ついにこの日が来たか。



うまい棒の自動販売機。

京橋のおいしい居酒屋・鶇(つぐみ)で飲んで、タクシーで日本橋まで帰ってきて、フラフラ家まで歩いてると、うらぶれた自販機の中にうまい棒が並んでいる。あまりに唐突に出て来たので、自分の中で事態を飲み込めず、一旦通り過ぎるも....「いやいやいや!」やっぱ買うしかないでしょう、と戻ってきました。

よく見てみると、うまい棒の他にもボールペン、スポンジと謎な物が並べられている。



一体、誰が買うのか。いくら時代のスピードが早くなったとはいえ、自販機でスポンジ買う程切羽詰まった事態もそうそうないだろうに。まず、コンビニがあるでしょう。

まぁそれはさておき、やはりうまい棒だな、と邪念は取り払う。



どうやらどれも値段は表示されていないようだ。



いくら入れればいいのか。



とりあえずうまい棒の相場と思われる10円を投入。



この瞬間、「自販機でうまい棒を買う」という行為には、得も言われぬ背徳感がある事に気づく。


(チャリン)

....。


何も起こらない。


ただの屍のようだ。


あれ、自販機価格とか、あるのか。



しかたない。



もう10円。



(チャリン)


...。




やはり何も起こらない。


まだまだか。え~い!


(50円チャリーン)


...。



なぜだ。


いくら画期的とはいえ、うまい棒でそんなぼったくっていいわけがない。




自販機全体を眺めてみると、どうやら自販機は左と右に分かれていて、左側は普通の飲み物になっているようだ。



あ、何か書いてある。







...あぁ、そういうことね。


納得....


....



できないけど、まぁまぁまだわかる気はする。




では気を取り直して、


(1000円ブーーーン)


じゃあ飲み物はスコールにしますか。


(ピッ)




(ガチャガチャン)



(おつり、チャリンチャリンチャリンチャリン)


で、景品はうまい棒....おおっ、ランプが点灯してる!



(ピッ)




(ガタガタン)


よしよし、ミッション完了。何だか得した気分だなぁ。



しかし、うまい棒一本で大きな音だな。何かの箱に入ってるのかな。たしかに一本じゃ軽すぎるもんな。




....。








...えっと。




...あぁ、確かに見本と違う。




...そうだよね。下に書いてあったもんね。




...でも、それだけは、やっちゃあいけねぇと僕は思うんだ。