外国資本による森林買収に備え、佐久地域の水資源について考えようと、佐久市などが30日、「信州佐久の『水』を守るシンポジウム」を市内で開いた。市民ら約570人が参加し、地域の課題を共有した。
シンポジウムでは元共同通信記者で国防などに詳しい青山繁晴・独立総合研究所社長が「世界水戦争の時代を生き抜く」と題して講演した。中国の水不足や水質汚染に触れ、「日本は地下水や湧き水の規制がなく、水資源が狙われやすい。信州から声を上げてほしい」と訴えた。
続いて水資源の保全について有識者らによるパネルディスカッションがあり、ジャーナリスト有本香さんと東京財団研究員吉原祥子さんが、外国資本による北海道の森林買収の事例を紹介した。有本さんは「水資源は油田と同じ。投資の対象になる」、吉原さんは「暮らしの安全安心に関わる土地については売買規制が必要」と話し、水資源に対する認識の重要性や制度の不十分さを指摘した。
他県では、外国資本による森林買収の事例があり、森林の地下にある水資源などが目的とみられる。佐久市にも昨年から、外国資本と見られる者から水源利用や土地の購入についての問い合わせが2件あった。
現在の法律では地下水のくみ上げを規制することができない。水道水源を地下水や湧水(ゆう・すい)に頼る佐久市は、地下水が大量にくみ上げられるなどして水資源に影響が出ることを懸念している。
柳田清二市長は「水資源は共有の財産。長年かけて育まれた水を一法人、一個人が占有するのは問題だ。難しい課題だが、地域のみなさんと考えていきたい」と話した。
出典:朝日新聞