【’27二定・一般質問】災害時の医療体制について | 公明党 川原のぶあきオフィシャルブログ

【’27二定・一般質問】災害時の医療体制について

こんにちは!!暮らしのレスキュー隊長 川原のぶあきです。


先日のブログで記載しましたが、私の一般質問のうち、

本日は、「災害時の医療体制について」を掘り下げて

記載させて頂きます。


ところで5月13日に宮城県沖を震源とする地震を

皮切りに、この2か月で最大震度5弱以上の地震の

発生件数が、実に5回を記録しています。


また、5月29日には口永良部島で火山が噴火し、全島に

避難指示が出されました。

今なお、避難生活を余儀なくされている島民の皆様には

心からお見舞い申し上げます。

火山活動については、東京近県の箱根山や浅間山なども

火山活動を活発化しており、我が国は、いつ、どこで大規模

災害が発生してもおかしくない状況であると言っても過言

ではないと思います。


さて、目黒区に目を向けますと、東日本大震災発災後、私も副委員長

として参画させて頂いた震災対策調査特別委員会からの提言や

東京都が平成24年4月に公表した「首都直下地震等による東京都

の被害想定」をもとに、地域防災計画を改定し、首都直下地震等の

大規模災害に対してハード面、ソフト面の対策強化を

実施しています。


こうした防災対策については、これまでも私を含め多くの議員が質問を

していますので、これまであまり取り上げてこられなかった区民同士が

協力し合い、命がけで倒壊建物や炎の燃え盛る家屋の中から救出した

区民のうち、負傷した人々の命をいかにして救っていくのか、発災直後

から超急性期である72時間以内における医療救護体制

が最も重要と考えて、今回の質問を致しました。


さて、皆さんは首都直下地震で、何人の区民が負傷する

想定されているか、ご存知でしょうか?


平成24年4月、東京都が公表した「首都直下地震等

による東京の被害想定」では、東京湾北部を震源と

するⅯ7.3の直下地震で冬の18時に発災した場合が

一番被害が大きいとされています。


負傷者は、実に3,195人と想定されています。


目黒区が計画している災害時の初動医療救護体制

について区側の答弁をもとに、私なりに以下

まとめてみました。


区では、発災後ただちに災害対策本部を設置し、

災対本部の下に災害医療コーディネーターを置き、

彼らをして被害状況に応じ、的確な医療資源の配分、

迅速な救護活動を実施するための医療救護活動の

統括・調整を行います。

(下記、体制図をご参照下さい)























災害医療コーディネーターは、区医師会等の協力のもとに

区内の病院と休日診療所、あわせて12か所の緊急医療

救護所に医療従事者を派遣し、医療救護活動を実施。

災害拠点病院等の敷地内や近接地に設置・運営する

救護所で、主に傷病者のトリアージ、軽症者に対する

応急処置や重症者の搬送調整等を行います。

(下記、初動期の医療救護の流れをご参照下さい)








医薬品の確保については、発災後3日間に必要とされる

医薬品を目黒区薬剤師会の協力のもとに、ランニング

ストックによる備蓄を行っています。また、薬剤師会と連携し、

災害薬事センターを発災後速やかに設置し、医療品等の

供給体制を整えます。


更に、発災直後の緊急医療救護所において、救急措置に

使用する注射薬等を確保するため、区内の病院と協定を

締結し、こちらもランニングストック方式で備蓄

行っています。


なお、備蓄した医療品に不足が生じた場合には、医療品

供給協定を締結した卸売販売事業者から供給を受けること

ができるようになっています。



現在の災害医療体制は、私自身も被災経験をした

阪神・淡路大震災で、普段であれば助けられたはず

の多くの人の命が失われた、いわゆる「防ぎえた災害死」

がきっかけとなって構築されたものです。


ちなみに「防ぎえた災害死」で亡くなった人は

500人にものぼります。


これまで構築されてきた災害医療体制が、初めて試された

大規模広域災害が東日本大震災であったと言われています。


この体制が活かされ多くの命が救われた一方で、

混乱をきたし、医療チーム等の調整を行う機関の

立上げに時間がかかり、受け入れ体制が不十分となった。

また、司令塔不在のため、コーディネーター機能が十分に

発揮されていなかったとの指摘もありました。


こうした東日本大震災での教訓を踏まえ


私は、司令塔となるべき災害医療コーディネーターが、

現在の体制で機能するのか?


災害発生が夜間であれば、災害医療コーディネーター

一人である保健所長は区内在住でないので駆けつける

ことさえままならないのではないか?


また、災害医療コーディネーター自身も被災する場合もある。


など現体制では機能不全に陥るのではないかと考えました。


そこで人材の拡充バックアップ体制の確立が必要

であると訴えました。


区側からは、


本年1月に、既に選任済みの保健所長に加え、区医師会から

区内在住である医師会長等、新たに3名コーディネーター

選任し、人材を拡充している。

また、医師会々長チーフコーディネーターとし、

コーディネーター間の調整を行うよう体制を

整えているとの答弁でありました。


単に、人だけを増やしたからと言って、機能が十分発揮

できるとは限らないため、


本年3月に区と区医師会が連携し実施した災害医療対策訓練

など、実践的な訓練を繰り返し実施して機能強化に努めていく

とのことでした。


今回の質問を通じて目黒区の災害時医療体制は、かなり強化

されていると感じました。

しかし、区民の皆さんが、そのことをご存知かというと

知らない方の方が多いと思います。


私は今後、各避難所運営協議会が実施する防災訓練などと

連携し、緊急医療救護所への搬送訓練などを実施できれば

本区の災害時医療体制がより区民に浸透すると考えます。

(写真は、災害医療対策訓練で使用したトリアージ・タッグです)