保険証とマイナンバーカードが一体化する「マイナ保険証」。心配する声もありますが、今日はこれについて(私見を含めながら)ご説明したいと思います。なお、このブログは公式ブログですが、内容は間違っていないと思いますが、意見については当院の公式見解ではなく、あくまでも筆者の個人的な見解(私見)ですので、悪しからずご了承ください。

そもそも、私たちの個人情報ってちゃんと守られているのか。

街中でよく貯めたり使ったりするポイント。Tポイント、dポイント、PONTA、色々なポイントがありますが、もちろんあれ誰かが親切でお金をくれているわけではなくて、ポイントを付与する側にも付与金額以上のメリットがあるからポイントサービスが成り立つわけです。実際には、顧客が購買行動や行動範囲のデータを切り売りするかわりに少額のポイントをもらうことができるというものです。あるポイントを集中的に貯めれば、あなたがいつどんな店に行って何買ってとかが、全部筒抜けになるわけです。クレジットカードは多少事情が違いますが、ざっくり言えば似たようなものです。

 

Gmailやカレンダー、Googleマップ、全部無料ですが、自分の全ての友達の詳細な情報とカレンダー載せて、メールも使えて、グーグルマップでの検索履歴やクラウドに載せた写真からは行動履歴から、音楽の定額サービスを使っていれば音楽の好みまで全部わかってしまいます。もちろん、メールの内容までは法律で守られていますが、スマホと電子マネーとポイントカードとクラウドに囲まれて生活する以上は、今の世の中プライバシーなんてあってないようなものなのです。

運転免許ですが、携帯電話契約時やクレジットカード契約時にコピーを提出します(銀行口座開設にはマイナンバーが必要)。運転免許のID番号なんて、第二のマイナンバーみたいなものですが、本人確認郵便みたいなのが来た時に、配達員がID番号を控えたりしています。それはOKなのに、マイナンバーだけ神経質になるのは、ちょっとバランス悪いです。

 

じゃあ運転免許のままでもいいじゃないかと思う人もいるでしょうが、運転免許はお金払って教習所通わないといけないから持ってない人もいる、保険証は番号コロコロ変わる、パスポートも持ってない人もいる、この際、マイナンバーカードに免許も保険証も集約して1枚にしちゃえば、身分証の統一にもなるし、色々なことが1枚のカードでできるようになるし、どうせどのカードだってどうせなくせば再発行が必要なのでそのあたりは同じで、基本便利になるわけです。

そもそも保険証には顔写真がないので、健康保険に入っていない無保険者が他人に保険証を借りて、保険料を支払わないまま他人の保険証で保険診療を受ける不正使用は相当額にのぼると言われています。また身分証明書としても顔写真がない分、公的身分証でありながらいくらでも不正ができてしまうので、保険証とマイナンバーカードが一体化して写真が掲載されることで、こうした不正利用を防ぐ抜本的な解決になる可能性があります。

一方、永住権のある外国人の方が、日本で通称(日本名を自分で決めて登録できる制度)を使用している場合、健康保険証は場合によっては通称のみのものが作れますので、ただの保険証としての使用ならまだしも、これを身分証明書として使用することの是非については色々意見もあるところでしょう。一方、運転免許証やマイナンバーカードは、本名と通称が併記されているものしか作れません。敢えて何もコメントしませんが、事情の有無にかかわらず、保険証は通称だけでよかったのに、マイナ保険証になって本名記載になることに対して抵抗を感じる方もいるでしょう。

 

今は銀行口座の新規開設の際にもマイナンバーは必須であるなど、脱税しにくい仕組みが作られつつある一方、基本的に変更できない唯一無二の番号で、あらゆることが紐づけされ、把握されることに対する見えない不安を感じる方がおられることも確かです。また、マイナンバーカードの機能が高機能になるにつれ、紛失時の不安も大きくなるでしょうから、このあたりは、あらためて丁寧な説明が求められます。


さて、というわけで、マイナ保険証問題、骨抜きになりそうな予感もしますが、どうなることやら政府のお手並み拝見といったところです。では今日はこの辺で。