今日、仕事の約束をしていたお客様、業者の方々。

手前勝手な事で、大変申し訳けありませんでした。





先週の土曜日から、水以外口にしなくなった親父。


歩く事も、食べる事も、話す事も、トイレも、できなくなった。


昨夜、救急車を呼ぼうとしたが、手を振り<やめろ>と訴えた親父。

その顔の表情は、世間体を気にしている様子だった。


2月の終わりに、余命3か月の宣告を受けてから2か月。


実家で親父を抱きかかえ、服を着替えさせ、髭を剃り

病院へ向かった。


腹水が溜まってきている事は、前回の通院時に聞いていた。

圧迫され、腹周りが痛む原因だと思っていた。


が、しかし、思い違いに気づかされた。


家族だけが呼ばれた。


肝臓ガンが肥大し、肋骨に食い込んでいますとの事。

点滴で栄養剤をうつ事くらいしかできません。

必ず1人は付き添っていてください。と。






続けて、


あと、1週間か10日くらいですかね・・・・・・と。






2月には、後3か月って言ったろ?

まだ、2か月しか経ってねーぞ。

あと1か月・・・・・って、心の叫びを声にしたかった。




横に座っている無言の母親。






親父を連れ、今日から個室。


気丈に振る舞う母親が、ベットに横たわる親父の手をずっと撫でてる。


親の前では、絶対に涙を見せたくない。

涙をこらえるのが精一杯な俺。


かすれかすれな声で、親父が俺に伝えようとしてる。

<もう大丈夫だから仕事行け>

<おっかーを家に送って行け>って。。。


俺は笑顔を浮かべながら伝えた。


仕事は大丈夫だよ。

みんないい奴でさ、任せろって。


点滴で体中に栄養が廻ったら帰ろう。。。

体中に栄養が行き届いたら、声もハッキリするだろうし

元気になるよ。って。


親父はかすれた声で何か言っている。


何度も何度も聞き返した俺。


<いつ退院だ?>


・・・・・・・・


点滴して、話せるようになって、元気になったらだけど

いっぱい点滴しないと、だいぶ痩せちゃったから、

すぐにはダメなんじゃん。。。。


1週間位したら元気になるよ・・・・






いっぱい点滴してもらってさ、早く元気になって、一緒に帰ろう。。。


だってまだ、田舎にも行けてないじゃん。


約束したじゃん。一緒に田舎に行こうって。


春の岩手はまだ寒いから、秋に行こうって。


秋に行くんだよな?


行くんだよね?


絶対だよ。






痩せ細った親父の体。


トイレに行くのも大変だね。


恥ずかしがることないよ。


今日みたいに、何度だって俺が抱きかかえて起こしてあげる。


パジャマを下ろしてさ。


ちゃんと拭いてあげるし、ズボンもあげて、またベットまで

抱えてちゃんと寝かせるよ。


だって、俺が生まれた時、俺が赤ちゃんの時、俺がちっちゃすぎて

自分じゃ何もできない時、同じようにしてくれただろ。


だから恥ずかしがる事も、遠慮する事も、おかしいよ。









病院の外で、何人かの親戚に電話した。


5月2日、みんなが集まるはずだったから。


話している途中から、涙が止まんない。


なんでこんなでるんだよ。


話できない。





俺は幸せだね親父。


親父の看病ができて。