どうも昔からシャレオツな音楽が苦手で、

「何を浮かれとるんだ。もっと魂を燃やせよ!」

と、男子校生活のねじ曲がりゆえか、よくわからん反抗心を持っていた。


その反抗心がこれまた変な方向に作用して、高校時代はハードロックやらヘヴィーメタルやら重くて男臭い音楽にのめり込んで、終いには「偽メタルには死を!(注:私はヘヴィメタル以外聞く耳持たないですよ、というメタラーお決まりの標語)」なんて平然と言っちゃう気持ち悪い高校生になってしまった。


もちろんそんな男が女子にモテるわけがなく、かといって女子には興味しかなくて、ギターを弾きながら「おいおい、こんなフレーズが弾ける自分はモテるんじゃないか」「あのビデオの様に、ここでギターを振り上げるとキャーキャー言われちゃいそうだな、いや~参ったな」「そうだ、塾で見かけたあの子の為の曲を作ろう。まだ全く喋った事はないが。それがかっちょいいのだ」などと考えては、悶々とする日々。

もしタイムマシンがあれば「おい、ベクトル間違ってるぞ!」と高校生の自分に言いにいきたい。

いや~若気の至りというか、単なるバカというか...(笑)。まぁそれはそれで楽しかったんだけどね。


そんな偏った高校生活の反動か、浪人、大学と進むにつれて、ヘヴィメタルへの愛情はすっかり消え、その代わりに古今東西色んな音楽を好むようになった。いいものはいいのである。


しかし、洒脱さを醸し出す音楽には未だ耐性がないらしく、オシャレっぽい匂いを嗅ぎ付けると、

「貴様、魂で語っているのか?....偽メタルには死を!!」

クラウザーさん(高校生の頃の自分)が突然顔を出します。

(そもそも「魂」の意味もよく分からない。たぶん意訳すると「媚を売ってないか?」って事だと思うが、詳しくはクラウザーさんにお願いします)

そのせいで、色んないいアーティストを「これは胡散臭い。偽物だ」と食わず嫌いしてしまい、後々何かの拍子に聴いて「無茶苦茶いい!何で今まで聴かなかったんだろう」と後悔する事がよくある。


さて、ずいぶんと前置きが長くなったが、そこでBen Harperである。

Ben Harperは90年代から活躍するアメリカのミュージシャンで、Bluesを軸にしつつ、Rock、Soul、Pop、Reggae、Hip-Hopなど雑食的に取り入れる手法を取っている。主にアメリカよりもヨーロッパで人気が高い。

少し前にJack JohnsonだとかJohn Butler Trioだとか、通称「オーガニック系」って言われるアーティストが流行ったけど(マニアックな話ですいません)、これにも自分のオシャレセンサーが反応してしまった。

「オーガニックって...野菜かい!蓋を開けたらカッコだけ変えたパンクロックやないかい!」と、関西弁のクラウザーさんは囁きます。

Ben Harper についても、「どうせJack Johnsonの二番煎じか何かだろう」とか思って、聴かず嫌いになっていた(実際はBen HarperがJack Johnsonを発掘した)。

しかし、ある時にYoutubeを見てたら、Ben Harperの動画が関連付けで出てきた。

そういえばBen Harperって、いたな。どうせ微妙なんだろうな、とか思いつつ、開いて見てみると....



あれ?かっこいい。この曲だけかな。


別の曲も聴いてみる....



やっぱりかっこいい。


そんなはずは...



かっこいい!!!!


すいません、Benさん。食わず嫌いしてました。

何と言うか、曲はシンプルすぎる程、シンプル。素人でも作れそうだが、実はそこが一番難しい。

激しいグランジっぽい曲もあれば、ソウルフルなアコースティック曲あり、HipHopのビートを強調した曲、泥臭いスライドギターのブルース...何でもありだな、この人。でも、どの曲もBen Harper印がきいてる


ともすればLenny Kravitzと似た感じもあるけど、Lenny Kravitzのあまりに好きな音楽の影響を直球で出しすぎて「好きなのはわかるが、そう直球で来られると何かこっちも恥ずかしい」って感覚が、Ben Harperは薄くて、良い。もちろんLenny Kravitzも大好きなんだが。

そういうわけで、思いがけずBenさんにハマった私は今せっせとCDを買い漁っている。


何が言いたいのかというと、「Ben Harperって、いいですね」という事。

その一言の為に、また無駄な長文を書いてしまった。

しかし、この歳になっても自分の知らない音楽がまだあるんだと思うと、ドキドキしてしまう。