(久しぶりの更新につき、サービスして、長文になっております。あしからず)


先日、久しぶりに高校の同級生数人と飲むことになり、たまには高校付近を散策してから飲もうということになった。


高校の最寄り駅だった玉造駅から通学路を辿り、途中で三光神社や陸軍墓地に寄りつつ、高校へ。

高校の正門まで来ると、せっかくなので守衛の人にお願いして、校内を少し見学させてもらった。


校内に入るのは実に十数年ぶりである。



しかし、ちょうど僕らの在籍中に校舎の大規模な改装工事が終わったので、外見上ほとんど校内は変わっておらず、嬉しい反面、「おい、十数年経ってんだから、ちょっとは変わっとけよ」と正直思ったりした。かといって、劇的に変わっていたら、「もうあの場所はないんだなぁ…なんか寂しい」なんて思うだろうし、人間は本当に勝手な生き物である。


高校を後にした僕らは、店の予約まで時間があったので、日の出通り商店街に入り、とあるゲームセンターを探した。




「玉造ゲームセンター」




それは商店街の南の端あたりにひっそりと佇んでいる、昔ながらのひたすら地味なゲームセンターである。

少し古くなった機種を1回50円で遊べるコーナーがあり、僕らは「50円ゲーセン」と呼んでいた。

昼飯時に高校の食堂で、160円のきつねうどんにするか、10円高い天ぷらうどん(ほぼ天かす)にするか、あるいはうまい棒数本で済ますか、真剣に悩んだこともある当時の僕にとっては、1回100円と50円の差は大きい。

安さで言えば、日本橋のでんでんタウンに1回10円で遊べるゲームセンターがあったが、そこは安すぎるゆえに各地から腕を唸らせた猛者共でごったがえしており、いつ来ても熱気に溢れていた(残念ながら今はもう無くなっている)。一方、玉造の50円ゲーセンは学生がちょっといるぐらいで基本的にはガランとしていて、店主のおばあちゃんがカウンターで何か読み物をしているといったホンワカ具合だった。僕らはそこにグッときたのである。

それまでゲームに熱中する方ではなかったが、いつの間にか50円ゲーセンには放課後入り浸る事になった。


そのうち無駄にゲームの技術も向上し始めて、少ない金額で長居できるようになった。


今思うと、「他にもっとやる事なかったのかよ」とツッコミを入れたくなるが、ヒマを持て余していた僕らにちょうどフィットする場所がそのゲームセンターだっただけである。




時は経って、2017年バージョンになった僕らは、玉造ゲームセンターを見つけ、入る事にした。扉には「100円 50円」と書かれている。

確か当時は二軒分の敷地があり、100円コーナーと50円コーナーに分かれていたはずだが、今では一軒分になり、営業日も少なくなっていた。

カウンターのおばあちゃんは、おばちゃんに若返っていた(←別人)。

しかし、ゲームのラインナップは当時とあまり変わっておらず、懐かしさがこみ上げる。



……….あった。


パワー・スマッシュ。



SEGAのテニスゲームである。



僕は当時ハマって、そればっかりやっていた。ボールを打つ音や感覚が妙に爽快なのである。




ネーミングもいい。




「パワー・スマッシュ!」




爽快である。





そういえば、U (当時の親友。現在は音信不通になってしまった)もこれ好きだったなぁ。




これはやるしかない…と、パワー・スマッシュに50円を入れようとすると、カウンターのおばちゃんが近づいてきて話しかける。


「待って。それ、エラー出てるわ」


画面を良く見ると確かにエラー表示が出ている。



おばちゃんは慣れた手つきでゲームを再起動。



「画面戻るまで、ちょっと待っててねー」



ゆるい。



だが、いいぞ。それでこそ我がふるさと。



しばらく経って、無事再起動された後、50円を入れてワクワクしながらゲームを始める。



キャラクターを選択し、試合開始。


しかし、ここで僕に衝撃が走る。




こ、この感じは…..








….全然懐かしくない。



そう、僕はそのゲームが好きすぎたせいで、スマホアプリで見つけた時に速攻ダウンロードしてしまい、今でもヒマな時にちょくちょく遊んでいたのである。


なぜだ!郷愁に浸りたいのに、「こないだやった感」が半端ない!何なら今の方がちょっとうまい!



「懐かしい」なんて言葉は一言も出ず、試合はもちろん順調に勝ち進み、ようやく決勝戦でギリギリ敗れて終了した。




スマホ技術の進歩は意外なところに影響を及ぼすものである。




「ふるさとは遠きにありて思ふもの」




試合を終えた僕は、ほとんどやった事のないパックマンを動かしつつ、その名言を深く噛みしめた。







歳をとると、「青春は素晴らしい」なんて言う人は多い。文字通り、素晴らしい青春の日々を送った人もいるだろう。

僕の場合、男子校だったという事もある。モテる系かモテない系かでいうと、「アウト・オブ・眼中」系だったとも思う。

でも、ロックやヘヴィメタルに夢中で、バンドを組んで学園祭コンサートにも出演していたし、それなりにワーワー言いながら毎日を送っていたはずだが、いざ青春時代を思い出せと言われると、まずこの古ぼけたゲームセンターがパッと頭に浮かぶ。



薄汚れた壁。



ガラガラの店内。



コントローラーの上に無造作に置かれた灰皿。



カウンターのおばあちゃん。



パワー・スマッシュ。






青春とはリアルである。










玉造ゲームセンター、最高です。