ファンと選手心一つに
高知ファイティングドッグスが独立リーグの頂点に―。「グランドチャンピオンシップ」第5戦が3日、高知球場で行われ、高知が群馬ダイヤモンドペガサスを2―1で破り、3勝2敗として初の王座に就いた。4月のリーグ開幕から応援してきたファンは、「ありがとう」「本当によかった」と、ナインに熱い拍手を送り続けた。
序盤から息詰まる投手戦。力投する高知の野原慎二郎投手を、スタンドのファンは大声援で支えた。ボールが先行しても「負けるなー」「ここは我慢ぞ」などと励ました。
息子が野原投手と同じ大学だった縁で観戦するようになった筒井きみ子さん(56)=愛媛県伊予市=は「彼は本当にまじめ。最後まで頑張って」と、手製の応援ボードを掲げながら応援した。
高知が五回に1点勝ち越すと、ファンはさらに熱くナインを後押しする。最終回のマウンドに立った野原投手が、最後の打者を内野ゴロで打ち取ると、スタンドから祝福の紙テープが舞った。
野原投手は「声援が力になった。感謝の気持ちで投げ続けた」と大勢の後押しの効果を強調すれば、中平大輔主将も「ファンと一丸に頑張ったことが形となった」と喜んだ。
9月の後期優勝時には球団存続が不透明だったが、先日ようやく来季のリーグ参戦が決定した。昨年から夫婦で観戦を続ける高知市の片岡昭さん(62)は「選手全員のファンになった。来季も(観戦に)はまりますよ」とおらんく球団の応援を約束。スタンドのあちこちで「また球場で会おう」などと、来年に向けて熱い声援を誓い合っていた。
[高知新聞 ]
野原力投 高知逃げ切る…独立リーグ日本一
野球・独立リーググランドチャンピオンシップ第5戦(3日・高知球場)――四国・九州アイランドリーグ(IL)王者の高知が北陸・上信越のBCリーグ代表、群馬を振り切り、初めての独立リーグ日本一に輝いた。2勝2敗で迎えた第5戦は、高知が五回、中村の適時二塁打で勝ち越し、野原の力投で逃げ切った。群馬は先制された直後の二回、井野口の本塁打で追いついたが、その後、打線が沈黙した。
セット投球3回以降無安打
敵地の群馬で吉川、伊代野が完投勝ちし、王手をかけて臨んだ本拠地でも2人を先発させたが、まさかの連敗。逆に追いつめられたムードとなるも、野原が踏ん張った。
立ち上がりは不安定だったが、走者がいなくてもセットポジションで投げ始めた三回以降は、キレのある直球が低めに行くようになり、無安打。「上、下半身のバランスがよくなった」
今季は8月下旬までに11勝を挙げたものの、右ひじを痛めた。公式戦の復帰戦は群馬との第3戦。セットポジションの感触がよかったのは、その時だったという。負けられない第5戦、柔軟な発想で好投に結びつけ、初の日本一に貢献した。
これでIL加盟チームの3連勝となったが、今回は第1戦以外はすべて2点差以内。リーグ間での
切磋琢磨 はレベルアップに直結し、プロ(NPB)入りへの道にもなる。
エース復活!野原MVP
独立リーグ・グランドチャンピオンシップは3日、第5戦が高知球場で行われた。高知ファイティングドッグス(FD)が2―1で群馬ダイヤモンドペガサスを下し、通算3勝2敗で初の独立リーグ日本一に輝いた。グランドチャンピオンシップ最優秀選手には、最終戦を2安打1失点と好投した高知の野原慎二郎投手が選ばれた。
対戦成績2勝2敗で迎えた最終戦。高知FDの一回裏、この日は3番に入った中村が左中間二塁打で出ると、5番古卿が内野安打を放ち、相手守備がもたつく間に中村が生還し先制する。1―1の五回は2番梶田が左前打で出塁。続く中村が三塁強襲の二塁打を放つと梶田が一気にホームにかえり勝ち越した。
FDの先発は右のエース野原。二回に先頭打者の井野口に同点本塁打を許したが、三回以降は無失点。四回以降は打たせて取る投球がさえ、一人の走者も許さずに優勝を引き寄せた。
第5戦(3日・高知3勝2敗、12時、高知、772人)
[勝]野原2試合1勝
[敗]小暮3試合1敗
▽本塁打 井野口1号①(群)
▽二塁打 中村2▽犠打 青木▽盗塁 流
▽試合時間 2時間32分
2カ月ぶり先発 野原が栄冠導く
身長167センチのエースが躍動した。2連勝後の2連敗。後がないFDの最後のとりでとしてマウンドに立った野原は、期待に応える投球で初の日本一をたぐり寄せた。
野原の先発は実に2カ月ぶり。8月末に右ひじを痛めて戦線離脱。チームが後期優勝とリーグ優勝を決める中、投げられない悔しさを一人で味わっていた。
マウンドに上がれない日々にも、今シーズン中に復活できる日を信じ、リハビリに懸命に打ち込んだ。そして、迎えた最終決戦。定岡監督は先発に野原を指名した。
「この場に立てることが信じられなかった」という野原は、立ち上がりは緊張から球が上ずり、ボールが先行した。二回には甘く入った変化球を左越えに打たれ同点。序盤は苦しい投球だったが、セットポジションに変え、落ち着きを取り戻した。
体のバランスを修正した野原は直球の伸びが戻り、チェンジアップなど変化球も切れだす。持ち前の打たせて取る投球を発揮し、群馬打線に凡打の山を築かせ、四回以降は一人の走者も許さなかった。試合後は「ただただ泣いた」という野原。悔しい日々を乗り越えたからこその涙だろう。
チームも山あり谷ありのシーズンだった。6月にはチームワーストの7連敗を喫した。前期5位から巻き返しての日本一に、定岡監督も「本当に苦しい試合が続いた」という1年。最後を締めるのにふさわしい男が活躍し、有終の美を飾った。
打線組み替え成功
敗れた2戦は「ヒットは出たが、つながらなかった」(定岡監督)。つなぎを意識し、前日は6番の梶田を2番、5番の中村を3番とした打順組み替えが機能した。
一回は中村の二塁打を足掛かりに先制点。五回の勝ち越しも、梶田の左前打から中村の二塁打で俊足の梶田が一気に一塁から生還した。
中村は「来た球を力いっぱい振った」と気持ちを前面に出し、梶田も「(ホームに)いくしかないでしょう」と思い切りの良さを強調した。
定岡監督は「ベテランと若手を分けただけ」と笑ったが、思い切りのいい采配(さいはい)が的中したのは間違いない。
[高知新聞 ]