みなさん、こんばんは。今日は、連続採卵についてお話してみようと思います。

 

体外受精において、貯卵(蓄胚)をして、ある程度胚をためてから移植に入ろうという考え方があります。理由は様々ですが、低AMHであり取れるうちに取っておこう(それは判定陰性だけでなく流産や第2子まで見越して)という場合もあるし、第2子の時に子育てしながら採卵するのは大変だからAMHは悪くないがとっておこうとか、胚の平均グレードがよくないので複数個移植目的でためる場合、色々な場合があります。そこで問題になってくるのが連続採卵の可否です。

 

イメージとしては、自然周期は連続採卵OKなイメージです。では低刺激は?タイミングや人工授精でクロミッドやセキソビットを何周期か連続で内服することもあるので、おそらく低刺激も大丈夫でしょう。では刺激周期は連続できるのでしょうか。

 

これは刺激や卵巣の反応、採卵個数や採卵後の卵巣の状態にもよりますが、一律NGではありません。

 

高AMHで反応がよく、採卵後1週間後で卵巣が7cm以上あるとか、採卵数が20個以上だったというような場合は翌月は1か月お休みが推奨です。ただし、そういう方は、そもそも連続採卵の必要性はあまりありません。採卵数が15個未満かつ採卵後1週間後に卵巣が5cm以下ならまず連続しても問題は起こりませんが、月経中のAF数やホルモン値をよく見定めて行けそうならという場合に限ります。

 

よく刺激周期の連続採卵に対して、「卵巣を痛めつける」とか「過剰な刺激」などと言ったりする医師がおられますが、悪い意味で情緒に訴えかける扇状的な表現であり、非常に不正確な言葉です。もちろん、色々な体質がありますので、3回目の状態がよくない方もおられますが、不思議なことに、3か月くらい連続すると連続3か月目がダントツで一番良好胚盤胞がたくさん凍結できたという方は少なからずおられます。半年くらい連続しても大丈夫な方もおられる一方、4か月目くらいになると調子を崩す方が増え始めますので、3か月刺激をしたら1周期くらいは休んでもよいかも知れません。

 

一方、採卵→移植→採卵→移植の流れは、一見卵巣を休ませながら治療を進めているいいイメージをお持ちになるかも知れませんが、実際には移植の時に使うホルモン剤が翌周期の小卵胞数を減らしたり、FSHを上昇させたりすることがありますので、連続採卵のほうがよかったということも少なくありません。特に卵巣機能が低下してくるとプラノバールを内服した直後の月経時はFSHが上がってしまうことをしばしば経験しますので注意が必要です。もし、リセットする場合は、FSHが上がりにくい方法でリセットすることが大切です。

 

 

もちろん経済的な理由をはじめ、身体的精神的な理由で1周期休みながら治療する方もおられ、それはそれでありな方法です。自分の状況をよく見極めながらベストな治療プランを立てることが肝心です。

 

というわけで、今日は、連続採卵についてお話いたしました。次回もお楽しみに!