2日目。僕は拷問を耐えたボロボロの体を抱え、午前5時の高松をフラフラと歩き出した。
二年前の全国一周ぶらり旅で、現地の子供と戯れて川で携帯を水没させられたという、曰く付きの公園で一服。「懐かしいな」と思い出にふけるはずが、着いた感想は違っていた。「う~ん、昨日も来たな」どうやら記憶が鮮明すぎたようだ。しかし公園を流れる問題の川は見事に干上がっていた。これでタイタニック(携帯)が「プクプク」と水泡を出して沈んでいく悲劇も起こらないだろう。僕はホッと胸を撫で下ろした。
朝6時開店の有名な讃岐うどん屋へ入る。セルフで具を乗っけて、蛇口から出るだし汁(愛媛はポンジュースが、香川はうどんだしが蛇口から出るのである)を入れて完成。しめて、250円!安すぎる!旨すぎる!さすがは本場。
うどんミッションを完了した僕は鳴門海峡へ逆戻り。おめでとうございまーす!うどんの為に、本日は数十キロ余計に走っておりまーす!道路は意外に混んでおり、寝呆けた頭でボーっと運転...前の車止まっとる!
慌ててブレーキかけると、後輪がロックされてスピン!取られるハンドル!
キキー!
...死ぬかと思ったね。しかし自転車の曲乗りで鍛えたかいがあったか、重心移動で踏張って、何とかこけずに停車。幸い追突もなく、事無きを得た。エブリワン、Let's曲乗り!まぁそれ以来、極度に疲れた時はバイクに乗らないようになった。
危機一髪の後は気を引き締めて鳴門スカイラインへ。思わず「Born to be wild~♪」と口ずさんでしまう程はるか続く真っ直ぐな道。そして海を渡る上り坂の橋は空に上って行くようで、まるで天国への階段だった(写真は橋の上から撮影)。Led Zeppelinのかの名曲はこの鳴門海峡に思いを馳せて書かかれたという。まぁ...言い過ぎである。
そんなこんなで開館直後の美術館に到着。スケジュール完璧である。やはり有名なだけあって、ツアー客がいる。しかも平日の朝だった為、ほぼ初老の夫婦ばかり。そんな中、革ジャンにロックTシャツの25歳男1匹。
これはまずい。浮きまくる。ゆっくり観たいのに、視線が気になる..。
僕はすぐさま「芸術を愛でるアーティストモード」に切り替えた。どこを替えたかというと、革ジャンをロッカーに入れたのである。
本命の美術館だが、やはりワーワー言うだけの事はある。いくつかの教会の天井画は圧倒的なスケールで、この所業を目の前にすると、キリスト教信者でない僕でも「やはり神は存在するのかな」と思ってしまう。信者ならイチコロだろう。(写真は分かりにくいが、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画)。展示場は建物五階分に渡り、その作品数は膨大なもの。「あっちをみても名画、こっちをみても名画...あぁーMeiga!」という具合で、すっかり名画酔い(そんなものがあればだけど)をした僕は館内のレストランに入り、最後の晩餐を模した、というこれまた胡散臭い『最後の晩餐定食』を注文。なかなか旨かったのが逆に気にくわなかった。(写真はダ・ヴィンチの最後の晩餐)。
何度も見て回って美術館を出てきた時には既に夕方16時。「よし、入館料の元は取ったどー!」(←関西人のさが)と意気揚々出発。来た道を戻る。淡路島を縦断し、明石大橋を渡る。帰り道は特に何ということもなく、ひたすら2年ローンのバイクを走らせた。狂った街、大阪日本橋。誰も待つ者のいない我が家へと。
Home Sweet Home...

