忘れないうちに後編を。忘れてしまった人は前編を。



やってきましたよ、エレグラ!幕張メッセ・オブ・俺ぇ!

と思って駅の改札出たが、全く道順が分からず。ちらほらそれっぽい人々(ニット帽とやたら原色なアウターが特徴)がいたので、秘技「とりあえず人の流れに身を任せてみる」を発動。

流れに乗ってテクテク小走りで行くと、音の塊がだんだん大きくなってくるが、なかなか会場に着かない。大阪で言えば、JR大阪城公園口から向かう大阪城ホールの距離...いや、ドーム前千代崎駅から向かう大阪ドームか...いや、やはり四ツ橋駅から向かう厚生年金会館...(以下略)。

やっと入場口に着いた時にはもう本日のお目当て【!!!】はとっくに始まっていたが、慌てて入って何とか数曲見れたので、安堵。PUNK &DANCEという感じで、演奏は荒かったが、何だか体ごともっていかれるグルーヴが最高にカッコいい。3rdアルバムもよかったしね。


その後、別口で大阪から来ていた友人S君と会い、ダベる。しかし、会場内は人が多すぎる。飲食の屋台の客の列とトイレを待つ列が未来永劫続き、飲食ブース付近は人の海。待たされて買ったトルティーヤのチップスは近年稀に見るランク「餌」。でも空腹には耐えられず、やむなく素手でかきこむ僕。その姿は野獣そのものであったという..。


もう一つのお目当て【Battles】は前半、ベース音でか過ぎて全て台無しだったが、後半バランスがよくなって、やってる事がわかってきてテンションが上がっていく。とにかくストイックに音を積み上げていくな~。ドラムのトップシンバルの高さが笑えた(手を全力で上げてやっとスティックの先が届くくらいの高さに一枚だけセットして、結構必死に叩く。じゃあもっと下げればいいじゃない。笑)。

【Chris Cunningham Live】は初めて知ったが、エレクトロニカな曲に、「SAW」みたいなグロ/ホラー系映像をシンクロ。音と映像の洪水で圧倒。


もう一つのブースでは音楽に合わせたレーザーSHOWをやってて、光の線が波の様に広がったり、流れていく様は幻想的であった。これって、市大の銀杏祭でもやったよな~なんて思いながらポカーンと観る。


ここで、カイジ(僕)はある事に気付く。




疲労




圧倒的疲労!




時計は午前5時。そういや昨日の朝一からひたすら歩き回ってたからなぁ..。周りを見ると、会場の床には力尽きた死体がゴロゴロ。その光景はもはや「This is WAR!」であった。


僕もとりあえずその戦死体の山に仲間入りしてみたが、床ちべたくて寝心地が悪いし、何だかうるさいし(そりゃそうだ)、始発も出る噂を聞き、退散する事に決定。【LFO】は泣く泣く見ずに会場を後にする。さらば、エレグラ。でも久しぶりに大人数で音楽を楽しめたのはよかったな~。




さて、勢いで始発に乗ってみたものの、行くあてがないという事実にようやく向き合ってみる。とりあえず新木場駅でロッカーの荷物を取り出し、街の様子を探ってみたが、窓から見た新木場の風景は北欧(イメージ)と変わらなかったので、再び電車に乗る。



一休(僕)は知恵を働かせた。



どこに行くか→主要駅なら何かある→新幹線止まるぐらいの→東京駅!



と、選択を誤る。早朝の東京駅に着くと、でかいビルばかり目立ち、開いてる店はほぼ皆無だった。

どこかマン喫とか体を休めれる所...と練り歩くが、怪しさ120%のビデオ試写室ぐらいしかない。近くで別の駅を探すしかないのか..。




一休(僕)は再び知恵を働かせた。




マン喫→マンガいっぱい→オタク→秋葉原駅



一休の選択はまたも微妙だった。秋葉原といえど、早朝開いてるマン喫はほぼない上に、連休中日なので、どこも満員御礼。何とか入れた店はシャワー2時間待ちと言われ、もはやグゥの音も寝ず、就寝。

3時間程寝て、ネットで近くに銭湯があるていう情報をゲットしたので、トイレで携帯をこっそり充電してから店を出る。

銭湯は改装直後もあり、なかなかいい湯だった。受付窓口で支配人が従業員とクリスマスのシフト人数が厳しい事について相談していた。あるある。



ここで今日を楽しむ為のアドバイザーとして浦安在住のN氏を秋葉原に召喚。

N氏は「夕方からバンド練習があるので」と色々と機材を抱えてくる。僕も荷物があったので、二人でロッカーを探すが、さすが連休の秋葉原は人が多い。目の前でラストロッカーがおもしろいように買われていき、お手上げ状態。しょうがないので、二人で荷物を背負いながら、昼飯がてら神田駅へ向かう事になる。



神田に着き、N氏オススメの老舗の蕎麦屋「やぶそば」へ。案の定行列ができているが、特に他のあてもないので、並んで店に入る。

注文した牡蠣そばはうまかった。ちょっとN氏を見直す(基本、僕はN氏に対して根拠なく上から目線である)。単品の鴨ロース三キレが小皿にちょこっとのって700円する事はよしとしよう。じゃんけんに買って二キレ食べれたし。



飯を食べ終わり、あまり時間もない。何がしたい、と聞かれたので、僕は

「神田のうなぎ屋でうなぎ丼が食えればもう何も要らない」

と、言い切る。デブ、ここにあり。




そうはいっても、今蕎麦を食べたばかりなので、手短にTT(東京タワー)でも観光しようじゃないの、という所に落ち着き、いざTTへ。




東京タワー。前回は「名所にタッチだけして観光した気分に浸ろう」ツアーだったので、赤い鉄柱にタッチだけだったが、改めて見ると巨大だ。そして、赤い。(通天閣と違って)酒臭いオッサンはゴロゴロ転がってない。(通天閣と違って)そよ風がウンチョスの臭いをさらさらと運んでくる事もない。

ただ連休中なのでここも観光客にまみれており、展望台はあきらめて、途中の階にある蝋人形館とギネス博物館を見る事に決める。



この決断には理由があり、僕はかねてから蝋人形館にジーン・シモンズ(KISSのベース)が鎮座しているという情報を聞いていた。「是非とも一緒にベロを出して記念撮影したいものだ。うむうむ。」とアメリカのキッズの様にワクワクしていたのである。

しかし、いざ入ってみると..




毛沢東



ホーチミン




蒋介石




チャーチル




ルーズベルト




ちょっと下がって杉原千畝

...




なぜ!?いつのまに偉人フェアになってしまったんだ!しかもほぼ戦勝国ばかりという偏りっぷり。毛沢東や蒋介石を置くならヒトラーも置いてみやがれぃ!虐殺者に変わりは無いぞ...と憤ってみるも、虚しいので、先へ進むと、突然音楽方面の偉人コーナーになる。そうかそうか、とひと安心。




ビートルズ(間違いない)



リッチーブラックモア(ハードロック少年は大好きだしね)



フランクザッパ(好きだけど...雲行き怪しいね。)



...その他、ジャーマンロック系のマニアックな方々(ほぼ知らない)..



出口へ



...あれ?僕のジーン・シモンズは?

確かに半年前頃にはあったのに、どうやらなくなったようだ。てか名前も知らないようなドイツのB級ミュージシャン像を見にわざわざ東京タワーに登る奴なんかおるか~い!




「館長、お前も蝋人形にしてやろうか!」





とベタなオチもつき、ギネス博物館へ。

こちらは世界一高い人間の等身大人形を置くなど、ギネスを分かりやすく展示してある。最初は展示や説明文を読みながら「すげーな」「ほう」「うげ~」なんて感心してたけど、何せ膨大な展示数で、読み進むにつれて「すごい(けど、もうどうでもいい)」「はぁ(てか、よくやるよね)」となってくる。



N氏が未だ熱心に一つ一つ鑑賞してるなか、僕は疲れたので出口手前のビデオコーナーで見てる振りして半時間程寝る。



ひとしきり休んだ後、まだN氏は来ない。ありゃ~?と探すと、まだ全行程の真ん中あたりで熱心に説明文を読んでいる。ギネス級の熱心さ。何がそこまで彼をギネスに掻き立てるのかは誰も知らない..。



東京タワーにはサヨナラして、秋葉原で練習があるというN氏と別れる。ありがとう、N氏。でも今日の事はたぶん早めに記憶からなくなると思うぜ(笑)。



さて、日も暮れ、目当ての神田の老舗ウナギ屋へ向かう。実はこのウナギ屋、大衆居酒屋的な雰囲気と値段で、僕は東京に来た時は必ず立ち寄る事にしている。が、前回行けなかった事で、僕の中のウナギを求める声は文字通り、ウナギ上りだったのである。...そんなに上手くない。




携帯地図で探して、やっと見つけ、喜び勇んで店の前に来ると




「定休日」




神よ...。


デブ、崩れる。しかし、もはやウナギしか受け入れられないこの体。他の食べ物で満足できるだろうか。いや、できない。僕を癒してくれるのは、ウナギしかいない。



と、ウナギへの愛は揺るぎない為、別の店を探す事に。またも携帯で調べると、近くにまたも老舗のウナギ屋「きくかわ」を発見。超有名店らしいが、もうこの際、値段などどうでもよい。今頃思い出したが、今回はリッチ&スマートツアーなのだ、そうそう、と言いきかせて、店に入る。



案の定、高級な雰囲気ムンムンのウナギ屋であった。僕は迷わずうな重の一番安いやつを選び(小心者)、食す。箸で簡単に切れるほど柔らかなウナギの身。繊細かつ上品な味付け。肝吸いでスッと落ち着ける。美味。やはり値段だけの事はあった。老舗万歳。


隣では恐らくこれから結婚するであろう二人とその新郎家族一同が食事をしている。新婦はやはり気まずそうだ。笑いがひきつっている。新郎の姉とはソリが合わなそうだ。

人生よのぅ...と、ご隠居の様に達観しながら、食べ終わって店を出る。ウナギを食べるという目的は達成され、特にやる事もないので、早めに東京駅へ到着。




東京駅に着いたが、まだ発車までに二時間程ある。お土産を買ってもまだまだ時間が余った。眠すぎるので、どっかに座ってひと眠りしようとするが、どこにいっても人だらけで、ろくに座る場所もない。

ようやく座る場所を見つけたのは、ホームの吹きっさらしのベンチ。アウターの襟を立ててペンギンの様に眠ろうとするが、容赦なく風が吹き、何だか人生を考えてしまう。



「ここで寝る事は死を意味するのかもしれない」と思い直し、仕切られた待合室の中に移動し、無言の座席争奪戦を繰り広げた後、勝ち取った僕は悠々と休む。



でも、そうこうするうちに、新幹線がやってきた。





新幹線の窓から見た東京の街。



高校生の時に憎んだ風景とそんなに変わらないと思う。



でもあの時とは随分印象が違う気がする。



そう、昔は東京に敵対心を持つ一方で、行けば何か変わるかもって思ってた。けど、結局は一緒なんだ。人が居て、生活してて、僕は僕で。もちろん違いもたくさんあるし、少しくらい周りの影響があるかもしれないけれども、結局変わるかどうかは自分次第。



行きたい時に行けばいい。


住みたい時に住めばいい。



座席で眠気に意識を絡めとられながら、僕はそう思った。