皆さま、おはようございます。ご訪問、ありがとうございます。

 

さて、最近、為替や金融、一部相場につきブログしておりますが、ちなみに世界最大の運用機関は日本にあります。その原資は、私も皆さまもお世話になっている、あるいは将来お世話になる年金を運用している機関です。

 

年金積立金管理運用独法(通称GPIF)が世界最大の運用機関のはずですが、2024年8月2日時点で250兆円くらいを運用していると思います。日本の国家予算の2倍を超えますので、天文学的な金額ですね。確かGPIFのポートフォリオは厳しく設定・管理されているかと思いますが、これは政府が決定しているのでしょうか?ちょっと判りませんが、厚労省でしょうかね。

 

年金の市場運用が始まったのは2001年のようですが、2006年からの3年間は国内債券67%、国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%と設定されていますので、国内債券・株式で78%と比重が国内分に多く置かれていますね。それが2014年から国内債券35%、国内株式25%、外国債券15%、外国株式25%と国内分6:海外分4と海外分を大幅に増やしていますね。

 

そして、現時点では各々にて25%ずつの配分だったと記憶していますので、いよいよ国内分5:海外分5、さらに債券と株式の割合も5:5にもってきた、すなわち、よりリスクを取るようになってきたということかと思います。なお、投資の世界でリスクというのは危険という意味ではなく、『振れ幅が大きい』、すなわち下げ幅も大きいが上げ幅も大きい、ということかと理解しています。

 

現在の運用責任者は奧野一成さんだと思いますが、本を読んだ限りでは、結構、クセの強いご性格と感じます。もっとも私どもの年金という公金を運用しますので、損失を出せばマスコミからたたかれますので、それなりの性格でないとやっていけないとは思います。なお、私自身は奧野さんの運用方針には納得しています。

 

2001年度に市場での運用を始めてからの累積の収益額は約162兆8千億円の黒字で、年当たり収益率はプラス4.47%となりますね。利幅が小さい債券が約半分ある、かつリーマンショック時を含めても4.47%ですので、株式の比率が多くなっている近年では5%を超えるリターンになっているのは間違いないと思います。複利における72の法則を使えば、72÷5=約14年の間に元本と同じリターン、すなわち原資が2倍に増える100%のリターンを得ていることになるかと思います。

 

ただし、現在、政府が支払っている年金支出は年に56兆円であり、これは継続して支払わなければならない金額ですね。あるいは、私の世代を含めて、年金支出は高齢者が増えるとともに増加していくので、そう考えると累積運用益162兆円はわずか3年分、すなわち大した金額ではないという意見もあるかもしれません。でも、この運用益によって、現在の仕組みで年金を支給できる計算上の各個人向けの支給額は、約5%ポイントぐらいはカバーできるとのことです。

 

年金危機とかも聞かれますが、私自身は難しいことは考えず、どのような局面になろうとも、今まで私たちが築き上げてきた社会というのはそんなに脆弱なものではないと思っています。また、特に日本は意志決定までに時間を要するかと思いますが、それでも年金を市場で運用していくなど制度を変えていける素地はある、そして一度、意志決定がなされた後の行動は極めて早いといったこと等から、まだまだ世界第4位の経済規模をもち極めて能力の高い国民が暮らす国である、という気持ちはあります。

 

それでは本日もよい日でありますように!