CHANELシャネルが似合う人 | リ・クオリティBLOG 

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マルタンマルジェラ、ラフシモンズ等コレクションブランドを中心に扱う原宿セレクトショップ「リクオリティ」のスタッフブログです。新品からブランド古着まで取りそろえてます。

先日、妻と歩いているとき


「シャネルって何歳くらいの人のブランドだと思う?」


「なんかギャルが持っているイメージがあって...私の周りのシャネルが好きな友達もギャルっぽい子が多いし」


こんな質問がありました。


僕は答えに詰まりました。


これは服飾をかじった事がある人ならとても興味深い質問だと思うのです。


ですので本日のリクオリティブログは







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ココシャネル。


1910年、パリにシャネルモードと言う帽子専門店を出して以来、


戦争を挟む壮絶な人生を歩んできたオートクチュールデザイナー。


僕がシャネルのクリエイションで心を打たれたのはドレスです。


ジャージドレス。

伝統を重んじるフランスモード界、当時のトップデザイナーだったクリスチャンディオール。


彼の作るコルセットドレスは女性を美しく「作品」のように見せましたが


美しさの反面、屈む事も難しい窮屈さがありました。女はただ美しく立っていれば良い、そんな考えでしょうか。

世論も男女平等なんて無い時代ですから、どんなに女性が声を上げても届かなかったのです。


そんな中に登場した、ジャージ素材のドレス。


軽くて安価、そして美しい。


それまでのコルセットドレスに窮屈感を感じていたパリの女性はシャネルのドレスを支持しました。


「ディオールが女性を縛り付け、シャネルが解放した」なんて良く言われますが、


これは決して大げさな言い回しでは無く、事実です。


話しを冒頭の「何歳の人が....」に戻します。


ココシャネルは現代モードにおいて非常に重要な存在。


服飾関係の本や学校では必ず習いますし、半ば神格化されたデザイナーです。


質問の意図とは違った方向だとは分かっているのですが、


ファッションを志す人がまずぶつかる壁のような物で、例えば本気でオートクチュールを目指す人だったら、


中学とかその辺りで興味があっても不思議じゃないかなと。


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それと同時に、


「なんかギャルが持っているイメージがあって...私の周りのシャネルが好きな友達もギャルっぽい子が多いし」



これにはファッションビジネスの重要な部分が集約されていると思うのです。


つまり僕が書いた上のエピソードは「ギャル」の大部分は知らないはずです。


可愛らしいキルティングのデザインと、実用性の高い素材。


そしてシャネルのロゴマーク。シャネルが記号化されたアイテム。


そう、彼女たちが欲しいのはシャネルのバックや財布など小物類だから。


決してブランドのアイデンティティーであるブラックドレスやシャネルスーツでは無いのです。


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しかしブランドビジネスは彼女達無しには成り立ちません。


小物の売り上げで経営を維持し、その利益があるからこそ、


カールラガーフェルトは芸術的なオートクチュールやプレタポルテを作れるのです。


彼女達は時に


「ブランド好き」

「ブランド信仰」

「日本人のファッションの品性を下げている」


などファッション評論家やエディターに厳しく揶揄されますが、


業界自体が彼女達無しに成立せず、土台を支えられている事を忘れてはいけません。

より多くのファッションリリテラシーの低い、言わば「盲目的なブランド好き」を獲得する事が、


各ブランドの最も重要な経営戦略なのです。


僕も指先程度ですがファッションで生計を立てさせて頂いている身。


ファッション関係者で彼女達を非難して良いのは、業界を支える程の消費をしている人だけだと思います。


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僕は「シャネル」と聞いて真っ先に思い浮かべる人がいます。


作家、山田詠美さんの本に出てくる黒人男性。


詠美さんがシャネル主催のパーティに呼ばれた時、パートナーである黒人男性はシャネルのアイテムを1つも持っていませんでした。


パーティ会場は全身シャネルのアイテムで身を包んだきらびやかなファッションの人々で溢れています。


お互いのシャネルアイテム自慢しては、シャンパンを飲んで、を繰り返し。


お決まりのブランドパーティの優雅で退屈な風景。


そこにその黒人男性が入ってきた瞬間、会場が息を飲みました。


既成のブラックのタキシードにスラックス、ドレスシャツ。


そのシンプルな装いの中、胸にシャネルのショップ袋のブランドマーク(ココマーク)をハサミで切り取り、胸にバッチのように付けてきたのです。



「カールラガーフェルトって誰?」

「え、シャネルって服もあるの?」

「良くわかんないけど、何か可愛いー」

「芸能人の○○が持ってたから欲しい!」



こう言った恐らくピラミットの最多層であろう考えもOKです。

だけど僕が勝手に思う


「シャネルが好きな人」「シャネルが似合う人」


は、あの黒人男性のような人。


メンタルが豊かでユーモアがあり、


知的。






ハイエンドなスタイルを魅力的なプライスで提案


Balenciaga.
DIOR HOMME
Maison Martin Margiela
Dries Van Noten
COMME des GARCONS
ALEXANDER McQUEEN
RAF SIMONS


etc...


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