今日は地方組の集まり…のはずだった。



個人での仕事が増えてきたためか、最近はみんなで集まれる回数が少なくなっていた。


ようやく今日スケジュールが合ったと思ったのに


りのちゃんとしーちゃんは急遽仕事が入り、小森は体調不良でダウン。


横山に関しては連絡すら入れてこない。たぶんあの子も仕事だろうけど。



ふと窓の向こうに目をやると、パラパラと小雨が降りはじめていた。


天気予報では一日中雨だったので、出かけることもできず家で退屈するというわけですな。


そりゃ仕方のないことだってのはわかってますよ。


わかってるけど…



ずっと楽しみにしてたんだよ。



なんて子供みたいにいじけてる自分に嫌気が差してどんどん欝になっていった。



何もしないまま時間が過ぎ、もう夕方になってしまった。


夜ご飯の支度をしようと台所に向かう途中でポケットの携帯が鳴り響いた。


ー横山からだ!


期待に胸をふくらませながら、携帯を耳に当てる。


「あ、北原さん!今日は行けなくてごめんなさい。連絡もできんくて。


今やっと休憩が入ったんですよ。そっちは楽しんでますか?」


この様子だとまだ仕事は終わってないらしい。


なんだか無性に腹が立ってきた。


「…。」


「…あれ、北原さん?どうかし「やってないよ、そんなの。」


「えっ。」


「みんな来なかったよ。横山とおんなじ。


そりゃ、仕事の方が大事だもんね。こんなことより。」


「そ、そんなこと…。」


「もういいよ。じゃ、仕事頑張ってね。」


ピッ。一方的に携帯を切った。


なにやってんだろ…わたし。


横山は何も悪くないのに当たっちゃった。ホント大人気ない。


頬に一筋の涙が流れる。涙がこみ上げてきて止まらない。


なんで泣いているのか自分でもわからない。


わからないままにただただ泣き続けた。



しばらくして落ち着くと、夜ご飯の仕度に戻った。


それを食べ終えると、寝るまでまたぼーっとする。


今日は一日気分が暗い。明日は仕事なんだから切り替えなきゃ


と思っていると


ピンポーン


家のチャイムが鳴った。


こんな時間に誰だろう。


玄関に向かい、扉を開けた。




「よこ…やま?」


扉の向こうには雨でずぶ濡れになりながら息を切らしている横山がいた。


「仕事を…早く切り上げてもらったので…

来ちゃいました。」


「なんで…わざわざそんなこと。」


「だって、北原さんの声…寂しそうやったから…」




…あー、そっか。寂しくて泣いてたのかわたしは。


理由が分かると、あれだけ泣いたのにまた涙が溢れてくる。


心配そうに私の顔を覗き込む横山がなんだかとても愛おしくなって


びしょびしょに濡れた彼女を抱きしめた。


「横山っ…さっきはごめんね。」


「北原さんは悪くないですよ。


わたしのほうこそ連絡遅れてごめんなさい。


…せやから、泣かんといてください。」


横山が小さな子供をあやすようにわたしの背中をぽんぽんと叩く。


「…うん、ありがとうね横山。大好きだよ。」


わたしが言うと横山は照れたように笑う。


それにつられて私も今日初めて、笑顔になった。