こんばんは!
研修医Tです。
好中球の話の次はということで、
今回は、好酸球に関してのお話です。
好酸球の増加に関わることを勉強しました。
好酸球は免疫抵抗性に関わると考えられているが、その詳細については詳しく知られていないようだ。
好酸球上昇の定義は、「好酸球が500個/μL以上であること」である。
以下のような、疾患では好酸球が上昇すると言われているので診断に役立つ(ことがある)。
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好酸球増加を認める疾患
1)アレルギー疾患
2)寄生虫感染症(組織浸潤性の場合)
3)皮膚疾患:乾癬、蕁麻疹、天疱瘡、疱疹状皮膚炎
4)悪性腫瘍:Hodgikin病
5)hypereosinophilic syndrome:詳細不明
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アレルギー疾患に関して、重要な疾患は、
鼻茸
・鼻茸は粘膜内の血管が炎症などにより膨張して起こる。
・慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎と関係が深い
好酸球性肺炎
⇒急性好酸球性肺炎(Acute Eosinophilic Pneumonia: AEP)
・急性の経過で発症して重症呼吸不全を呈する、予後良好な好酸球性肺炎。
・1989年に提唱された新しい疾患概念
・喫煙や薬剤、寄生虫などの関与が疑われている
・一般的には若い男性に多く、禁煙者が喫煙を再開した直後。加熱式たばこにより発症した事例が報告されている
・あるいは新しい薬剤の投与を開始した直後の発症が見られる
・症状としては、咳嗽、喀痰、喘鳴、呼吸困難、発熱など
⇒慢性好酸球性肺炎(Chronic Eosinophilic Pneumonia: CEP)
・慢性に経過して予後良好な好酸球性肺炎。
・好酸球性肺炎として最も多くみられる病型である。
・一般的には中年の女性に多い。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
・抗好中球細胞質抗体のMPO-ANCAが出現することによって起こるANCA関連血管炎
・全身に肉芽腫を生じる
・多発単神経炎として全身に症状が出現
好酸球増加に注目すると診断の一助になるという位置づけでいいのかなと思います。
軽い気持ちで、好酸球の勉強をしようと思ったのですが、関連する疾患は非常に多く、医学の大変さが身に沁みました。
これからも頑張らなければ!
最後まで読んでいただきありがとうございました
終わり。