政治とは、共に歩み寄る技である

 

 

ロシア第一チャンネル

パーヴェル・ザルービン

記者の質問に答えた

プーチン大統領、

タッカー・カールソンの

インタヴュー後インタヴュー

その最終編は、

 

トランプ大統領について~

 

このザルービン記者との

インタヴューからは

大統領の考え方というものが

良く伝わってくるように

思えます

 

 

***********

 

 

P.ザルービン: EUでは、

全体として、トランプ氏が

合衆国大統領に

返り咲く可能性に関連して、

パニックになっているようです。

 

トランプ氏の最近の発言に、

つい先日のことですが、

欧州の指導者たちは落胆を

隠していません。

 

トランプ氏は、欧州諸国が

その費用を負担する場合に限り、

合衆国は欧州諸国を

保護すべきだと述べています。

 

だいたい、なぜ欧州、

欧州の指導者、政治家と

トランプ氏との間に

そのような関係が生じて

いるのでしょうか?


(ザルービン氏の質問に答える

プーチン大統領、良い表情ですね?)

 

 

V. プーチン: トランプ氏は

常に反体制的な政治家と

呼ばれてきた。彼は、米国が

その衛星国との関係を、どう

発展させるべきかについて

独自の見解を持っているのです。

 

以前のもそうでしたが、

環境に関する京都合意からの

米国の離脱を例にとれば、

その時も火花が散っています。

 

しかし、当時の合衆国大統領は、

環境問題のもつ魅力的な側面の

全てにも拘わらず、それは

アメリカ経済に打撃を与えると考え、

京都合意からの離脱を決定したのです。

それだけの話です。

 

彼はやり遂げる意志を持って

決断した、それだけのことです。

ヨーロッパの指導者たちが

どんなに彼を非難しようとも、

彼はそれを実行しました、そう、

後で修正はしましたがね。

 

では、この点に於いて、

トランプ氏の立場はどう違うのか?

根本的には何も異なりません。

彼は欧州に国防費の引き上げを

要求した、「我々が防衛する、

核の傘を広げる、それなら、

その費用は支払って貰おう...」

というように、まあ

私の知るところではなく

彼らが自分達で解決すべき

ことですが。

 

彼(トランプ氏)の視点からすれば

それなりの論理があるのですが

ヨーロッパ人達の視点からすれば

何の論理もないことになる。

 

彼らは、合衆国がNATO制度が

成立した瞬間から果たしてきた

役割の無償継続を望んでいるから。

それも彼らの問題です。


私は、と言えば、NATOは

大体において、何の役の役にも

立ちはしないと思う。

それは合衆国の外交政策の

道具なのだから。

 

しかし、もし米国が

この道具は必要ないと

考えるのであれば、

それも彼らが決めること

になることだろう。

 

 

P.ザルービン: 現バイデン

合衆国大統領は、

全世界が彼の健康状態につき

日々、話題をかもしています。

 

核保有大国の大統領であるのに。

その点で、私たちは皆、

控えめに言っても、極めて

具体的な映像を日常的に

観察しているわけですが、

これらを見聞きされて、

どう思われているのでしょう?

V. プーチン: 合衆国では、

内政キャンペーン、

選挙キャンペーンが勢いを増し

それは一層先鋭化した形を

とることでしょう。

私たちがこのプロセスに

干渉するのは、正しいことだとは

思えません。

 

いいですか、私がバイデン氏と

スイスで会ったのは数年前、

つまり3年前のことですが、

そのときすでに、バイデン氏は

再起不能になったと

言われていました。

 

しかし私はそのようなことは

何も目にしてはいない。

 

 

そう、彼は確かに書類を

覗き込んではいたが、

私だって、正直に言えば、

自分の書類を覗いていたのです。

それに悪いことは何もありません。

 

それに、彼がどこかで

ヘリから降りるときに

どこかに頭ををぶつけた

そうですが--頭をどこかに

ぶつけたことのない人など

いないでしょう。

 

最初に石を投げた者に

言わせておけばよいのです。

 

大体、これは私の見方ですが...

私は医者ではないし、

これについて何かコメントする

資格があるとも思わない。

 

我々が注目すべきは

そこではなく、政治的な立場です。

 

私は、今日の(米)政権の立場は

極めて有害で、間違っていると思う。

バイデン大統領にも

そう話してきました。
 

P.ザルービン: では、4年前の問題が、

今、再浮上してきていますが

バイデン氏とトランプ氏では、

どちらが我々にとって

良いのでしょうか?

V. プーチン: バイデン氏だね。

彼はより経験豊富で、

予測し易く、古いタイプの

政治家ですから。しかし、

合衆国国民が信頼を置く

指導者であれば、誰とでも

我々は協力します。

P.ザルービン: タッカー・

カールソン氏とのインタビューに

戻りたいと思います。

私達は独、英の現指導者の

発言を思い出したのですが。

 

タッカー・カールソンとの

インタヴューで貴方が

「あのジョンソン氏は

今一体どこにいるのか?」

と言った人物ですが、正に

アラハミア氏の暴露的声明によれば、

キエフにモスクワと交渉せずに

戦えと言ったのは彼でした。

 

もしキエフ政権が当時、この、

言うなれば、忠告に

耳を傾けなかったとしたら、

事態はどのように進展していた

ことでしょうか?

 

(注)ダヴィード・アラハミア氏

グルジア系、ソチ生まれ、

民衆の僕派の党首であり

政治家、企業家、

米国との議会間関係に関する

ウクライナの最高会議の

副グループ長であり、

2022年春のロシアとの

ウ側交渉メンバーの一人

 

V. プーチン:アラハミア氏は自ら

そう述べています。

このシンクロニシティを

見てください。

 

我々が彼の舌を

引っ張ったわけではない。

彼は思ったことを述べたのです。

なぜ彼がそう言ったのか、

私にはわからない。

彼は見ての通り率直な人だ。

 

彼はこう言ったのです、

我々がもし、イスタンブールで

交わされた合意を完全に

履行していれば、戦争は

1年半前に終わっていただろう、と。

彼はそう述べました。

 

カールソン氏のインタビューを

流すときには、アラハミア氏が

同時にそう述べたことも

出さねばならないでしょうね。

 

なぜ西側諸国はそのような立場を

とったのか? というのは

何よりもまず、英米世界の

英国前首相のジョンソン氏は、

この問題についてワシントンと

協議することなく、自身の

個人的イニシアティヴで

自らやって来る(キエフに)

ことはできなかった筈だからです。

 

そのような協議があっただけでなく、

彼(ジョンソン前首相)は

アメリカ政府の経費で

出張したのでしょう。

彼らはジョンソン氏に

出張費すら払っていた。

 

そこで彼は、

ウクライナ人は最後の1人まで

ロシアと戦うべきだ--

もちろんこれは括弧書きでしたが--

 

勝利の日まで戦い、

ロシアに戦略的敗北を

与えるべきだという

立場を説いたのです。

 

どうやら彼らはそのような結果を

期待していたようです。しかし、

私がカールソン氏に述べたように

あなたにも同じことを

言うことができますが、

 

結果が思わしくない、

そのような場合には、

修正せねばならない。

 

しかしそれは既に

政治術の問題となってくる、

というのは、政治というものは

ご存知のように、

歩み寄りの技だからです。

 

 

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政治はcompromise

妥協というと響きが

良くありませんが

 

comというのは、共に

一緒に、という接頭辞ですから

それにpromise,

期待を持って、共に

歩み寄る、言い交わし

約束する、そういう意味が

有ると思います

 

そうですね?

ウ政権も合衆国政権も

ロシアと歩み寄って

約束して欲しいものです。

 

ウラジーミル・プーチン大統領

71才、欧州一の国際政治の

大ヴェテラン、西側も

世界も、彼から多くを

学ぶ時が来ているのでは

ないでしょうか?

 

尚、インタヴューの場所は

ロスアトムのラボで、

こうした場所での

リラックスした雰囲気の

インタヴューも良いものですね?