「でさ、地震の時何してた?」
2011年3月11日14時46分。
僕は後に「被災地」と呼ばれる事になる福島県郡山市に当時あったリクオリティの事務所で、商品発送の準備をしていました。
この揺れ、もうそろそろ止むかな...
そう思ってからが長くて、あっという間に伝票と商品がぐちゃぐちゃになり、棚と言う棚が全部倒れてきました。
車酔いするような感覚の中、なんとか商品を整理して梱包を完了。
歩いて15分の郵便局に向かいました。頭にはロードバイク用のヘルメット。
不安そうに空を眺める人たち。
停電しているパチンコ、水の出ない水道、消えてる信号機、苛立つようなクラクション。
3階建てガラス張りのショッピングモールを横切る途中に、大きな余震が来ました。
それと同時に窓一面のガラスがバリバリと一気に割れて、
雨や大粒のヒョウのように降り注いできました。
商品でパンパンのIKEAのブルーバックを2つ抱えた僕はとっさに身を抱えてアスファルトに四つん這いになり、
震えながら、ただ
「早くおさまれ、早くおさまれ」
と繰り返していたのを昨日の事のように覚えています。
津波・余震・原発・政治的プロバカンタ
翌日、震災の輪郭を理解し始めた日本は一気に復興へと舵を取ろうとしました。
それでも日に日に明らかになる想像を絶する惨状。
僕も何かしたくて、当時500点あった商品在庫をYAHOOオークションで全て1円スタートに設定。
郵便局が機能していない為、梱包資材や伝票も満足に無い状態でしたが、
(レターパックの用紙やゆうパックの伝票が福島には無かったのです
家族に頼んで手伝ってもらい、一週間で400着以上の服を発送して
可能な限りの売上を寄付しました。
そしてまたイチからアイテムを集め、東京に店舗進出。
結果、今この場所で五体満足笑顔で服を売らせて頂いています。
どうか僕に、あの震災の当事者、この時代を生きる者として、
目を背けず向き合いながら、
歯を食いしばってこれからもビジネスをさせて下さい。
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本日リクオリティブログ、長文になり申し訳ございません。
最後まで目を通して下さりありがとうございました。
「あの日をどうして忘れられようか」
をポジティヴに打ち破り前進するチカラが欲しい。
リクオリティ
店主