
この辺の話は、高草木先生や樋口先生からの学びがきっかけに感じるようになったもの。
そのものに関しては、僕自身が正しく説明できるレベルにありませんので、
A´sメソッドとの関係性についてのみお話します。
先行性姿勢制御は、文字どおり、目的となる課題が遂行される以前に起こります。
準備の段階ですよね。
準備の段階なので、静的なアライメントとから、動き始める直前に起こっているものだと思います。
よって、静的なアライメントがどんな状態であるかっていうことが影響していると思います。
その静的なアライメント=何もしない状態とすれば、ボディタイプの特性が出ると、臨床上、感じています。
ボディタイプ特性を用いた先行性姿勢制御に続いて行った立位。
その立位の姿勢制御は、ボディタイプの特性を基盤とし、静止立位としての制御、重心位置、肢位、外力の変化に対応していると思います。
フィードフォワード、フィードバック。
内部表象、適応機構。
身体と外的環境のキャッチボールによって、立位が成立しています。
だからこそ、外的環境にどんなボールを投げているのか?どんなボールが反って来ているのかが大事です。
また、ボディタイプ別に眼球肢位、運動優劣があるのは先日お伝えしました。
見易い方向や使い方があります。
視角からの情報は、運動の円滑な遂行に関与します。
狭路の歩行、障害物の回避では、対象物の直前ではなく、その数歩前から、歩容が変化していきます。
そこで、先行性姿勢制御が働くのですが、
その際の、戦略には左右差、前後差、水平面の差がみられます。
身体を捻る方向や跨ぐ足、避ける方向等ボディタイプで、得意な動きを選択しやすいです。
環境により、苦手な方向に動くことを強いられた場合は、動作が緩慢になります。
なので、この際の戦略に影響を与えている場面としては、起立時の離臀や、歩行開始時の1歩が大きいと感じています。
歩行開始時の1歩に影響を与えているのが離臀時ですので、やはり坐位の状態が大きいです。
立位、歩行においては、同時にいろんなタスクを行っています。
ゆえに、動作分析をする際、こういった肢位別の特性を知っておくことは、より正確に要因を絞りこむために重要です。
物理的連続性により、起こっているのに、
障害物が◯◯だったから
◯麻痺だから
と、決めてしまうのは、よくないです。
様々な、条件、状況から選択することを肝に命じておくと良いと、自分は言い聞かせてます。
坐位→立位で、身体が強固に締まるということを前回お話しました。
では、立位→坐位はどうか?
逆になります。強固に締めたロックを外す動きが着座時の第1相にみられます。
座る時の『フッ』と力を抜く瞬間です。
膝関節屈曲15~20°くらいの時です。
その後の動作を確認すると、左右差、前後差、水平面の差において、ボディタイプの得意な動きが出ます。
よって着臀する際には、右軸であれば右、左軸であれば左臀部に強い床反力となり、
坐位姿勢を作っていきます。
離臀時に調整済みであっても、着座時には調整してない時よりは、いいですが、
ボディタイプ特性を持った坐位に戻ります。
まぁ、単純に僕の調整の仕方が下手なのだと思う部分も大いにありますが、
トレーニング効果の持続性を出にくい要因に、関係していると思います。
座れば、戻るんですから。
それを知った上での対処法こそ、持続性を上げるものだと思ってます。
なので、僕は、対象者に戻ることを体感してもらい理解してもらった上で、着座直後に坐位を修整するセルフエクササイズを行ってもらいます。
眼球運動と呼吸を合わせた頭部~頸椎の調整
呼吸頭部坐面の変化(左右にずらす)による頭部~骨盤の調整
等です。
ここにインソールや、坐面クッションを合わせるとさらに効果的です。
話が行ったり来たりしましたがまとめます。
僕は、先行性姿勢制御は運動の『質』を
規定し
反応性姿勢制御は『量』規定していると感じています。
そして、ボディタイプを考慮せずに行った練習は、すべて『量』を変えているものと考えます。
『構造』と『機能』の差でしょうか?!
どんな身体が、どんな経験をし、どんな動かし方を選択しているか?
その選択に対し、抑制するのか?促通するのか?
それは、ICFのように対象者の問題点を広く捉えた上で、判断すると良いと、思います。
左右対称化することが必ずしも正解じゃありませんので。
いずれにせよ、身体構造、心身機能を把握することは、大事ですよね。
勉強もっとしなきゃです。 続く