横山×北原+大家





「りえこ~!おかえり!」


「おおぅ。しーちゃん、ただいま。


いきなり抱きつかないでよ~。」


「だってー。ウチめっちゃ寂しかったんだよぅ。」



テラスハウスから帰ってくると


シーちゃんから熱烈な歓迎を受ける。


その後ろでは横山がニコニコしながら立っていた。


「北原さん。おかえりなさい。」


「横山も。ただいま~♪」


「さ、早く中に入ってください。疲れたでしょ?」



…おや、横山は抱きついてこないのかな?


絶対来ると思ってたけど。


まぁ、そんな長い間ではなかったもんね。


と、特に気にすることもなく久しぶりの我が家へ。



中に入るとテーブルの上には既に料理が並んでいた。


「ウチと横山で一生懸命作ったけん。めちゃくちゃうまいぞ~!


ほら、早く食べよう。」


料理に見とれていると、しーちゃんが嬉しそうに言う。


あー、愛されてるなぁわたし。と心から思った。



食事を終えると今度は二人が準備してくれたお風呂に入る。


ほんと、至れり尽せりだわ。


ご飯もお風呂もみ~んな満足だ。



…でもひとつだけ気になることがある。


やっぱり横山が何かおかしいのです。


食事中もなんか上の空って感じで全然喋らないし


時折見せる笑顔にも元気が感じられない。


最近忙しそうだったし疲れてんのかなぁ。



…う~ん。わからん。


さりげなく本人に聞いてみることにしよう。



そう決めてお風呂から上がった。




部屋に戻るとテーブルの横で体育座りをしている横山を発見。


「横山ー?」


呼びかけると、一瞬肩をびくんと震わせて


こちらを振り返る。


「あ、北原さん。なんですか?」


「あー…えっと、しーちゃんは?」


「たぶん、トイレやと思います。」


「…そう。」



横山の声…少し震えてる?


近づいていくと、横山は慌てて顔を背けた。


私は気にせずに彼女の隣に腰を下ろし


その顔を覗き込む。


「…横山。」


「…」


「もしかして、泣いてるの?」


横山の背中に手を回してそう尋ねると


目を赤くした辛そうな顔がこちらを向く。





「…わた、し…ずっと寂しかった、です


北原さんがいっちゃってから…ずっと」


「…うん。」


「せやから…さっき帰ってきてくれて嬉しくて。


そしたら…なんか知らんけど、泣きたくなって。


でも、北原さんの前ではアカンって、


ずっと堪えてたんですけど…。」


しゃくりあげながらとぎれとぎれに言葉を発する彼女の背中を


あやすように優しくさする。


…そんな理由だったのか。なんか横山らしいなー。



「私も寂しかったよー。横山。」


「…うぅ、ごめんなさい。」


「なに謝ってんの。


おーよしよし。お姉さんが抱きしめてあげるからいらっしゃい!」


横山に向かって腕を広げると


彼女は少し戸惑いながらもわたしの胸にゆっくりと体を預ける。


わたしはそんな可愛い後輩が愛おしくて


これでもかというくらい強く抱きしめた。


「き、北原さんちょっと苦しい。」


「まあ、いーじゃないの♪もー可愛いなぁ横山は。」


「うぅ///」



「…うお!お前ら何やっとん!?」


「あ、しーちゃん。」


「ずるいぞ、ウチも混ぜろー!」



そう叫んでわたしの背中にとびつくしーちゃんと


腕の中で微笑む横山の温もりを感じて


また、改めて痛感する。



あー、やっぱり愛されてるんだなぁ。


わたしはホントに幸せ者だ、と。