(子どもに体外受精で生まれたことを伝えるか伝えないか? 【前編】の続きです。まだお読みでない方は、1つ前の記事からお読みください。前編では、「子どもに体外受精で生まれたことを伝える」とはどういうことなのかについてお話しました。では後編です)

 

 

そこで、伝え方です。また児童福祉の領域の話ですが、ここには「事実」と「真実」という言葉があります。

体外受精を選択した理由は、「なかなか妊娠できなくてね・・・」ということだと思いますが、これは「事実」です。

それに対して「あなたに生まれて来てほしくて、治療して頑張ったんだよ」、こうした表現が「真実」です。

 

お子さんには「真実」を伝えてあげていただきたいと思います。大切な子どもに華を持たせる表現を用いることは、常にこれまた大切なんですよね。

 

小さい頃にお話をするとしたら、以下のような言葉になると思います。

「あなたに会いたかったから、お父さんとお母さんは頑張って病院に行って、そしてあなたが生まれて来てくれた。あなたがいてくれて今はとっても幸せ。あなたがかわいくてたまらない。生まれてきてくれてありがとう。」

 

ちなみに体外受精で生まれたお子さんのその後の成長は、他の子どもの成長と差がないという報告があります。松林先生のブログでにもありました。子供に対して何かを負わせてしまった、という思いを持たれる必要はないと思いますし、お子さんも自分は違う、という思いを抱かなくて大丈夫だと思います。

 

しかし将来、何らかの偏見と出会うかもしれません。他からの偏見をコントロールすることはできませんので、子ども自身の中に正しい知識を持ってもらうよう尽力した方が、お子さんが自分自身を守れると思います。

 

(因みに私は帝王切開で生まれたので、幼い頃身近な大人から「我慢ができない、粘りがない」等言われた記憶があります(ひどいですよね!)。しかし、そうした言葉より愛してくれている親のことを信じていたので、このことではひねくれずに済みました。)

 

正解はご夫婦の数だけあると思います。少し考えを巡らせてみていただけましたら幸いです。