ご訪問、ありがとうございます。

一つ前のブログの続きですが、岸にあがって調査を開始すると、悲惨でした。大洪水によって村ごと流亡、かろうじて残る家屋の一部、そして現地役所職員は茫然自失の体にて、あそこの茂みにはまだ27体のこっています、とお話されます。完全に目の焦点が私とあわないのですが(彼は私の顔を見ているが、焦点を私の2mくらい背後に結んでいる感じ)、その27体の中に奥様やご子息もいるとのこと、あとから相棒から聞きました。

ただ、そんな状況の中でも、既に公共事業省が急ぎ派遣したバックホーは堤防修復の工事を開始し、そして竹で低床ですが地面から50cmくらいのところに床をつくり、順次、同じ竹で壁を作り始めている痩せた男性も見えました。一見、山羊の簡易畜舎かと思ってしまいますが、住むための(あるいは雨風防ぐための)仮設家屋です。他にも復興に向けて、自らができることを始めている方々もおり、これには感服しました。

そして、現地状況の確認を行い首都に舞い戻ってfirst-handの情報を代表さんに伝え、その午後はUN主催のNGOひとまとめ緊急支援の会議に参加しました。私からは、簡単な現地状況の報告を行っただけですが、その時の会議の進行役はたっぷりと脂ぎったUN職員(失礼)、そして参加しているNGO3040団体くらいはいたと思います。

今度は脂ののったと表現しますが、そのUN職員は大きなデルタの地図を壁において、現地を直接見ているNGOから次々と情報を求めます。しばらくは情報収集、あるいは情報updateですが、続いてかぶせるように、この地区に飲料水○○○トン必要、給水車だと○十台分、派遣できる組織は??とどなるようなマシンガントークで問いかけます。とあるNGO3台、○○トンまで、もう一つのNGO5台の給水車派遣可能、と即答します。

他、食料品、薬品・医療品、テント、また村落道路や村落橋の簡易補修のための小型の重機や材料(木材、砂利、土嚢、竹など)の提供可能な組織は?とまたまたマシンガントーク、というかマシンガン要請ですね。

私は彼の裁き方を見ていて、軽い感動を覚えていました。とても、これは自分にはできません。いずれにせよ、巨大なモグラたたきを、そしてそれを瞬殺で連続的にこなしているような感じなのです。あちこちの状況を把握したら、ほぼ同時並行的に必要なそして実際に投入できる資源の確認、その資源を提供する担当組織の確認と合意、、、、。

あれはすごかったです。私の通常の業務様態とは全く異なり、ランダムに発生し逐次変化する事象を瞬時に判断しながら、ネットワーク的に多くのNGOによる緊急支援の実施を町場といった拠点、拠点と拠点を結ぶ道路や橋など念頭に置きながら組み立てていました。

このランダムかつ緊急的に発生する事象を瞬時に判断しながら、各部署が適宜連携して対応していくということ、医療、中でも緊急医療にもそのような様態があるのかな、とふと明け方近く救急車の音聞きながら、またまどろみながら感じてしまいました。

ところで、最後に脂ぎったUN職員には挨拶しましたが、私は「おぬしやるな、ただものではない、恐れ入った!」といいたかったのですが、私の貧弱な英語力ではそのような言い回しはできず、単なる名刺交換とご挨拶だけ、となりました。

私は輪廻転生を信じていますので、まあ次に生まれたときも、おんなじような職業選んでいるかな~、なんて思ったことがあります。でも、緊急医療や緊急復興に従事するのもいいかな、なんて少し思えてきました(もっとも、能力不足にて足きりにあうかもしれませんが)。。。

では、2日にわたる駄文、ここまでありがとうございました。全国的に雨模様のようですが、お気をつけていってらっしゃい。