静かに、静かに、時間が過ぎる。
先生の首に腕を回して、じっと抱きしめあうわたしたち。
3分?5分?10分?

ふたりとも、動かない。
お互い、違う辛さを噛み締めていた。
それと同時に、だまったまま、癒しあっているのがわかる。

先に動いたのはどっちだろう。
どちらかが少し身体を動かした時、自然に顔が向かい合い、
そっと唇が触れた。

軽いキス。
優しさが伝わってきた。
2回、3回。

隣りに座っていたわたしは、
もっと近づきたくて、もっと密着したくて、
先生の両方の太ももをまたぐ形で先生の上に座った。
「わたしにしては、大胆な・・・。」と心の中で苦笑。

そして、またぎゅっと抱きしめあった。
そのままの状態が、また続く。

わたしの頭の中は、いろんな思いがグルグル駆け巡る。
アニメで言えば、トムとジェリーに出てくる
「悪魔のジェリー」と「天使のジェリー」といったところ。

黒服のわたしは「いつまでじっと抱き合ってるんだよお!こっちから先生を押し倒しちゃえ!!」
白服のわたしは「不倫をしている夫を非難していたのに、こんなこと・・・いいのだろうか?」
そして素のわたし「先生は、今何を考えているのだろう。このまま、わたしたちは、どうなるの?」

そういう思いが伝わったのかどうか不明だが、
先生の右手が動いた。

頭を撫でてくれた。
次に背中を。
わたしも同じように先生の背中を撫でた。

先生の手のひらが、戸惑いながら、
わたしの胸元にたどり着いた。

長い、長い、迷い道の末、ようやくたどり着いた。
そんな感じ。

「いやだったら言って・・・。」
先生が、ベットの方にわたしの身体を向けた。

この歳で、情けないほど男性経験の少ないわたし。
「こんな時、どうすればいいんだろう?」
なんてハジメテの少女のように、バカみたいに考えてる。

恥ずかしい、でも決して「イヤ」ではない。
すすーーーっと、急いでベットにもぐるわたし。
続けて、先生がわたしの隣に横になった。

向かい合って、再びそっと抱きしめあった。