用するだけの

実力をつけて卒業する

彼らの姿を見て

 

12年のロシアの専門教育の

凄まじさを実感させられ

 

思わずキリール君に

 

「もう大学や、

コンセルヴァトーリャで

学ぶ必要もなさそうね!」

と言ってしまいました。

 

クラスの優等生、リーダーとして

常にクミーシェ先生を助けて

年少の後輩達をリードしてきた

キリール君とイゴール君も

この秋からは、夫々

別のアカデミーに進学

 

夫々の道を歩むわけですが、

 

Per unoでは、お互いの顔を

見合って実に楽し気に

盛り上がって演奏、

 

フィナーレでは、もう

3人で弾くのが楽しくて

堪らない、といった笑顔を

みせて合っていました音符

 

これからクラスを率いるのは

一年下のザハール君になります

 

何をやってもそつなくこなす

キルール君達とは異なる

ユニークなキャラクターですが

 

スネアの腕は天才級、

マリンバでも躍進して

います。

 

いつかまた3人の共演が

みれるでしょうか?

 

卒業しても、

日本で教鞭を執られる

同窓の大先輩のピアニスト

イリヤ・イーティン先生が

語る如く、

 

ウラル音楽学校は、

彼らにとっては、

将来どこで活躍しても

「スウィート・ホーム」♡

なのでしょうね?

 

国家試験での全優突破

おめでとう!

 

来月はアカデミーへの入学試験が

キリル君、イゴル君を待っています。

 

そして9月からは音楽院へ

 

青春を余すところなく

力一杯学び、演奏し、

活き活きと、まっすぐに

音楽の道を進んでいく

ロシアの学生達...

 

本当に眩しい程ですキラキラ

 

 

 

師のクミーシェ先生の

教職50周年記念での

先生、イゴール、キリール君

 

クミーシェ先生も誇らしくて

でもちょっと寂しく思われて

いることでしょう...赤薔薇

 

私も同じです...

 

 

”最後のベル”にて