モスクワ音楽院か、グネシンか?

 

 

7月2日、セルゲイ・

プロコフィエフに

ちなんで名付けられた、

ドネツク国立音楽アカデミーと

 

モスクワの名門、

グネーシン・ロシア音楽アカデミーとの

合同サマースクールが、

あの激戦地、マリウポリで

開催されたそうです。

 

このサマー・クリエイティブ・

スクールは、両大学間の

協力協定の枠組みの中で

組織され、

 

その開講式には、

グネーシン・アカデミーの

A. リジンスキー学長、

 

プロコフィエフ記念

ドネツク音楽アカデミー

からはR. カチャーロフ学長、

 

両校の副学長も揃って参加、

その協働を喜び合われたようです。

 

 

学校のプログラムには、

グネーシン・アカデミーの協力で、

講義、マスタークラス、

遠足、創造的なリハーサル、

円卓会議やコンサートまでが含まれ

 

両アカデミーから様々な教育レベルの

学生達が参加したそうです。

 

 

ドネツク・ルガンスクへの

ロシア側の協力ぶりには

目覚ましいものがありますね。

 

ロシア・ウクライナ両軍の

戦いで黒く焼け焦げ荒廃した

マリウポリの街には、今

新しい住居、劇場、学校が

相次いで建設されています。

 

現在、復興中のマリウポリ

 

良いことだけではないにせよ、

現地の皆さんが、戻ってきて

自分の街を復興させようと

頑張っているそうです。

 

アゾフ大隊が立て篭った

アゾフスタール跡も

テクノパークとしての再利用も

考えられているようです。

 

そのグネーシン記念

ロシア音楽アカデミーは

モスクワ音楽院と並ぶ、

モスクワの名門音楽大学ですが、

 

モスクワ音楽院とは

少し風合いが異なるようです。

 

日本から留学されている方は

多いですが、ロシア国内での

入試が今真っ最中です。

 

若い友人のキリール君が

丁度今、モスクワで

音大受験中なので、

両校の入学試験の方法などを

初めて拝見してみました。

 

そこから受けた印象では

 

世界に名だたるモスクワ音楽院は

Большая Никитская и Московская консерватория

 

例えると、言わば東大?

 

言わずもながの歴史と

権威に満ちて傲然と輝き

 

大作曲家の肖像が見下ろす

音楽院の大ホール

 

ラフマニノフ・ホール

 

 

他方グネーシン・アカデミーは

グネーシン・アカデミー、夏

 

どちらかというと、そう

一橋大学、のような感じ

でしょうか?

 

より小規模で家庭的で

温かい感じで、それほど

権威的ではない、ように

思われます。

 

Концертный зал РАМ имени Гнесиных | Написано пером! | Дзен

グネシン・アカデミーのホール

 

何となく建物からも

想像できますが...

 

両校とも、2週間にわたる

入試期間中、毎日その結果が

HPに発表されて、誰でも

点数が分かるように

なっています。

 

透明といいますか、ある意味

厳しい競争ですね?

 

実技、音楽理論、面接、

ロシア語、ロシア文学、と

500点満点で採点されますが

 

昨年の合格ラインが約470点

実技では100点を揃えてくる

実力のある受験者が多いため

 

音楽実技で差がつくというより

ソルフェージュ、和声などの

口述と筆記、

 

以外とびっくりなのは

ロシア語とロシア文学

合計点にかなりの差が

出てしまっていることです。

 

ロシア語、文学は

与えられ課題につき

考察論評を加えての論述で

試験時間が各3時間!

予め課題の範囲や、参考文献も

発表されていますが、

 

(そんなの全部読めるか?!)

 

のっけから実技で入った

モス音楽院は、残すはあと

ロシア文学だけとなりましたが、

 

2週間の厳しい試験で

皆さんもう息も絶え絶え

とりわけソルフェージュや

ロシア語の試験の難しさには

具合の悪くなってしまう人も

たくさんいるようです。

 

グネシン・アカデミーの方は

最初のロシア語等の試験は

オンラインで済ませてしまい

 

残る実技試験のためには

前日にピアニストとのリハが

用意され、試験の順番も

きちんと発表されています。

 

そういう点で、受験者には

より配慮がある、感じがしますね?

 

グネシン・アカデミーの寮

なかなかリッパに見えますが

 

中身が想像される?

(ソ連時代並みの)この入り口!

 

でも、皆さんの口コミを

読んでみますと...

 

設備は足らず、古く狭くとも

いつでも音楽に溢れていて

フレンドリーで、食堂は安くて

とても美味しいようですが

 

要するに慣れてしまえば

後で可笑しくなるような

事が満載の楽しい寮生活音符

 

シャワーとか洗濯機など

アジアからの留学生が

丸ごとのチキンを料理していたり

 

不便はあっても、

そしてゴキブリ!

 

(私も毎朝14階から

投げ落とされるゴミの音で

目を覚ましたものでした...)

 

そんな寮では

上の階にいれば快適です。

 

ところが...

 

モスクワ音楽院の寮は

ピッカピカキラキラに新しい↓

 

 

この寮だけでも、

両名門音大の相違が

見えてくるようですね?

 

新しいですが、何となく

冷たい感じが....しないでもない、

 

でも誰だって

綺麗な方が良いですよね?

グネシンの寮では2段ベット

だそうです。

 

そんなモス音楽院の割り当ては

より多いかもしれませんが

 

グネーシン・アカデミーでは

今年の打楽器科では、

1人の無償教育枠に対して

8名が応募しています

つまり8倍!

 

 

そんな厳しい入学試験が

繰り広げられているモスクワ

 

今日は16~24℃の大変

過ごしやすい天気です。

 

受験生の皆さんの健闘を祈ります。

どうか夫々が、希望の大学に

進めますように!クローバー虹

 

それにしても

マリウポリの再建も必要ですが

 

もういい加減ロシアが誇る

音楽大学の寮、21世紀に

ソ連時代並みとは?!

建て直ししてあげれば良いのに!

改修には4700万円で可能だそうです。

 

ガスプロムとかその位

出せないのでしょうか?

 

プーチン大統領も、

どこを見ておられるか?!

 

 

それを楽しく嗤い飛ばす

今も昔も変わらない

ロシアン・ユーモア

 

”グネシン・アカデミーの寮は

地上の楽園” ユーモア版↓

 

 

”グネシンカ~愛すべき寮よ!”

 

グネーシン記念

ロシア国立音楽アカデミー

我々の寮の生活は最高だ!爆弾