良き友へ、ロシアよりをこめて

 

イタリアの元首相であった

シルヴィオ・ベルルスコーニ氏が

亡くなられたそうです。86歳。

 

首相時代から数々の

派手な話題を撒き

スキャンダルも多かった

と西側では一般化されていた

政治家でしたが

 

一時代が終わった感が

あります。

 

私も生前は

メディア王で怪しげな

存在という、いわば

今一般的な西側プーチン像にも

似た、極めて稚拙なレベルの

認識しかなかったので

今になって大反省!

しているところです

 

(若き日のベルルスコーニ氏

wikipediaおり)

 

TVや他人のいうことを

そのまま信じてしまって

自分でなりに、興味をもって

その人となりを考えてみた

のではない、

単なる他人の受け売り

だったからです。

 

 

私の親友のリーナさんも

ボローニャ大出身の左派なので

「これからベルルスコーニを

落選させるために投票に

行くわ」と言っていた

ものですが...

 

果たしてそれで良かったのか?

と現在のウ紛争の方から

みてみると、

「オリーヴの木」という

いかにも良さそうな

党を率いた

ロマーノ・ブローディのほうが

そのロシアへの発言からも

分りますが余程、無責任で愚か

(失礼)無知。

 

今回のウクライナ紛争についても

ベルルスコーニ氏は

極めて独自の見解を

示されていました。

 

当初は20年来の親友

プーチン大統領につき

「常識的で平和を愛する

民主主義者」だと思っていた

大変残念だ」

としていましたが

 

その後事情を学んでのでしょう

ミンスク合意さえウ側が

守っていれば、こうは

ならなかった、と

 

私もそれをロシアのニュースで

読んで、ベルルスコーニさん

分っているじゃない?

なんて思っていたのですが

 

亡くなられた今になって

もう一度読んでみると

その内容はなかなか

衝撃的でした

 

以下の記事なのですが

 

「2月13日、

シルヴィオ・ベルルスコーニ

伊元首相は、ウ国の

ゼ大統領には、武力紛争を

煽った責任があると、

イル・マッティーノ紙との

対談で述べた。

フォルツァ・イタリアの党首は

「もし私が首相だったら、

ゼレンスキーとは

口もききたくない。

 

彼がドンバスの

2自治共和国への

攻撃をやめさえすれば、

このようなことは

起こらなかったからだ。

 

故、私はこの人物の

振る舞いを非常に、

非常に否定的に評価する」

と述べた。

ベルルスコーニが指摘したように、

現時点では、欧米の

最新兵器の供給を

完全に停止することでしか、

ウクライナの武力紛争を

止めることはできない。

(タス通信より)

また、ベルルスコーニ氏は、

「ウクライナでの軍事衝突を

終わらせるために、

ジョー・バイデン米大統領は

ゼレンスキーに、

数十億ドルの再建計画を

提示すべきだ」と述べた。

 

元首相は、「90億ドルに上る

ウクライナ再建計画によって

キエフ政権を説得し、

軍事行動を止めさせることが

できる

 

その見返り条件として、

ゼレンスキーは軍隊に

緊急戦闘停止を命じ、

財政・軍事援助を受けるのを

止めること」だと提案した。

これに先立ち、1月25日、

ベルルスコーニ氏は、

ウクライナ紛争の

平和的解決のための解決策が

これまで見つかっていないことに

遺憾の意を表明していた。

 

同氏によると、

世界は「耐え難い代償を

支払っており、

著しい経済的困難にも

見舞われている。」

更に先立つ2022年11月17日、

イギリスの雑誌『The Spectator』は、

ベルルスコーニ氏が

モスクワとキエフ間の

和平交渉をアレンジできると

考えていることを明らかにした。

 

イタリアのヴィットリオ・

ズガルビ文化省副大臣によると、

氏はNATOの立場を損なうことなく、

「歴史に名を残す」和解を

望んでいるという。

在職中にはプーチン大統領と

ロシアと、北大西洋条約機構の

間の連携をとろうとした

ベルルスコーニ氏でした

 

名を残す、などより

親しい友人として

戦いを止めるために

何とか役に立てることが

あると思ったのでは

ないでしょうか?

 

そういう当然の反応をした

西側の指導者(元も含め)は

彼以外にいたでしょうか?

でも極めて当然で

人間的な発想では

なかったでしょうか?

 

Путин в соболезновании назвал Берлускони своим настоящим другом — РБК

(RBKより)

 

それを言えない、欧州

そこまで堕ちたのか!と

驚くばかりです!

そういう視点からみると

イタリアの政治も

違ってみえてくるかも

しれなかった...

 

良く知りもしないで

ベルルスコーニは悪い

品が無い、なんて

皆で批判していましたが

今の状況で、ウ側に

武器供与するほうが

余程政治家としての

品性が欠けた行為

ではありませんか?

 

最初の発言を

訂正したベルルスコーニ氏は

立派だったと思います。

 

正に「思ったことを

口にできる稀有の政治家」

とプーチン大統領が

語ったのも分かりますね

 

インタヴュアーに

いつになく沈痛な表情で

亡き友でもあった氏の

逝去について

答えたプーチン大統領は

 

「疑いなく、彼はヨーロッパ、

いや世界的なスケールの政治家だった。

今、国際舞台でそのような人物は

ほとんどいません。

 

彼は私たちの偉大な友人であり、

ロシアとヨーロッパ諸国間の

ビジネスや友好関係を

発展させるために多大な

貢献をしました。

ロシアと北大西洋条約機構との

関係発展の発案者であり、

関連する協力メカニズムが

作られたのも、彼の参加が

あったからで、

彼のイニシアチブだったのです。

彼は政治家としても

並外れた人物でした。

非常に誠実でオープンであり、

この種の政治家にはない特技、

思ったことを率直に口にする

特技を持っていました。

とても残念です。

イタリア国民と、

ベルルスコーニ氏の愛する人たちに、

心からの哀悼の意を表したい。

 

イタリアだけでなく、

世界の政治にとっても

大きな損失です。」

 

(ドンバス新聞より)

 

そんなチャンスもあったのですね。

COVID-19の初期に

北伊で死者が多数出て

(私の友人の知人も亡くなりましたが)

医師も不足した際、

ロシアが直ぐに軍用機に

医師のチームと医薬品をのせて

届けたこと、

 

そこには

「ロシアより愛をこめて」

From Russia with Love

と書かれていたことが

思い出されますが

 

プーチン大統領と

ベルルスコーニ元首相との

友情にもよるところが

あったのでしょうね?

 

お恥ずかしいことに

それにも思い至りません

でした。

 

 

 

ベルルスコーニ氏の

今回の和解案も

ビジネスマンでも

あった氏らしく、

現実的で良かったでは

ありませんか?!

 

そして何よりそのような

発言をした欧州の政治家は

一人もいなかったのに!

ご立派でした。

 

でもそれが命とりに

なったのではないことを

祈りたいです

 

安倍元首相を始め

ミンスク合意の存在を

口にして無事だった

大物政治家は...?

 

プーチン大統領の友

と言われた人々、

安倍元首相、そして

ベルルスコーニ元首相と

次々と亡くなっていきます

 

でもメルケルさんは

大丈夫そうですね?

あの酷い「ミンスク合意は

時間稼ぎだった」発言を

されたので...「安全印」

 

全くロマーノ・ブローディ

などとは較べものにならない

発想の大きな自由な個性の

方だったのですね?

 

自分で当たって自分で

判断することの大切さを

思わせられた

ベルルスコーニ氏の

訃報でした

 

ご冥福を心から

お祈りいたします。

 

天国から盟友ヴァロージャの

今後の奮闘を見守っていらして

下さいね

 

何やら楽しそうなお二人

(2003年モスクワのプーチン大統領宅を

訪れたベルルスコーニ元伊首相)

 

「弟分のヴァロージャを

苛める輩は、私が(天国から)

許さんからな...」