リプロダクションクリニック 公式ブログです。日本生殖医学会認定生殖医療専門医/指導医が執筆しています。
こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。リプロ公式ブログでは私は店子なのですが、管理人さんに33本の記事を掲載してもらいました。「いいね」を多くいただいたものもあるので、ご紹介したいと思います。第1位、236いいね 赤ちゃんは親を選んでやってくるのか?第2位、115いいね 悲しい気持ちっていつまで続くんだろう?第3位、103いいね がんばりすぎてしまうあなたへ第4位、99いいね カウンセリングではどんなことを話したらよいのでしょうか? 二人で話し合うときのマニュアル第5位 97いいね 夫の実家に行きたくない気持ちとどう付き合うか?他にもぜひ読んでいただきたいものがありますので、https://ameblo.jp/reproductionclinic/theme-10116817436.htmlもご覧になってみてください。今の皆様のサポートになるものがあれば幸いです。いいねは励みになりますので、今後もよろしくお願いいたします。「こんな内容のことも書いて欲しい」というリクエストもお待ちしております。
ここで家を語りたいわけではないのですが、とりあえず、「マンションと戸建てはどちらがよいか」について考えてみてください。余裕あったら恋愛結婚とお見合い(アプリ)についても。マンションのよいところ:ある程度の管理はマンション側でやってくれる、庭の手入れとかしなくていい、修繕計画が資金面も含めてちゃんとやってくれている、地震や家事、泥棒や放火等のセキュリティ面は基本的にはマンションが有利、保温、日照、害虫も基本的にはマンションが有利、隣人とのプライバシーがあまりない反面、マンション外からのプライバシーは保たれやすい、マンションによっては24時間ゴミ捨て可能(戸建ては時間が決まっている)、町内会など余計な近所づきあいがないマンションのイマイチなところ:戸建てより基本狭い、レイアウトや広さの自由度が低い、家の玄関からマンションの玄関まで遠い、駐車場が基本有料、修繕や建て替えが自分の意思だけでは決められない戸建てのメリットデメリットはこの反対ということになります。で、誰かに「どっちがいいかなあ」なんて相談されたとしましょう。もちろんメリットもデメリットも話したうえで、もちろんトレンドも色々な意見もあるでしょうけど、選択としては比較的平等で、最終的には相談者の中にしか答えはありません。でも不動産屋の中にはマンション強いところ、戸建て強いところ。ありそうです。恋愛結婚がいいかお見合い(最近はアプリか)がいいかは、ちょっと違った選択肢2つです。目の前に好きな人がいて自然と付き合うことになれば、わざわざお見合いはしないので、ベースは恋愛結婚ということになるかな、でも、色々な事情で出会いがなかったり、自由恋愛が苦手だったりしてお見合いで結婚する人もたくさんいる。それはそれで何も問題ない。マンションの例えと少し違うのは、どっちでもいいんだけど、一応ベースはこっちかなといううっすらとしたものがあるかないか。寿司屋に行って、「サビ抜き」を頼むかどうか。これは、基本的にはサビありで食べるのが基本ですが、極端にワサビが苦手とかアレルギーがある等の場合、特例としてサビ抜きを頼むイメージです。なので、基本はこっちとはっきりしていて、例外の場合はこうですみたいな選択肢。結婚前に相手のことを興信所(探偵社)を使って調べるかどうか。いや、調べる人もいるんでしょうけど、一般的には調べない人が多いのではないかと思います。でも、過去に何度も悪い男に引っ掛かって悲しい思いしたのでそういう経験は二度と繰り返したくないとか、特別な事情がある場合は興信所(探偵社)を使って調べたほうがいいかも知れません。いや、マンションか戸建てかって、凍結胚移植における自然周期かホルモン補充周期か、恋愛結婚かお見合い結婚かは体外受精か顕微授精か、寿司屋でサビ抜きを頼むかどうかは顕微授精における卵子活性化の有無、結婚前に相手のことを興信所(探偵社)を使って調べるかどうかは、PGT-A(着床前診断)をやったほうがよいかとすごく考え方が似ているのです。凍結胚移植における自然周期かホルモン補充周期かは、ここに詳しく書いたので読んでない方はお読みいただきたいのですが、もちろん、それぞれメリットもデメリットもあるわけで、どっちがいいかなんて人によるとしか言いようがない、が多分結論です。自然周期のほうが産科合併症が少ないから自然周期がいいんだなんていう向きもあるけど、自然周期が不向きで妊娠自体成立しないんじゃどうしようもない。そもそも論だと、体外受精している時点で自然妊娠よりも産科リスクが高いんだから、体外受精している前提で自然周期とホルモン補充周期だけ比べたところで木を見て森を見ずというやつです。実際に、自然周期でやりたいのはやまやまだけど通院の都合上どうしても無理って場合もあるわけです。それぞれに得意不得意があるわけで、どっちがいいなんて議論すること自体ナンセンス、それぞれのメリットとデメリットを見比べてよく考えましょう、というのがベストアドバイスです。だだ、現実ら不動産屋の例えの如く、クリニックによって「推し」は違います。体外受精か顕微授精は、ここが詳しいですが、「凍結胚移植における自然周期かホルモン補充周期か」とはちょっと事情が違って、基本的には体外受精がベースになります。実際にmass(大人数)での比較でみると体外受精のほうが少し成績がいいというのは異論がないです。ここが比較的平等な選択肢である「凍結胚移植における自然周期かホルモン補充周期か」とは少し趣向が異なります。ただ、体外受精ではうまくいかない方、体外受精でも受精はするけど胚発生が顕微授精のほういい方、などもおられますので、そういう場合は向き不向きのほうが優先されますから躊躇なく顕微授精をするべきなのです。体外なんて、かけたら最も勢いのいい精子が1個卵子に入ったら締め切りなので、単なる先着順とまでは言わないがそれに近い、顕微授精は形から動きまで培養士が真剣に選んでいるわけで、果たして顕微の精子選別がそんなにイケてないか?体外受精のほうが自然に選ばれた最もいい精子です、なんて言葉はキャッチーだけど、そんなに根拠はありません。体外と顕微で違いに理由があるとすれば、そもそもが精子が先体反応を起こして活性化するメカニズムから受精成立のプロセスまで全然違うわけで、多分そっちも大きな理由の1つだと思うんだけど、そのあたりのことをあまりよく分かってない医師も少なくないだろうし、分かっててもちゃんと伝わるように説明するのは難しいので、患者さん向けにはそういう説明することはあまりないですけどね。そもそも、統計上の差はさておき、自然というだけでいいイメージ持つ方おられますが、体に優しいは百歩譲って分からなくもないが、自然が1番いいだなんてそもそも根拠ないです。毒吐いたところで次。顕微授精における卵子活性化は、本当に必要なごく一部の方のみが行えばよい技術であり、それ以外の大多数の人にとっては必要のない技術です。お寿司におけるサビ抜きをするかどうかみたなイメージです。PGT-Aについては、たとえに気を悪くされた方がおられたら申し訳ありませんが、例えば離婚歴(≒流産歴)が複数あるとか、年齢が高くてあとがないので慎重に行きたいとかそういう場合は興信所(探偵社)を利用するのも1つですが、例えば、女性の立場になった時にお相手の男性初婚32歳で大卒の大手一流企業の会社員で年収問題なし実家にも問題なく本人も見るからに誠実そう、みたいな場合に、果たして興信所いりますか?そのほうがその後の結婚生活確実にうまくいきますか?って話で、(まあ、完全に騙されてしまってるという可能性がないわけではないだろうが)、基本は、そんなことしたところで結婚生活がうまく行きやすくなるなんてことはないでしょう。PGT-Aについては導入当初は夢のような技術ともてはやされ、期待が独り歩きしすぎた反省から、デメリットが必要以上に強調されるようになってきて、それはそれでいかがなものかとは思いますが、基本的には流産歴のない35歳以下のPGT-Aは必要性が低く、反復着床不全あるいは流産歴がある場合と高齢の場合は有用性ありというのと状況が少し似ています。逆に、タイムラプスとかZyMotなんかは、一応選択はできますが基本的には全員やってもいいくらいの技術だったりします。このように、生殖医療において、どちらのほうがよいかという選択を迫られる選択肢でも、状況としては色々違ってきますが、共通して言えることは、方法として存在する以上は、どんな選択肢にも適応やメリット・デメリットがあるということです。自分がどういう状況であり、なぜその選択をするのか、医師からよく説明を聞きながら納得の上で治療を進めていただければと思います。もちろん、生殖医療は難しく、医師からの説明を1回聞いてちょっと質問した程度で、全貌を理解することは無理です。100パーセントお任せで治療受けるのならそれでも何もしなくても大丈夫ですが、いくら医師に説明義務があるとは言っても完全受け身で自分では何も勉強しないのでは、自分で納得感を持って治療をするのは困難で、患者さんの側でも、ある程度の知識は必要です。当院でも、WEB説明会動画を公開しておりますので、ぜひご活用ください。というわけで、今日は様々な選択肢についてお話してみました。次回もお楽しみに!
生殖医療解説シリーズのまとめサイトです。定期的に追加あるいは細分類しています。論文紹介というよりも、皆様の診療の指針や解説になるような内容を心がけておりますので、最新記事を常にという方には物足りないかも知れませんが、基本的にはリプロダクションクリニックの標準方針に則ったことを書いておりますので、リプロのやり方を知りたい方にとっても参考になると思います。最近更新が滞りがちですが、迷う局面で重要な内容はほぼ網羅されていますので、ぜひご一読ください。☆が多いものがおすすめの記事となります。1つ1つがぎっしりとした内容ですので、一度読んだものでも、ぜひ時々読み返してみてください。国内最大級の豊富な経験に裏打ちされた内容をお送りしております。もちろん、ここに載っていない治療法の中にはリプロでも行っていない検査や治療もありますが、基本的には否定からは何も生まれないので、「やれることは全部やりましょう」がモットーです。ぜひ参考になさってください。あらためて読んでみて、まだ「いいね」つけていなかった記事は、あとからでも「いいね」をいただけると励みになります。まだまだ、それ知りたかったんだよ!と思っていただけるような記事を書いてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。【妊活・日常生活】☆☆☆妊活中にしていいこと、よくないこと☆☆地中海型食生活をしよう☆☆結局何を食べればよいのかヘアカラーについて便秘☆生理が遅れました☆☆☆冷えは妊娠によくないか採卵や移植前にできること体の調子は毎月違う☆夫がタバコをやめてくれない眠れない夜貧血【AMH・卵胞数】AMHと自分AMHについて考えてみるAMHはどのくらい大切な検査なのか(続:体の調子は毎月違う)【遺残卵胞】☆☆☆遺残卵胞遺残卵胞2遺残卵胞3「月経中に見えた卵胞を採卵するのは是か非か」☆☆Q&A 2 クロミフェンと黄体化未破裂卵胞(「遺残卵胞4」)【カウフマン療法】☆カウフマン療法(リブログ)☆☆月経前の調整はE2製剤かピルかカウフマンか、それとも何もなしか採卵計画の全容【卵巣刺激開始】生理中の小卵胞数、FSH値卵胞の大きさが不ぞろいの時採卵周期開始しようとしたが、いつもより月経中の小卵胞数が少ない遅延スタート法(月経中に"遺残卵胞"がある場合、月経中に卵胞が少ない場合)【卵巣機能低下例あれこれ】☆FSH調節法 前編☆FSH調節法 後編DHEA☆医原性閉経・薬剤性閉経はあるのか【PRP療法】☆☆卵巣内PRP(PFC-FD[FD-PRP])注入についてPRP療法(卵巣・子宮)について【空胞・卵子の成熟・変性】☆☆卵子の成熟1☆☆卵子の成熟2☆卵子と卵胞、空胞☆卵回収率(いわゆる空胞のお話)卵子の成熟3 ~未熟卵が取れた場合変性卵卵子の成熟4 ~採卵した卵子が成熟卵かどうかは、いつ分かるのか【連続採卵】☆☆連続採卵【採卵周期中のマイナートラブル】☆採卵周期中の出血☆採卵周期中の出血☆採卵周期中の出血☆☆排卵してしまったのでしょうか【卵巣刺激の薬剤】HMG製剤とFSH製剤☆☆☆卵巣刺激に使うHMGの量はどのように決めるのか☆☆卵巣刺激法とその薬剤 前編☆☆卵巣刺激法とその薬剤 後編クロミッドとフェマーラ(続 薬が落ち着かない)【卵巣刺激法】高刺激、中刺激、低刺激、自然周期に定義はない卵巣刺激法「〇〇法」の分類なんて意味がない?当院の卵巣刺激排卵抑制は諸刃の剣☆☆黄体フィードバック法(PPOS)についてアンタゴニストの使い方自然周期、低刺激、中刺激、高刺激Duo 刺激 (Duo Stim)【low dose hCG療法】☆☆排卵誘発における low dose hCG療法とはlow dose hCG療法low dose hCG療法 2low dose hCG療法 3【ホルモンの読み方】「点と線」(ホルモン値の読み方)前編☆「点と線」(ホルモン値の読み方) 後編1「FSH」 「点と線」(ホルモン値の読み方) 後編2「E2」 「点と線」(ホルモン値の読み方) 後編3「ホルモンが変」刺激に対する反応性は人それぞれ、周期によりけり卵巣刺激は、ホルモン値と卵胞発育の状況から刺激量を増減させるとうまくいく 前編卵巣刺激は、ホルモン値と卵胞発育の状況から刺激量を増減させるとうまくいく 後編採卵のタイミング 早い vs 遅いE2値がおかしい【卵子凍結】卵子凍結(未受精卵凍結)卵子凍結【卵巣過剰刺激症候群】卵巣過剰刺激症候群☆多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)【採卵】経腹採卵・経子宮筋層的移植☆採卵中の手術室内☆採卵あれこれ(ラボのお仕事)☆採卵の技術と痛み採卵の痛み【採卵後の卵子・受精】受精確認受精障害☆☆体外受精(IVF)と顕微授精(ICSI)は、どちらが確率が高いか培養液について顕微授精① IMSI顕微授精をしても受精しない場合体外受精・顕微授精における精子選別法精子に対しては何ができるか受精、受精卵、初期胚、胚盤胞、新鮮胚、凍結胚透明帯について【初期胚 vs 胚盤胞】☆初期胚でしか妊娠しない方がいる理由胚盤胞まで培養するか、初期胚で移植・凍結するか【培養・ラボ】炭酸水素イオンとpHとラボ凍結技術【胚移植】☆新鮮胚移植はなぜ妊娠率がよくないか☆移植のプロトコールについて☆☆難しい胚移植すり抜け排卵☆子宮内膜が薄い時☆☆☆胚移植の技術【移植個数・多胎妊娠】☆1個移植と2個移植と2段階移植はどれが一番妊娠するか☆複数個移植あれこれ本当の意味での多胎のリスク【着床前診断】PGT-Aをすると「妊娠率」は上がるのか。☆☆☆どういった場合にPGT-Aが有効か1分で分かる着床前診断【着床の窓】☆☆☆着床の窓☆☆ホルモン補充周期における移植日と着床の窓着床の窓の検査はやったほうがよいのか【ホルモン補充周期vs自然周期】☆☆ホルモン補充周期と自然周期の凍結胚移植はどちらが妊娠率が高いか☆結局、ホルモン補充周期と自然周期の凍結胚移植はどちらを選んだらよいのか【アスピリン・バイアスピリン】アスピリン・ジレンマ低用量アスピリン【黄体ホルモン】☆☆☆「黄体ホルモンが上がりません」ルトラールとデュファストン黄体ホルモンの比較って難しい基礎体温が上がらないなと思ったら排卵したかどうかはどう診断するのか【その他の薬剤】長時間作用する薬、短期間しか作用しない薬【着床】慢性子宮内膜炎と、その他紛らわしい病名☆☆☆なぜ着床しなかったのか慢性子宮内膜炎に対する抗生剤の予防投与(抗生剤使用は適正に)妊娠判定が陰性だったら、次はどうしたらよいのか着床とサイトカイン・成長因子(PRP療法のお話)オプション検査はいつ行うとよいのか【2人目】第2子治療開始時に、どこまで再検査をすべきか2人目(3人目)をご希望の場合【妊娠中】☆☆妊娠中の出血妊娠週数の数え方胎児の心拍数体外受精と妊娠初期の経過☆妊娠と薬【前編】☆妊娠と薬【後編】【流産・不育症】流産・習慣流産・不育症甲状腺機能異常Q&A 3 チラーヂンはいつまで続けるべきか甲状腺機能低下症とチラーヂンSヘパリン治療について(リブログ)抗リン脂質抗体症候群(APS)絨毛染色体検査流産後は、いつから治療開始できるのか流産 【シリーズ・流産】☆☆流産【1】 はじめに流産【2】 流産の原因流産【3】 夫婦の染色体検査流産【4】 絨毛染色体検査流産【5】 母体の不育症検査流産【6】 女性の気持ち、男性の気持ち流産【7】 さいごに【出生前診断】☆出生前診断【1】はじめに☆出生前診断【2】染色体異常とは☆出生前診断【3】各検査の特徴「上」☆出生前診断【4】各検査の特徴「下」 NIPT☆出生前診断【5】NIPTと影☆出生前診断【6】最後に☆出生前診断、全妊婦可能に[認可施設の話]☆出生前診断【7】番外編【一般不妊治療】☆妊娠できる状態か知りたい子宮内膜人工授精のベストなタイミング卵子と精子の出会いの場作り(卵管鏡下卵管形成術)排卵痛、排卵期出血卵管造影のススメFT手術のビデオ論文結婚して1年たっても妊娠しなかったら卵管あれこれ排卵したかどうかはどう診断するのか妊活を考えた時に事前にやっておいたほうがよい検査5選【花粉症】☆妊活と花粉症の治療について 2020妊活と花粉症の治療について 2021妊活と花粉症の治療について 2022妊活と花粉症の薬について2023【風邪・インフル・コロナ・ワクチン】☆風邪インフルエンザの予防接種は受けてよいのでしょうか人類と感染症との戦い”☆新型コロナウイルスワクチンに関する声明:ASRM”☆ワクチンって難しい【いのち】☆☆どこからが「命」なのかいのちドリー(体細胞クローンと生命倫理)【コラム】「どちらの方が確率が高い治療でしょうか」原因を知りたいスーパードライと一番搾りはどちらが美味いか理論的であること、実測的であること「〇〇という報告があります」どういう尺度で成績を比較したらよいのか一般的に良しとされない方法でうまくいくこともある生殖医療ガイドライン原案医療費控除ジェネリック医薬品、OTC医薬品断片的に考えるということ、総合的に考えるということ一般の感覚における平均(確率)、生殖医療における平均(確率)何が違うのか例え話ダイエットの極意☆☆凍結胚の廃棄【少子化】日本の少子化の現状と不妊治療<上>日本の少子化の現状と不妊治療<中>日本の少子化の現状と不妊治療<下>【よくある質問シリーズ】よくある質問① Q1)自然妊娠をしたことがあるので、着床の窓はずれていないと思いますが? Q2)体外受精をする上では、卵管は閉塞したままで大丈夫ですか?初期胚の移植でも大丈夫ですか? Q3)出産あるいは流産後、なかなか妊娠しません。慢性子宮内膜炎検査は受けるべきですか。 Q4)まだ、タイミング・もしくは人工授精の治療中です。オプション検査は早めに受けておいた方がよいでしょうか。 Q5)連続採卵はやめたほうがよいのでしょうか。 Q6)着床の窓の検査と、慢性子宮内膜炎検査と、子宮収縮検査は同一周期に実施可能ですか?よくある質問② Q7)採卵周期中に出血がありました。生理でしょうか、大丈夫でしょうか Q8)閉経が近いのでしょうか Q9)凍結胚移植で、凍結時4AAから融解後(移植時)には3AAに「悪く」なっていました。なぜでしょうか Q10)採卵をして、胚盤胞が2個と初期胚1個が凍結できました。次は移植がよいでしょうか、もう少し採卵したほうがよいでしょうかよくある質問③ Q11)ホルモン補充周期で妊娠歴あり。前回は、D20で移植したので今回もD20で移植したほうがよいのでしょうか、D19で移植したら着床の窓はずれてしまうのでしょうか。 Q12)胚盤胞のほうが妊娠率が高いのに、初期胚でも凍結することを提案されましたが、なぜでしょうか。 Q13)40代や卵子の数が少ない場合は、初期胚がよいのでしょうか。 Q14)妊活中や特に胚移植後は、安静にしてお姫様生活を送った方がよいのでしょうか。 Q15)FSHが100以上あります。妊娠の可能性はもうないのでしょうか。よくある質問④ Q16)卵巣刺激法は、アンタゴニスト法がベストの方法なのでしょうか。 Q17)顕微授精のほうが「確率が高い治療方法」なのでしょうか。 Q18)連続採卵をすると卵子が減り、しまいには卵巣が反応しなくなってしまうのでしょうか。 Q19)採卵数が多すぎると卵子の質が下がり、妊娠率が悪くなるのでしょうか。 Q20)こんなに頑張っているのに結果が出ません。これ以上どう頑張ったらよいのでしょうか。よくある質問⑥ Q21)「日付の数え方」 Q22)「卵子のグレード」 Q23)「胚のグレード」 Q24)AMHはよくならないのか Q25)AMHがいいとか悪いとか Q26)FSHがいいとか悪いとか Q27)腟剤あれこれ Q28)当院で実施可能な採卵周期のプランを教えてください Q29)当院で実施可能な移植周期のプランを教えてください Q30)「精神的に限界です」
こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。お気軽にお越しくださいと言いつつ、初対面の人に自分のプライベートなことを話すというカウンセリングは少し特別な空間です。うれしいことよりも、つらいことを話すことのほうが多いと思います。そのカウンセリングの経験が具体的な記憶として、あるいはなんとなく雰囲気として心の中に残ることもあります。何年も経ってから、あの時あの話をしたな、カウンセラーに言われたのはこんなことだったな、という気持ちが蘇ってくることもあるでしょう。しかし、物理的な事柄ががきっかけとなってカウンセリングの記憶を呼び覚ますことは、できるだけ避けたいのです。対話が中心となるべきだからです。もしカウンセリングの部屋でアロマを焚いたり、BGMを流したりすると、その記憶に香りや音が結びついて残ります。それを感じるたびに、カウンセリングのことを思い出さなくてはならなくなるかもしれないのです。五感の中でも嗅覚は、脳の記憶を司る海馬と繋がりがあり記憶と結び付きやすいのです。皆さんも、例えば「あ、これは春にあの公園で遊んでた時の匂いだ!」などと感じ、ノスタルジックな感情が押し寄せてきたことがあると思います。「香水の香りで誰かを思い出した」的な歌もしばしば登場しますね。したがって、カウンセリングは無味無臭が良いのです。でも、消せないのはカウンセラーの個性です。逆に言えば、ここで勝負をするのです。道具となるのはカウンセリングの部屋と、言語的・非言語的なカウンセラー自身のみ。カウンセリングは、その時間のクライエントとカウンセラーが紡ぎ出すライブです。同じ話題について話していても、時が異なれば、同じ流れになることはなかなかありません。やはりちょっと特別ですが、ぜひぜひこの対話のライブにお気軽にお越しくださいませ!
移植をするのによくある質問が、移植は自然周期がいいのか、ホルモン補充周期がいいのかということです。「ウチはホルモン補充周期がメインです」「自然周期のほうがメリットが大きい」等施設によっても医師によっても色々な意見がありますが、果たしてどうなんでしょうか。まず誤解があるようなので最初に言葉の定義ですが、ここで自然周期とは、卵胞が排卵して自力の黄体ホルモンが出る周期のこと、ホルモン補充周期というのは、エストロゲン製剤により排卵を抑え、自力の黄体ホルモンが出ないので全て外からのホルモン剤でコントロールする周期のことであるということにします。レトロゾールやHMG、黄体ホルモンによるホルモン補充をしていようがなんだろうが、排卵する(させる)周期は自然周期です。で、移植は自然周期がいいのか、ホルモン補充周期がいいのかってことですが・・・これはもう、それぞれいいところ悪いところがあるので、ケースバイケースとしか言いようがないです。こっちのがいい・あっちのがいいと言い切った方がスッキリして耳触りはいい、でも人間の体はそんなに単純ではないし、どちらか一方だけを推し過ぎれば個性全否定でテーラーメードもなにもない、そんなんではうまくいくものもいきません。ホルモン補充周期の特徴は・日程調節性にすぐれるので多忙な女性向き・薬が多い、費用がやや高い(エコーや採血の回数にもよる、保険だとあまり変わらない)・エコーや採血の回数(=来院日数)が少なくて済む・子宮内膜が薄い場合に打つ手が多い・自然周期に比べて子宮外妊娠になる頻度が著しく低い・自然周期に比べて相対的に周産期合併症が多い(妊娠高血圧症、分娩後の出血、帝王切開等)自然周期の特徴は・排卵に合わせて行うので医師の指示に合わせて通院できる方しか難しい・薬が多い、費用がやや安い(エコーや採血の回数にもよる、保険だとあまり変わらない)・排卵障害(卵巣機能不全やPCOS)や黄体機能不全がある方は不向き・子宮内膜が薄い場合に打つ手が少ない・ホルモン補充周期に比べて子宮外妊娠になる頻度が高い・ホルモン補充周期に比べて相対的に周産期合併症が低い(妊娠高血圧症、分娩後の出血、帝王切開等)そして、そもそも論で、ホルモン補充周期のほうが妊娠しやすい方、自然周期のほうが妊娠しやすい方、もっと言えば、ホルモン補充周期でないと子宮内膜が厚くならない方、自然周期でないと子宮内膜が厚くならない方などがおられます。向き不向きとしか言いようがないし、トライアンドエラーも大切な部分です。最近は不妊治療後の合併症も注目されているので、周産期合併症という点では確かに自然周期に分があるんだけど、それは大切なことだけど、それだけが大切なわけではないので、様々なメリットとデメリットを考慮してどちらで行うか決める、そして、一方でうまくいかない場合は、もう一方の方針に転換する、こうした柔軟な考え方が妊娠の秘訣です。胚移植についての過去ログはこちらをご覧ください。【胚移植】☆新鮮胚移植はなぜ妊娠率がよくないか☆移植のプロトコールについて☆☆難しい胚移植すり抜け排卵☆子宮内膜が薄い時☆☆☆胚移植の技術【移植個数・多胎妊娠】☆1個移植と2個移植と2段階移植はどれが一番妊娠するか☆複数個移植あれこれ本当の意味での多胎のリスク【着床前診断】PGT-Aをすると「妊娠率」は上がるのか。☆☆☆どういった場合にPGT-Aが有効か1分で分かる着床前診断【着床の窓】☆☆☆着床の窓☆☆ホルモン補充周期における移植日と着床の窓着床の窓の検査はやったほうがよいのか【ホルモン補充周期vs自然周期】☆☆ホルモン補充周期と自然周期の凍結胚移植はどちらが妊娠率が高いか☆結局、ホルモン補充周期と自然周期の凍結胚移植はどちらを選んだらよいのか【アスピリン・バイアスピリン】アスピリン・ジレンマ低用量アスピリン【黄体ホルモン】☆☆☆「黄体ホルモンが上がりません」ルトラールとデュファストン黄体ホルモンの比較って難しい基礎体温が上がらないなと思ったら排卵したかどうかはどう診断するのか
少子化がどんどん進んでいる。2023年の出生児数は1年前より約5%減り、約76万人となっただけでなく、全国の合計特殊出生率は過去最低の「1.20」、東京都の合計特殊出生率は「0.99」と1を切った。一方で、2022年のデータだと、出生児約77万人に対して、体外受精で生まれた赤ちゃんは7万7千人。約10人に1人が体外受精で生まれたことになる。このほかにタイミング指導や人工授精での妊娠も含めると出生児の2割弱くらいは何らかの医療の力を借りて妊娠しているのかなということになるのかなと思うと、生殖補助技術を生業とする身としては、自分の仕事の重要性を意識する一方で、少し複雑な心境にもなる。現役世代の年金が激減することは分かりきっているので、今の世代の年金支給額や医療費を削ってでも少子化対策にまわすべきという意見だってあっていいと思うが、そんなスローガンで戦ったら選挙で絶対勝てないので誰もそんなことは言わなかったのだが、いよいよもってそんなことを言っていられなくなる危険水域まで来て、やっと政治家が少子化対策を少しは声高に叫んでくれるようになってきた。某大臣が少し前に、「今が少子化対策のラストチャンス」とか言っていたが、ラストチャンスなんてとっくに過ぎ去っている。長く続く少子化でそもそも出産可能年齢の女性の数そのものが減少している上、これからも出産可能年齢の女性の数が減り続けることは確定しており、合計特殊出生率がいきなり1.5倍とか2倍とかにならない限り、出生児数がV字回復する可能性は限りなく低い。出生児数を語る時によく出される「合計特殊出生率」は、未婚女性も含めた15~49歳の女性が一生の間に出産する子供の人数の平均で、約50年前に2を割り込み、現在は上記となったわけだが、この母集団には未婚女性も当然含まれる。結婚している女性が子供を産む数だけでなく、婚姻率も大きく影響する。これに対して、「完結出生児数」という指標があって、結婚している夫婦が平均何人の子供を産んでいるかというものだが、これは微減はしているが、これは1973年の2.20から、最新の2021年の1.90までほとんど低下していない。晩婚化が進んで、さぞ結婚している女性が産む子供の数も減っているだろうと思いきや、結婚している女性が産む子供の数は思ったほど減っていない。一方未婚率は年々増加し、実際、1970年の女性の生涯未婚率は3.3%だったのが、2020年には17.8%に、男性の生涯未婚率も、同1.70%から28.25%にまで上昇している。つまり、データを診る限り、出生児が減った背景は、結婚している夫婦が子供を作らなくなったのではなく、未婚率の急上昇が一大原因ではないかと推察される。未婚率の上昇理由は様々だろうが、ライフスタイルの多様化(お見合い結婚の激減なども一因としてあるだろう)、昨今の経済状況(経済力があるほうが婚姻率が高い)、女性の社会進出(語弊があるといけないので追記すると、女性が社会進出しても、20代あるいは30代前半で妊娠出産して、バリバリ働ける職場環境に復帰できる状況が十分に整っていれば安心して妊娠出産できるのだが、待機児童の問題や職場の理解の問題など様々な問題もあるので仕事と育児のどちらかを優先することを余儀なくされる)、こういった問題を一気に解決するのは簡単ではなく、おカネをばらまけばよいという問題とも少し違う気がする。東京都は色々やっていて、不妊治療に対しては、各種検査に対しても先進医療に対しても助成をしている、プレコンセプションケアに対する助成も行っている、産まれたあとも東京都を始めとする多くの字自体では高校まで子供の医療費は基本的に無償(0割負担)だし、幼稚園~中学校のエアコン普及率も全国トップだし、給食費が無償の自治体も増えてきたし東京都結構頑張ってると思うんだけど、そこまでやって東京都の合計特殊出生率が「0.99」は、相当ショッキング状況である。おそらく、これをやれば大丈夫、みたいなキラーコンテンツはないので、あらゆる細かい対策をコツコツ10個も20個も積み重ねるしかないんだろう。不妊治療に力を入れれば少子化対策になるのか考察してみる。出生児数が70万人台であるのに対して、体外受精の出生児は約7万人であり、およそ10人に1人は体外受精で、人工授精やタイミング指導等のその他の不妊治療まで含めれば10人に2人くらいは何らかの不妊検査・治療を経て出生した赤ちゃんということになる。体外受精の場合は保険適応の年齢制限・回数制限があるが、保険で移植する回数が39歳までは6回、40~42歳までは3回というのは、不妊治療が自費だった時代の助成金の年齢制限をそのまま適応したものであり、今に始まった話ではない。なぜそのような年齢制限をつけたかといえば、医療経済的な側面はもちろんあるがそれだけではなく、当時の関係者の話によれば、妊娠率の観点から少しでも早い年齢から妊活を始めてくださいというメッセージであり、それなりに意味のあるものでもあり、実際に39歳あるいは42でかけこみで治療を開始する方も多いから一概に悪い面だけではない。でも43歳になったらいきなり体外受精は一切保険効きませんというのは、ちょっと世知辛いし、1回くらいいいじゃんという気もする。体外受精の保険適応には制限も色々あって、2人目に備えて胚を貯卵するのは保険じゃダメとか、1カ月あたり4回以上エコーしちゃダメとか、胚の保管料は妊娠中・育児中は自費とか、保険診療の精神は分かるけど、今そんなこと言ってられる状況なんですかね。2人目3人目に備えることだって大事なんだから、せめて受精卵5個貯まるまでは貯卵可能とか、採卵したら5年間は保険で保管更新可能とか、少子化だって言ってんだから、そのくらいしてくれたっていいじゃん!って毎日思う。ちなみに2022年に体外受精で生まれた赤ちゃんは7万7千人ですが、人工妊娠中絶の件数は12万2千件です。産婦人科医として働いたことがない方が人工妊娠中絶に対してどういうイメージをお持ちか分からないけど、破廉恥で不注意で、みたいなイメージかも知れないけど、全く愛がない妊娠なんて思ったほど多くはない。子供は欲しいと思ってたけどいざ妊娠したけどやっぱり育てられないとか、そういう人もたくさんいる。未婚カップルだけではなく、結婚しててもこれ以上育てられないから泣く泣く、ということだってたくさんある。ちゃんと避妊しろよと思う方もおられるでしょうが、信じられないでしょうが、確実な避妊の方法すらろくに分かっていない(うっすらは知ってるが間違ってる)カップル、あるいはピルはおろかコンドームの費用すら出すのが難しいカップルもいたりして、想い合った2人の間の妊娠ですら育てられないという選択をするカップルがいる現実に、いかに手を差し伸べるかも少子化対策の1つだと筆者は思うんだけど、これはなかなか難しいんだろうな。かといってフランスみたいに婚外子の割合が半分以上だみたいな状態が理想的とも思わないが、結婚や血のつながりという形にこだわって少子化を克服できた先進国はないわけで、多様な議論が必要なところまで来ていると思うんだけど、日本の社会背景を考えた時にそうした議論が熟成するのには何十年かかるやらという感じだろうし、どうしたものかといったところである。出産の保険適応+自己負担額0円というのは実現しそうなので、それだけでいきなり子供が増えるかは分からないけど、一時的な効果はあるとは思うので(その前に産み控えがありそうだけど)、現時点では不妊治療の現場が頑張るのと出産の保険適応に期待かな。ということで、今日は日本の少子化と、体外受精児の割合の増加について考えてみました。次回もお楽しみに。
こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。先月、オランダのアムステルダムで開催されたESHRE、ヨーロッパ生殖医学会に参加してきました。世界最大の生殖医療関係者の集まりです。会場もとても広く、慣れないうちは迷ってしまいます。文字通り世界中から参加者が来ているので、人種も服装も言葉も食べ物もいろいろです。学会での公用語は英語、訛りもさまざまでした。中心となる催しは、医師や培養士による新しい医学的知見の発表や、最新の機器や体外受精に用いる器具の展示などです。しかし、人数は少ないながらも心理学者や心理士のための勉強会・発表もあります。今年の心理学グループ勉強会のテーマは、・第三者が提供者となる生殖医療について・治療がうまくいかない患者さんのサポートについてでした。国によって宗教観も文化的背景も異なる心理職が集まっていましたが、心で感じることは同じです。悲しいことは悲しいし、次の周期の治療は心配だし、将来の希望が欲しいのも一緒。ただ、治療の選択肢については国ごとの事情が透けて見えました。保険制度の仕組みや自費での治療金額も様々。保険の体外受精は何ヶ月も待たなければいけない国、着床前診断が義務づけられている国もありました。そして、卵子・精子提供や代理出産が可能な国・州も。第三者からの配偶子提供と言っても、条件が細かく規定されています。宗教観も大きく影響します。第三者が関わる生殖医療は、可とされていることが世の先端を走っているわけではなく、みんなが納得するルールが必要です。十分に議論し、模索していかなければいけないと思いました。社会の受け入れのレベルによってもこうした事情は異なります。子供の有無や血縁の問題だけではなく、いろいろな家族や関係があって良いのだという価値観が広まれば、もう少し色々な家族の形に寛容な土壌が築かれるのではないでしょうか。アムステルダムは、この灼熱の日本からは想像できない涼しさ(寒さ)で申し訳ない気持ちにもなりましたが、おしゃれ用に持っていったスカーフ類を防寒具として巻いたりと、久しぶりに寒いのもつらいなと感じました。「ちょうど良い塩梅」というのはなかなか難しいですね。
偶然なんだと思いますが、最近、「実は鉄道シリーズのファンなんです!」という方に次々と声をかけられるようになりまして、「先生は何鉄なんですか?」と聞かれたりして、んー一応乗り鉄かなあと答えつつ、子供のころは西村京太郎の鉄道サスペンス読み漁ってたし、時刻表を何時間も眺めて旅した気持ちになったりとか、「鉄道ファン」という雑誌も結構読んでるし、意外と読み鉄かも。でも東武とか秩父のSLにも乗りに行ったし、銚子電鉄とか真岡鉄道とか小湊鐡道とか結構鉄分が濃い私鉄も乗ったり、JR東とか東京の地下鉄の電車だったら顔を見ただけで〇〇系〇〇番台とか言えるのも多いし、何鉄なんでしょうね。これ武蔵野線ですが、上が209系500番台、下はE231系なんですが、知らんがなって感じでしょうけどね。顔の色(白かシルバー)とか、走行音とか車内の案内設備(LEDか液晶か)とか結構違うんですよ。下記2つは別形式ちなみに下記(上)も209系0番台(元京浜東北線)です。武蔵野線209系と全然似てない。。どっちかというと京葉線の京葉線専用顔(俗称メルヘン顔)の205系に似ています(下記(中))。ちなみに上から順番に209系0番台、205系[メルヘン顔]、205系[一般顔]となっていて、外見と形式って、ほんと関係ないのね。。今は京浜東北線はE233系に置き換えられて、京浜東北線209系0番台は改造されて千葉以東の房総各線(成田線、総武本線、内房線、外房線)へ、そして、減便で少し余って来たので少し改造して今度は伊豆急行に一部売却されました。都内の中心路線で活躍していた車両が地方に中古車として飛ばされるのは結構よくある話です。上から順番に209系、205系、205系中央・総武緩行線(総武線各駅停車)なんてもっとわけがわからない。武蔵野線なんて、209系500番台とE231系で全然形式が違うのにあんなにソックリなのに、中央・総武緩行線(総武線各駅停車)の下記3つはどっちも全てE231系(一番上が0番台、まんなかが500番台で、これは今の山手線現役車両E235系の前に山手線に走っていた車両のお古を中央・総武緩行線に押し付けたやつ:ライトの形も含め違いが分かりやすいです、一番下は800番台で東西線乗り入れ用のJR車[津田沼-西船橋~中野-三鷹])です。中央・総武緩行線は混雑する割に昔からあまり新車を入れてもらえない不遇の路線なんですよね。上の2つが車体本体の上部がふくらんで車内が広くなっているのに対し、一番下の東西線乗り入れ用は避難用に前面に貫通扉があったり、車体のふくらみがなくて少しスリム(地下鉄内のカーブ等に対応した車体限界に対応した。千代田線乗り入れ用の常磐線JR車E233系なども同様)だったりと、もはや同じ形式にはとても思えません。全部E231系形式って、外見よりも走行性能とか安全性能とかそういうことを基準に決められているので、ことJR東の場合は外見はあんまり重視されないみたいです。ちなみに、山手線は今はE235系でその前が上記のE231系なのですが、そのさらに前に205系だったのですが、その205系も改造されて、いまだに末端支線で活躍しており、北は仙台・仙石線や西は富士急行で活躍しています。山手線205系は改造されてちょっと前まで南武支線と鶴見線でも活躍していたのですが、鶴見線は何を気に入られたのか、あんな場末の路線なのに新車を作ってもらってウッシッシ、一方、南部支線は、なんと新潟で使っていた車両が中古で首都圏に来るという誰もが驚く展開となり、あんなにたくさん走っていた205系を見る機会もめっきり減ってきました。閑話休題。で、新幹線です。東海道新幹線 京都~新大阪間って、阪急京都線と並走する区間があります。で、東海道新幹線の建設工事をする時に、阪急京都線の線路の高架化工事をすることになって、1963年の4月から8カ月もの間、先にできていた新幹線の開業前の線路を間借りして営業運転していたんです。つまり東海道新幹線の線路を最初の営業運転したのは、まさかの阪急京都線の電車だったんですね。というのも、日本の大半の通勤電車のレール幅が狭軌(1067mm)であるのに対して、阪急京都線のレール幅は新幹線と同じ標準軌(1435mm)だったのです。その結果こんなことが実現したのですね。無事に阪急京都線は高架化工事を終えて、その後新幹線が正式に走るようになりました。ちなみに、線路幅は新幹線と同じ標準軌(1435mm)である主な私鉄は、京成電鉄(新京成、北総鉄道)、都営浅草線、京急電鉄、東京メトロ銀座線・丸の内線、京阪、阪急、阪神、近鉄の一部、あと箱根登山鉄道です。銀座線と丸の内線は赤坂見附付近で線路がつながっているので、昔時々直通電車が走っていました(ただし車両が丸の内線のほうがちょっと長いので銀座線の電車が丸の内線を走ることはできるが逆は不可)。京王電鉄は特殊で全国的にも珍しい「馬車軌間」と呼ばれる1372mmで、京王線と直通する都営新宿線、都電荒川線、東急世田谷線ががこれに当たります。要は京王は路面電車規格なわけです。興味深いですね。これを読むと分かるように、都営地下鉄は、標準軌の浅草線、馬車軌間の新宿線、狭軌の三田線と、標準軌っちゃ標準軌だけどリニアモーターカーで全然規格が違う大江戸線と全然違う電車ばかり走っていてさぞ大変でしょう。大江戸線と浅草線は、大江戸線汐留と浅草線新橋間に連絡線があってつながっていて、大江戸線の車両は浅草線の馬込車両基地で検査を受けたりしています。ただし、大江戸線はリニアモーターカー(磁石で引っ張られる)ので車両本体にモーターがついていないほか、小さいので浅草線の電線までパンタグラフが届かないので浅草線内は専用の牽引車で引っ張っていきます(リンク先は結構有名な動画)。線路幅といえば、山形新幹線と秋田新幹線ですね。山形新幹線と秋田新幹線は新幹線とは名ばかりで、それぞれ福島、盛岡の先は在来線を新幹線車両が走ります(本来の取り扱い上は在来線特急と新幹線が直通してるみたいな感じ)ので、秋田新幹線は世界最高レベルの最高時速320km出せる新幹線車両がのどかな田んぼの真ん中を時速100kmで走っていたら鹿と衝突して遅れましたとか、山形新幹線には踏み切りがあったりします。しかし、もともとは線路幅が違ったので、直通区間だけ在来線のレール幅を1067mmから1435mmに無理やり広げる工事をして、在来線車両と新幹線車両が同じ線路を走っていたりします。この場合、在来線は1435mmの専用設計の車両を全部作り直してそのようにしているのです。一見問題なさそうなのですが、線路幅広げちゃうと、新幹線以外の他の線区と直通列車が走れなくなったり、貨物が通過できなくなったりするので良し悪しですので、一部区間は三線軌条になっていたり、あるいは元複線が、1つは狭軌、1つは標準軌にして単線2本体制になっている区間などもあります。ということで、新幹線と阪急からだいぶ話が逸れましたが、今日はレール幅について色々お話してみました。鉄道シリーズは書く苦労の割に「いいね」少ないのよね。皆さん応援よろしくお願いします。それでは次回もお楽しみに!
不妊治療をしていると、妊娠あるいた出産というゴール以外はマイナス体験の連続です。マイナス体験への耐性は個人差があり、相当なことがあっても心理的なストレスが少ない方と、周囲からみればさほどではないようなことでも大きなストレスを抱えてしまう方がおられます。できれば、マイナスの体験のことは忘れたほうがよいのですが、忘れるということ自体に罪悪感がある方もおられます。忘れるということに心理的な抵抗がある場合は、忘れはしないが意識しないようにしていく、という風に考えた方がしっくりくるかも知れません。突然話は変わりますが、「キリンがいないという絵」を想像してみてください。キリンが「いない」絵を書こうという題目であるにもかかわらず、一度はついキリン自体を想像した方も多かったのではないでしょうか。何かが存在しない、何かがない、あるいはそれを転じて、何かを忘れようとしても、それ自体を想像してしまうことは自然のことです。「何かが存在しない」という状態は人間にとってはとても高度な思考で、たとえば数字、古代から1、2、3というような概念は存在したのですが、「0(ゼロ、零)」という概念の歴史は他の数字よりはるかに浅く、0の発見は人間の大きな第一歩であったようです。「リンゴがない」というのと、「リンゴは0個である」というのは、状態としては同じですが、前者は数とかそういう問題じゃなくてリンゴ自体全くありません(リンゴの存在そのものを否定)という状態にも読めますが、後者は、リンゴ1個、2個という数を数える(リンゴ自体の存在は認めている)中で、数は0ですと言っているようにも読めます。There is not an appleと、There are no apples の違いみたいなもの?(ちょっとちがうか)岩波新書に、「零の発見」という本があります。筆者も読んだことがありますが、これは1939年発刊ですが、これが岩波新書の中で最も刷数が多い書籍ということらしいです。それだけ零の存在は大きいのでしょう。(岩波新書のラインナップもまあまあ個性的なので、他にベストセラーというような性格の本がないだけみたいな気もしますけど)閑話休題。ともかくキリンです。「キリンがいないという絵」を想像しようとしても、ついキリンを想像してしまうわけです。これと同じで、マイナス体験を忘れよう忘れようとしても、意識すればするほど、やはりついマイナス体験を思い出してしまいがちなんですよね。どんどん自分を追い詰めてしまいます。「考えても仕方がないことは考えない」と割り切って考えないようにすることができる人もいて、そういう人は余計な心配は時間の無駄、と割り切ってその通り行動できるのですが、多くの人は、忘れることに罪悪感があると、忘れたい・考えたくないという気持ちと、忘れちゃっていいのかみたいな気持ちがバッティングして苦しくなってきて、どんどん追いつめられて悪循環になってきます。不妊治療をしていて不妊治療のことを考えるなというのも無理な相談かも知れませんが、忘れようとするというよりも、自分で上手に気持ちを逸らす選択肢をたくさん持つと健康なメンタルを維持することができるのではないかと思いますし、そのほうが結果的にうまくいく早道なのではないかと思います。何か全然違う体験をしてみる、旅行をしてもいいだろうし、旅行に行くだけの経済的時間的余裕がない場合でも、ちょっと普通電車で1時間も行けば、たった数百円の交通費で自分が行ったことがない場所、したことがない体験ができる場所などいくらでもあります。乗ったことがない電車に乗るだけでも非日常を味わうことができるし、地元の人しか乗らないような路線バスの旅とか最高に非日常体験です。あるいは天気のいい日に公園に行って芝生で仰向けになって空見るだけで、もうなんぼでもリフレッシュするものです。先日筆者は、土砂降りの首都高をドライブしましたが(それは狙ったわけではなく、たまたま不運にもそうなっただけで、安全上はあまりお勧めできませんが)、その程度の体験だって、日頃の色々なことが頭から離れて新鮮な体験でした。あるいはkindleのサブスク登録してマンガや本を読み漁っても、Amazon Primeで映画にはまっても、YouTubeで、料理に凝りまくっても手品にはまってもヨガを極めてもいいだろうし、東京タワーを階段で登っても、カラオケで絶叫しても、食べログ見てB級グルメを食道楽しても、今の世の中いくらでもやりようはあるのですが、人間追い詰められてくると、だんだん行動しなくなってくるので、そうするとリフレッシュの選択肢も減ってきて、どんどん悪循環になってしまうんですよね。もし追い詰められてきたなと思ったら、この記事を思い出してみてくださいね。明けない夜はないやまない雨はない明日は別の日、がんばろう。
リプロダクションクリニック東京公式ブログをご覧いただきましてありがとうございます。当院へまだ通院されていない方もおられると思いますので、メール等でよくご質問いただく内容についてQ&A形式で回答します。①当院は土日祝日も含めて、毎日診療しております 当院は、年末年始の数日以外、原則として土、日、祝日も含めて毎日診療しております。曜日による診療制限もありません。お仕事をされている方が通院しやすいように、また、その方にとってのベストの日に診察を行うためです。祝日を除く火~金は、最終予約時刻18:30(採血がない場合は18:30が最終受付、採血がある場合は18:00が最終受付)まで診療しておりますので、お仕事帰りの受診も可能です。なお保険診療で採卵を受けられる方には予約時間の制限がございます。②すぐにご予約いただけます ご予約は、男性・女性とも、まずお電話いただきご予約の日程をご相談いただきます。スピーディな検査・治療のため、初診予約は、ほとんどの場合、数日以内にはご予約いただけます。ご希望の日程がお決まりの場合は、早めにご予約ください。その後、初診サマリーを初診日までにご送付いただくようお願いします。 男性の場合はいつご予約いただいても構いません。女性の場合は、1ヶ月かけて様々な検査を行うことになりますので、ご都合のよい時に、まず一度ご来院いただくようにご案内しております。なお、オプション検査希望の場合で、慢性子宮内膜炎検査をご希望の場合は、月経終了後~月経開始10日以内にご来院いただければ、通常であれば初診当日に慢性子宮内膜炎検査が実施可能です。③雨にぬれず駅直結で通院できます リプロダクションクリニック東京は新橋駅および汐留駅から地下通路で直結しており、気候に左右されず快適に通院していただけます。ビル内には、スターバックスやタリーズ、コンビニエンスストア、休憩スペース、銀行や郵便局等があるほか、ビル内には各種レストランが豊富に入居しております(待ち時間の外出が可能です)。 また、リプロダクションクリニック大阪はJR大阪駅とデッキで直結しており、こちらも気候に左右されず快適に通院していただけます。ビル内には、タリーズ、コンビニエンスストア、休憩スペース等があるほか、ビル内には各種レストランが豊富に入居しております(待ち時間の外出が可能です)。④保険採卵について 当院では保険適応による採卵・移植を行っております。またご希望あるいは必要があれば、卵子活性化やエンブリオグルーなどの追加の保険治療に加えて、IMSI、PICSI、ZyMot、タイムラプス培養、SEET法、二段階胚移植などの先進医療との併用も可能です。⑤最先端の自費治療も可能です 保険の範囲で結果が出なかったり、回数や年齢をオーバーした方向けの自費診療も充実しております。FSHが高い方へのFSH調節法、抗セントロメア抗体に対する治療、受精障害に対するpolscope法やダブルAOA、着床障害に対する各種検査や治療等を行っております。なお、東京都港区等、一部の自治体では、以前と同様の自費採卵に対する助成金が継続しております。 自費の「採卵周期開始~採卵後診察」、および「移植周期開始~妊娠判定」まで診察は医師のご希望を承っております(ただし18:30枠および土日祝日の午前中は対象外)。⑥セカンドオピニオン目的での受診、オプション検査のみの受診が可能です 一般不妊治療、高度生殖医療(体外受精)、着床不全検査(オプション検査)・治療、不育検査・治療、男性不妊などあらゆる検査・治療が1つのクリニックで行えますので、できましたら全て当院で実施していただくことをお勧めしておりますが、遠方であったり、また他院に胚が残っている、治療内容について悩んでいる等、セカンドオピニオンあるいはオプション検査のみで受診されることも可能です。⑦当院には男性外来専門医が常駐しております 常勤の男性不妊専門医が専門的な診察を行います。男性だけ他院で検査する必要はありません。⑧男性手術ができます 当院での精索静脈瘤手術は、日帰り保険適応です。長い待ち時間などはありません。 TESEについても、手術において必要な検査がすめば、すぐ手術日程をご案内できます。 リプロ東京の男性外来は、水・木・土・日曜日です。 リプロ大阪の男性外来は、月、木、金、土、日曜日です。 いずれも、なお土日のみでも十分通院が可能です。⑨紹介状は必須ではありません あれば参考になりますが、ある程度の経過が分かれば必須ではありません。⑩遠方でもご通院いただけます 当院には、北海道、東北、甲信越、北陸、中部地方から多数の患者様の通院実績がございます。海外在住で一時帰国して通院される方もおられます。なお、西日本の患者様は、リプロダクションクリニック大阪への受診も可能です。⑪一般不妊治療も可能です 各種ホルモン検査、子宮卵管造影やフーナー検査、タイミング指導、人工授精をはじめとする一般不妊検査・治療も積極的に行っており、通院されている方の何割かは一般不妊治療中の方です。遠慮なくご来院ください。⑫専門的な不育症検査・治療ができます 専門的な不育症検査・治療が可能です。不妊治療のみ行う、不育症検査・治療のみ行う施設が多い中で、両方同時に行える施設は貴重であると考えます。流産、死産、化学流産等でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談にいらしてください。⑬卵子凍結も可能です。東京都の卵子凍結助成施設です 卵の生存率は90%前後と好成績です(一般的に受精卵より生存率は低下します)。⑭卵管閉塞に対する手術は行っているか 当院では卵管閉塞に対する卵管鏡下卵管形成術(FT)を行っております。⑮その他 初診日は医師のご希望をお伺いしております。 当院では一律の年齢制限等は行っておりません。 他に法的なパートナーがいらっしゃらないことの公的証明が可能であれば未婚でも治療は可能です。 基本的には、ご夫婦での受診をお勧めしておりますが、まずは男性のみ・女性のみの受診も可能です。 他院の検査結果は採用可能なものもあります(そうでないものもあります)。なお、予約の方法は、先にお電話いただいて日程を確保した上で初診サマリーを初診までにお送りいただいております。詳しくは下記をご覧ください。 女性初診案内:こちらをご覧ください 男性初診案内:こちらをご覧ください なお、リプロダクションクリニック大阪は上記と多少異なります。詳しくは、リプロダクションクリニック大阪の初診案内をご覧ください。 初診に際して事前に知りたいことがある場合は、ホームページのお問い合わせフォームよりお問い合わせください。また、当院で妊娠治療説明会をWEB開催しております。現在はお申込制となっておりますが、ぜひご覧ください。『妊娠治療説明会(WEB版)』リプロダクションクリニック東京・大阪では、不妊症でお悩みの方やこれから人工授精・体外受精を受けようと考えておられる方のために、 毎週末(土曜日10:00~翌 …ameblo.jpリプロダクションクリニックは、新しいご家族をお待ちになる全ての皆様に1日も早く良い結果をお届けできるよう、チーム・リプロ一丸となり、質の高い医療を、誠心誠意ご提供いたします。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
台風7号の影響はそれなりに大きく、東海道新幹線は8/16東京-名古屋間で丸一日運休、JR東の各線も運休が相次ぎました。その割に私鉄は結構頑張るなと思った方もおられるかもしれません。特に、京急と京成はJR東と並走しているだけにJR東との対応の差が目立ちます。しかし、これには理由があるのですが皆さんご存じでしょうか。そこで今日は2005年まで時間を戻して、JR東の黒歴史について振り返ってみたいと思います。2005年4月25日のJR西日本宝塚線の脱線事故の記憶もまだ新しい、2005年12月25日 それはクリスマスの夜19時過ぎ、山形県東田川郡庄内町のJR東日本羽越本線 秋田発新潟行き特急 いなほ14号(6両編成) が脱線事故を起こしました。強風と吹雪といった悪天候の日のことでした。上記の写真のように全車両が脱線し、うち3両が転覆、先頭車両が線路わきの養豚場に突っ込んで大破し、死者5名重軽傷32名の大事故となりました。当時の消防や警察が全県をあげて不眠不休で救助にあたり、また山形県立日本海病院は、速やかに医療チームを現場に派遣した上で自院に全医師を招集して懸命な治療にあたり、高い評価を受けました。事故当日の風速計は秒速約20m程度であり、途中徐行するなど安全確保に十分な対策を取って運用していたほか、事故現場でも本来であれば時速120kmで走行するところを、運転士の判断で、それより遅い時速100km程度で走行していたことが分かっています。にもかかわらず、毎日新聞は翌々日の社説で「突風とは言いながら、風の息づかいを感じていれば、事前に気配があったはずだ」という意味不明なことを根拠に、この事故は「利用者への背信行為であり、取り組みの姿勢や関係者の意識を疑わずにはいられない」として、事実上人災ではないかと断罪し、事故原因の調査が始まってもいない段階で想像でこういうことを書く姿勢に日本中から非難が殺到し、さすがにまずいと思ったのかその後の検証記事を出した中で一応は反省を見せつつも「社説は学術論文ではない。記者の感情が高ぶり、憂慮が表れるのは当然。社説に冷静さのみを求めるのは誤りだ」などとした開き直った記事まで載せてしまったものだから火に油(世論の息づかいを少しでも感じていればこんなアホなこと書かかずにすんだのに、それは感じなかったんですね)、「風の息づかい」は鉄道マニアの中では一躍トレンドの言葉となりました。実際、その後の最終的な調査でも秒速約40m程度の竜巻(突風)が吹いたことが直接の事故原因だが、突風の予測は当時不可能だったと結論付けられ、あらためて記事への批判が噴出しました。いずれにしてもこの事故で、事故車両の撤去まで1週間、運転再開まで1カ月を要したものの、当該区間は約1年もの間、本来であれば時速120kmで走行できるところを時速45kmで走行するなど影響は大きく、その間にJR東日本は100億円を投じて管内の安全対策を講じたほか、JR東日本のホームページには、事故後5年以上の長きにわたりトップページに事故に対するお詫びが大きく掲載され、その後もしばらくの間は、トップページにお詫びページへのリンクが張られていました。今はさすがにそこまではしなくなりましたが、「重要なお知らせ」にリンクは残っているなど、JR東日本にとってはトラウマといってもよい大事故となりました。風速計の設置や様々な報告体制、防風柵の設置などに加えて、この事故以来、JR東日本は列車運休の基準を風速30mから風速25mに強化しました。多くの私鉄の列車運休基準は風速30mのままですので、JRは止まっているが並走する京急や京成走っているという光景がよくみられるようになりました。風速に対する運休基準の違いが、「JRはすぐ電車を止める」という理由の1つです。安全基準を設けてその中でギリギリまで頑張って動かしても、公共交通機関であるにもかかわらず安全を軽視する姿勢は許せんとか絶対言われるし、ギリギリまで走らせてその後急に運休すると駅が混雑して駅員にキレる変な人とか絶対いるし、安全確保した上で頑張っても報われないから無理はやめて余裕を持って、止めすぎなくらいの計画運休が色々な意味でアンパイということなのかも知れません。また、別件ですが、東京メトロ東西線も、1978年2月28日に鉄橋の上で脱線転覆事故を起こして大変なことになったため、東京メトロの他の路線の地上区間は風速30mで運休しますが、東西線だけは風速25mで運休します。やはり、過去に事故を起こした会社や路線では慎重にならざるを得ないのです。もちろん、安全は何物にも代えがたいものであることは言うまでもありませんが、行き過ぎた安全至上主義が全て正しいみたいなってしまうと、ちょっと風が吹いただけですぐ電車を止めることになってしまい、日常生活が影響してしまいます。当然どこかで線を引くことになるのですが、過去の苦い経験からJR東はより慎重な安全基準を取っており、すぐに電車を止める悪いクセがあるように見えてしまうのです。東海道新幹線が昨日全面運休したのは恐らく少し事情は違って、一本でも動かせばあてにして大人数が並ばれることは間違いなく、お盆で混乱に拍車がかかることは想像に難くないので、電車自体は安全に走らせることができても、駅や車内のマネイジメントが不可能と判断し、最初から1日運休して諦めてもらいたかったのでしょう。医療も安全は大切ですが、鉄道の安全確保もなかなか大変だなとあらためて思います。明日もまだ強い風が吹く地方があると思います。お仕事やお出かけの方は、どうぞお気をつけてお出かけください。明日は明日の風が吹く。今日も1日がんばりましょう!
九州と神奈川で最近大きな地震がありました。この地震大国日本において、たった十数年前にも東日本大震災クラスの地震が来て記憶にないわけがないのに、1年2年たつごとに記憶と危機感が薄れ、、、という方も多いのではないかと思います。しかし、甚大災害は、来るものだと思って備えるに越したことはありません。(筆者は防災マニアなので、電気水道ガス全部止まって買い物一切できなくても頑張れば3週間は暮らせますが、こんな人は少数派でしょう)。そこで今日は、妊活や妊娠子育てにスポットを当てて災害について書いてみようと思います。基本的に震度5弱以下であれば、地域や地盤、天候、その地域の災害対策度合いにもよりますが、停電しないかしてもせいぜい半日程度、電車も数時間から半日くらいは止まるかも知れませんが、生命にかかわるようなレベルになることは稀で、大局的に見れば大したことはありません。震度5強くらいになってくると、少し雲行きが怪しくなり、震度6弱くらいになると、インフラが影響してきます。停電、断水、そしてガスが止まります。インフラが止まった場合、電気(数日~1週間)→水道(1~2週間)→ガス(2~4週間)の順に復旧します。水道が止まった場合、給水車などが来ることもありますが、甚大災害だと数日程度かかることもあります。つまり、とりあえずの対策としては、電気・水道・ガスの全インフラが停止しても3日くらいは何とか生活できる備えをしておくのが最低ラインです。人間、1週間くらい何も食べなくても水さえあれば問題なく生きていけますが、ただでさえ極限状態であり、復旧作業や肉親捜しなど色々やらなければならないことがある中で空腹で数日耐えるのはなかなか大変です。妊娠中や子育て中であればなおさらです。最近の非常食は5年くらい持ち、味もだいぶマシになってきたのでそれでもよいのですが(楽天市場などで、災害食料備蓄セットみたいなものも売ってたりしますが)、アルファ米といって水を入れるだけで食べられるお米みたいなやつが多いです。しかし、カセットコンロと鍋と米があればご飯炊けますので、カセットコンロとボンベ10本くらい(ガスは一度止まると下手すると月単位で復旧しないので、もっとあってもよい、ちなみにカセットコンロ用のボンベで暖まるストーブなどもある)、水の備蓄は基本として、あと米はできるだけ切らさないように常に5kgくらい余計にストックしておくようにすると、あったかいご飯で当座をしのぐことができます。レトルトカレーなんてあると最高ですが、極限状態の身には「のりたま」でもごま塩でも十分胸に沁みます。お湯があると、顔を洗ったりお茶飲んだりくらいできるので、カセットコンロは意外と重要です。なお、カップラーメンは意外と賞味期限が短いほか、脂が悪くなるのでしょう、賞味期限が切れると見違えるように不味くなるので、災害備蓄としてはあまりお勧めではありません。水が貴重なので洗い物はできるだけ避けたいので、紙皿大量に用意するか、あるいはサランラップでお皿を包んでサランラップをはがすようにすると洗い物がなくなります。またウェットティッシュ等がたくさんあると、フォーク・スプーン・箸・コップをふくことができます。好き嫌いもあるでしょうが、ウォーターサーバーがあると良いローリングストックになります。使わないよとお思いでしょうが、ウォーターサーバーからお湯が出ると、ヤカンいらくなる(お茶コーヒーカップラのためにお湯を沸かすことがなくなる)ので、意外と便利です。ただし、停電しても水が出る機種にしましょう。時期にもよりますが、子育て応援プランとかプレママプラン的なものを用意している企業もあります。また基本料金はあるけど月々の購入ノルマはないとか、逆に基本料はかからないけど毎月何本必ず買えとか、宅配業者による宅配か専門業者が来るとか、配達曜日とか色々特徴もありますので、よく比較するとよいと思います。ウォーターサーバーがあると水のストックがギリギリになるということが基本なくなり、ギリギリになるまで買わないとかしなければある程度の水のストックは確定しますので安心です。あとは水洗トイレが使えなくなることに備えてベランダにプランターと、あと「大」のために消臭剤つきの簡易トイレがあると安心です。震度6強になると、さまざまなお店の開店の目途が立たなくなるのと、流通が止まります。また、やっているお店も必要なものはほぼ買い占められていると思ったほうがよいです。誰かに何か送ってもらうとかも基本期待できません。また、ガソリンスタンドも機能停止しますので、車にもあまり期待はできません。車はできるだけマメに満タンにしておくのがお勧めです。本棚や食器棚にツッパリしたりテレビや電子レンジに耐震マット貼ったり、食器棚に耐震ラッチつけておくと地震が来たあとの片付けがすごくラク、一度やれば次引っ越すまで放置でいいわけなので、このくらいはやっておいたほうがいいです。あとはスマホの充電ですね。筆者はキャンプ用のバッテリー買って年4回ちゃんと充電と動作確認してますが、そんなことしなくても、Amazonで投げ売りしてる10000〜20000mAhくらいのモバイルバッテリを何個か揃えておけば十分です。あとは古いスマホもとりあえず定期的に充電しておくと最低限SIMを入れ替えれば電話やSMS、SNS、MMSくらいできます。電池で動く扇風機、携帯ラジオくらいあると素敵です。ただ、日本で暮らす以上、ビクビクしていても仕方がないというか何もできません。必要以上に怯えず粛々と日々過ごすのも大切です。
今日は妊娠判定時のβ-hCGが低い時[後編]です。β-hCGが低い場合の鑑別診断は以下のようになります。①【子宮内に妊娠】子宮内妊娠→継続→出産子宮内妊娠→流産子宮内妊娠→化学流産(生化学的妊娠)②【子宮内だが異所性妊娠】子宮頸管妊娠子宮卵管角部妊娠③【子宮外に妊娠】卵管流産卵管妊娠→成長→発育停止卵管妊娠→成長→心拍確認卵管妊娠→成長→卵管破裂→腹腔内出血その他の子宮外妊娠(腹膜妊娠、卵巣妊娠等)ここで、子宮頸管妊娠や子宮卵管角部妊娠は子宮内妊娠といえば子宮内妊娠ですが、基本的には妊娠継続が困難と判断されますので、妊娠継続可能なのは①のみであり、こうしたことを想定して学術的には、上記の②と③を合わせて「異所性妊娠」と表現してまとめて議論することが多いですが、ここでは頻度の低い②については触れず、子宮外妊娠の用語で解説を続けます。子宮内の妊娠であり、胎嚢がエコーで確認できれば、それが順調かどうかはエコーを見れば分かりますので、順調かどうか自体も大事ではありますが、たとえ流産であっても診断自体は容易であり、あまり問題にはなりません。問題は子宮外妊娠で放置すれば、腹腔内で妊娠部位が破裂して大出血となり、最悪の場合は死に至る可能性もなくはありませんので、早めに子宮外妊娠なのか否かを鑑別することが重要となります。子宮外妊娠だったとしてもエコーで子宮の外に胎嚢が確認できればいいのでは、とお思いかもしれません。しかし、子宮内は非常に狭く、周囲を子宮筋層に囲まれているために胎嚢があればすぐに分かるのですが、卵管の周囲には腸や血管がうごめいており、ある程度の大きさにならないと子宮外にある胎嚢をエコーで特定することは子宮内ほど容易ではありません。また、できることなら子宮外にエコーではっきり見える前(=破裂リスクが高まる前)に診断しておきたいという事情もあります。つまり、子宮内にも子宮外にもエコーではっきりした所見が見られない状況で、「化学流産に至る状態」なのか「これから子宮内に胎嚢が見えてくる前段階」なのか「子宮外妊娠」なのかを推定しなければなりません。ここで参考になるのがβ-hCGの値と上昇速度です。では、血中β-hCGがどのくらいの値だと子宮内に胎嚢が見えるのでしょうか。これは個人差が非常に大きく難しい判断です。早いとβ-hCGが500mIU/mL程度でも子宮内に胎嚢が見える場合もありますし、遅い場合だとβ-hCGが4000とかあるいはそれ以上になって初めて子宮内に胎嚢がはっきり確認できることもあります。逆に言えば、β-hCGが4000を越えても子宮内に胎嚢が見えなければおかしいので、消去法で子宮外妊娠を濃厚に疑うことにはなるのですが、β-hCGが500~4000程度の間だと、どちらの可能性もあるということになります。その他の判断基準としては、子宮内妊娠の場合は、β-hCGの上昇は1日1.5倍弱、2日で2倍くらいになることが多いのと、子宮内膜が比較的厚いのが特徴的です。一方、子宮外妊娠のほうがβ-hCGの上昇速度は相対的に遅く、子宮内膜も子宮内妊娠の場合ほど厚くないことが多いです。また、ホルモン補充周期の凍結融解移植、あるいは胚盤胞移植であることはより子宮内妊娠の可能性が高く(頻度0.2~0.4%程度)、自然周期の凍結融解胚移植もしくは新鮮胚移植、あるいは初期胚移植であることは相対的に子宮外妊娠の可能性が高まります(といっても1~2%程度)。また過去に子宮外妊娠をしたことがある場合、卵管狭窄や卵管閉塞の既往がある場合は子宮外妊娠の可能性が高まります。こうした様々な条件を考慮しながら、β-hCGの数値や上昇速度、エコーの所見も踏まえて子宮内妊娠ということでよさそうなのか、子宮外妊娠をより濃厚に念頭に置く必要があるのか数日おきに経過観察していきます。途中でβ-hCGが下がってくる場合は化学流産もしくは卵管流産ということになりますが、β-hCGが上昇を続けて決め手に欠ける場合は、より子宮外妊娠を疑う場合は腹腔鏡手術で腹腔内の観察を実施します(入院して総合病院のみで実施可能)。子宮内の可能性もありそうなら、子宮内膜掻爬術を実施します(クリニックレベルでも実施可能)。内膜掻爬をすれば子宮内妊娠の場合は、ほぼ確実にβ-hCGの数値は下がりますので、下がらなければ子宮外妊娠ほぼ確定ということになり、総合病院で腹腔鏡手術をすることになります。クリニックでどこまで様子を見て、どの時点で総合病院に紹介するのかはクリニックの考え方や周囲の総合病院の状況によっても異なってくることになりますが、1回の診察で簡単に判断できるものではなく、このように子宮外妊娠の場合は決め手に欠ける中で様々な要素を考慮し、日々変化する条件を考慮に入れながら推定していきます。最終的には、β-hCGが下がるか、胎嚢が見えるか、内膜掻爬するか、腹腔鏡手術をするか、そのどこかで最終的な診断がつくことになります。ということで、シリーズで妊娠判定とhCGの数値じついてお送りしてまいりました!ありがとうございました。こんなことが知りたい等があれば、ぜひメッセージかコメントをお寄せください。『シリーズ 妊娠判定【1】妊娠判定とβ-hCG値』体外受精・胚移植の集大成は胚移植、そして妊娠判定です。もちろん、色々な事情で結果が出ないこともあるし、そこにどんな原因があるのかも千差万別ではあるけれど、とも…ameblo.jp『シリーズ 妊娠判定【2】妊娠判定時のβ-hCGが高い時』シリーズ2記事目は、妊娠判定時のβ-hCGが高い時についてです。一般的には妊娠判定時のβ-hCGは高い方が胎嚢確認率・妊娠継続率が高いことが知られています。…ameblo.jp『シリーズ 妊娠判定【3】妊娠判定時のβ-hCGが低い時[前編]』お待たせいたしました。今夜は妊娠判定時のβ-hCGの値が低い時についてです。値が低くても妊娠継続することはあり得ます。4w2dでhCGが8程度あれば出産まで…ameblo.jp『☆hCGの増加率が低い場合』妊娠判定日のhCGが低めで、かつhCGの増加率が低い場合に諦めてしまう方(医師および患者さん)がおられると思います。そんな方へ「諦めるにはまだ早い」という論文…ameblo.jp
体外受精では、より多くの卵胞を育て、1回の採卵で複数の卵子を獲得するために卵巣刺激(排卵誘発)を行うことが多いです。卵巣刺激(排卵誘発)を行う上で避けられない副作用が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。OHSSは、体質や排卵誘発剤の量や種類等により引き起こされます。防ごうと思えば、排卵誘発剤を減らせば減らすほどリスクを減らすことはできます(究極的には自然周期であれば絶対ならない)が、排卵誘発にはメリットもありますので、そのバランスが問題となります。極端な例えかも知れませんが、車は便利なので人間社会においては必要であり避けられない移動手段だが、交通事故をゼロにすることは不可能で、交通事故をゼロにしたかったら車に乗らないしかない、みたいな部分があります。しかし、車においても、シートベルトをするとか交通ルールを守るとか、色々な方法で事故を減らしたり、仮に事故が起こっても影響を最小限にする努力は色々あるわけで、OHSSについても、排卵誘発をする限りリスクをゼロにはできないものの、できるだけ副作用を起こさないように排卵誘発する努力をすることはできます。注射をしているとお腹が張ってきますので、採卵前の症状を「これはOHSSなのでしょうか」と質問される方がおられますが、一般的にはこれは卵胞が複数育っていることにより圧迫されているだけです。お腹の張りの原因は各段階によって原因が異なります。採卵前は卵胞が複数育っていることによる圧迫症状、採卵当日から2日目くらいにかけては卵巣出血(採卵においてはお腹の中の卵巣を止血する方法がないので、どうしても血が止まりにくく、お腹に血がたまってしまうことがある)、採卵5~7日目の症状がOHSSと考えます。OHSSになると卵巣が8cm以上、あるいは腹水が一定以上貯留するなどのエコーの所見と、採血で血液濃縮が起こっていたりするのが特徴で、さらに悪化すると稀に血栓症等が生じることもありますが、先手先手で予防薬を使うなどすれば、そうしたことを最小限にする努力はできます。当院では卵胞数や採卵決定時のE2を参考に、採卵決定の段階でOHSSの予防薬を処方することにしております。大半のOHSSは採卵後1週間もすれば峠を越しますが、新鮮胚移植で妊娠していたり体質によっては症状が遷延することもあります。また、エコーや採血ではまあまあ重症なのに自覚症状が乏しい場合、逆に本人は苦しいと言うがエコーや採血の結果を見る限りは大したことはない場合などもあります。基本的には検査結果を重視しますが、症状が重い場合は症状ものみながら対応を考慮していきます。ということで、今日はOHSSについてご説明いたしました。次回もお楽しみに。
先日大阪勤務をしておりましたら、ブログのファンですという患者さんにお会いすることができまして、最近鉄道シリーズ書いてないけど、あれ好きなんて書いてください、ほらこないだ東海道新幹線止まったし、というようなことを言われまして、そういえば最近書いてないなと思い立ちまして重い腰を上げることにしました。東京大阪間の移動のシェアは、鉄道は1日250本でシェア86%、飛行機は1日98便で14%ということになっています。意外と飛行機多いなって思いますが、東京側は成田と羽田、大阪側も伊丹と関空があるのでそのくらいはあるのかも。飛行機は慣れちゃえば飛んでる時間も少ないのでラクですが、新幹線より時間が不正確だし、保安検査場の混み具合も読めない、あるいは飛行機は急な時間変更(便変更)への柔軟性が乏しいことから、新幹線のほうがよい面もあります。それにしても先日、急に東海道新幹線が1日止まったのには参りました。一応新幹線や駅には色々な備蓄はありますが、災害に備える意味では新幹線に乗る際は、ぜひ、「N700S」系に乗るようにしましょう。東海道新幹線には、N700A、N700A、N700Sの3種類の車種が走っています。昔は700、N700も走っていましたが今は引退もしくは改造となり上記3種類となっています。え、全部N700で同じじゃないの、と思った方は素人です。N700Aは、もともとN700だったのを改造してN700A化したもので、N700AはもともとAとして新作として作られたものです。N700Sは座席やサスペンションなどの改良で乗り心地も向上し、騒音も少なく、普通車にも窓際だけでなく全座席でコンセント設置がつくなどもあるのですが、なんといってもN700Sの目玉はバッテリー走行システムです。停電しても一定距離を走ることができたり、そして停電時でもトイレが使用できるというものです。新幹線や飛行機で移動するのに、とりあえず予備の水分とモバイルバッテリーを持参するのは基本(だと筆者は思っている、夏場は扇風機も)ですがトイレだけはどうにもならない。今は、EX予約という新幹線のモバイル予約アプリで、その新幹線が「S」かどうかを確認して予約することができますので、私は自分が乗りたい電車の前後にSがあればできるだけSを選択するようにしています。ちなみに、バッテリー走行システムは横須賀線の新型車両にも搭載されています(E235系)。山手線も同系列の列車が走っていますが、残念ながら山手線は対象外。よく電車が止まった時になかなか客を線路に降ろして歩かせないと文句を言う方がおられますが、周囲に走っている電車がおらず全部止まっていることや線路上の安全確認、そして1人でも線路上に降りたら全員がちゃんと目的地に着いて線路内には誰もいないか等確認することが多いため、安易に線路を歩かせると事故や運転再開の遅れのリスクになってしまうため、鉄道会社としても準備に時間を要するのです。その点、バッテリ走行システムがあれば停電しても隣の駅まで電車ごと行けるので、こうしたデメリットを克服できるわけです。首都圏主要路線で一番古いのは東海道線のE231系(ドアの内側が銀色で、ドアのガラス窓の角が丸く、行先表示が赤と緑の表示のもの、ちなみにE233系はドアの内側が白く、ドアのガラス窓の角が角ばっていて、行先表示がフルカラー)ですが、一時期はE235系への置き換えへの噂もあったのですが最近の半導体不足の影響もあってもう少し使うことになるのではとの噂です。中央線快速のE233系も、まもなく車齢が25年近くとなり、グリーン車導入に際してE235系で置き換えた上でグリーン車を導入するのかと思いきや、今の車両にそのままE233系グリーン車を新造して差し込むようですし、南北線も車齢20年前後の9000系6両編成を8両化するにあたり、2両を新造してそのまま差し込んだ(車齢が20年近く違う電車が混在している)りと混沌としている。もっとも山手線も、もともとE231系だった時代に1両が6扉車だったのですが、ホームドアを設置するにあたり6扉車を4扉車にするために1両を新造したのですが、それがまだ新しかったため、E235系を導入する際に新しく作った1両だけを塗りなおして改造してE235化してつないじゃったみたいなことがあります。よく見ると天井雨どいの形などが違います。さて脱線が激しくなってきましたので、今日はこのあたりで。
お待たせいたしました。今夜は妊娠判定時のβ-hCGの値が低い時についてです。値が低くても妊娠継続することはあり得ます。4w2dでhCGが8程度あれば出産まで行く可能性はゼロではありません。理論的には、3w5dで判定するなら5未満でも出産に至る可能性があるということです。実際、数値が非常に低いと思われたがその後出産に至った方々は、最初から「可能性低いけど出産まで行くかも!」と分かっていたわけではなく、実際には判定時にまさか出産まで行くとは患者さんも担当医も誰も思っていなかったわけですが、様子を見ているうちに数値が上がって行ったということになりますので、万一の継続の可能性は念頭に置いておいたほうがよいと思います。β-hCGの数値が低い場合は、多くは化学流産(生化学的妊娠と言った方が学術用語っぽいが)、あるいは胎嚢くらいは見えるが流産に至ります。たまに心拍まで見えることもありますが多くは期待に反して流産となり、その中でもごく一部が出産に至ります。そして場合によっては子宮外妊娠ということもあり得ますが、子宮外妊娠も手術や薬物療法を要する場合と、卵管流産といって経過観察のみで済む場合があります。しかし、判定時の数値が1桁(10未満)かいいところ数十程度の場合、上記のうちのどれであるのかの判断はなかなか難しい。エコーでは、β-hCGが1000くらいでも胎嚢が見えることも中にはありますが、多くの場合は3000くらいないと見えず、それまでの間は、β-hCGの数値とその推移、あとは卵管の所見等から推理するしかありません。胎嚢が見えた後は数値が高い時と同じ、胎嚢が見えなくてもβ-hCGの数値が下がってくるようであれば化学流産と診断することになりますが、問題は子宮外妊娠です。子宮外妊娠は、エコーで、卵管など子宮の外に妊娠しているのが分かるまで様子を見るのはやや危険なので、できるだけ早く推定して診断したいところです。では、子宮外妊娠なのか、子宮内への着床なのかはどのように区別していくことになるのでしょうか。[後編に続く]
小池百合子知事が3選を決めたが、第1子から保育園の保育料を無償化するとか言って千葉県知事から「まだやるの」とか言われたとか。もともと第2子から所得制限なしで保育料無償だったんだけど、それを第1子からやっちゃおうというわけだが、オーストリアの国家予算並みの財政規模がある東京だからできるわけで、そこまでの予算が組めない他県から見たらズルいと言いたい気持ちも分からなくはないけど、東京都は合計特殊出生率が0.99と1を切る0.99ショックが判明したばかりで後がないわけで、そうでなくても少子化問題がこれだけ叫ばれる中で、千葉県知事も脇が甘いこと言いますな。東京都は、今は医療費も高校生まで無償(正確には中学生までは完全無償、高校生のみ通院1回200円の自己負担[入院は無償])だけど、横浜なんて中学生の医療費無償が去年ようやく実現したものの高校生はいまだに3割負担。東京都はその他にも、18歳以下の子供1人あたり年間6万円を所得制限なしで支給したり、給食費を無償化している区も結構あったり、小中高等学校の普通教室の冷房普及率も100%だったり、不妊治療に対しても卵子凍結の助成や先進医療に対する助成、一般不妊検査や不育検査に対する助成など、結構色々やってると思うんですけど、それでも0.99なのかーって感じ。出産は今後保険適応になる見通しで、3割負担分についても無償化されるとかされないとか議論されている。体外受精の時もそうだったけど、保険適応化は自由度が下がることを意味するので高度な検査とか付加サービスがしにくくなり、サービス低下につながる可能性もあるし、それだけで大幅に子供が増えるかは疑問だけど、それでもインパクトあるよなあ。少子化の原因は色々あると思うけど、経済的な問題もあって若い世代の婚姻率が低いことと、女性が社会進出するようになったのに、子育てとの両立が制度的に追いついていないこと、日本人が世界でも異例なほど結婚しないと子供を作らないことであり(海外では婚外子率5割以上の国も結構ある)、子供がいる世帯の子供の数自体はあまり減ってないので、本気で少子化対策しようと思ったら、結婚して1年たったらお祝い金として現金100万円&子供産んだらアカチャンホンポとベビザラスの共通ギフト券100万円分プレゼント、アマゾンプライムもしくはYouTube Premiumどちらか一方10年間無料、小中学校入学時には入学準備として20万円プレゼント、子育て世代は公営住宅家賃と光熱費半額でいいですとか、東京都内の公共交通機関の小児運賃完全無料、年間1回に限り家族での国内旅行は楽天トラベルで50%ポイント還元とか、これ全部やったらさすがインパクトあると思うんですけど、さすがの東京都でも無理かな。反対もありそうだし。ということで?小池知事に提言ですが、せめて体外受精を含む不妊治療の3割負担部分と、回数や年齢制限を超えた自費の体外受精に対してもあと3回くらい、助成してもらえませんかね、小池さん!(港区は独自に自費体外受精に対しても助成してます)注)これはリプロダクションクリニックとして公式にまとめたものではなく筆者の個人的な見解です。ご了承の上お読みください。
七夕だから何か書かないと、と思いつつ、もうこんな時間。願い事どうしよう。幸せになりたい、なんておっしゃる方もおられるが、幸せというのは、なるとかならないとか振ってくるとか、そういうことではなくて、自ら感じるもの。生きていれば、いくらでも欲は出るし、大小の不満は次から次へ湧いてくる。広い世界を見渡した時、安全や食べ物をはじめ何もかも恵まれた日本に生まれ、雨風しのげる家があり、少しでも自分が誰かの役に立てる仕事があったとすれば、そうではない環境の人から見れば十分幸せなんだろうけど、いつしかそれが当たり前になり、幸せに感じなくなったりする。それが人間というものでもある。でも、本当はたくさんの小さな幸せに囲まれているはず。家族や恋人がいるのなら、行ってきます、ただいま、いただきます、ごちそうさま、今日はどんな一日だった?なにげない会話。笑いあったり、いっしょに悲しんだり、何かを一緒にして楽しんだり、ケンカしたり。朝飲んだコーヒー美味しかったなとか、道端に咲く小さな花を見つけたり、今日はいい天気だなとか、通勤途中のちょっとした光景とか、幸せなんて探せばいくらでもあるはずで、ただそれを感じるかどうかは本人次第なんだよね。色々なことが当たり前になったり、幸せに対して鈍感になったりしがちだけど、幸せは当たり前じゃない。日々の小さな幸せを見つけ、感謝しながら生きることができる人が、幸せな人生を送れるんだと思う。これを読んでいる皆様の願いは、まさに赤ちゃんが来てくれることではないかと思うが、なかなかうまくいかない期間が長くなり、思いが強くなってくると、だんだん日々の小さな幸せが見えなくなってきたり、苦しくなってきたりする。そんな時こそ、日常のなにげない幸せを感じながら自分を取り戻し、願いをかなえる原動力にしていただけたらと思う。これをお読みの全ての皆さまの願いが叶いますように。・・・去年の記事が気に入ったので絶賛大パクリしたのは内緒です。心が痛んだのでちょっと変えたけど。今までの過去ログはこちら。『星に願いを』今日は七夕ですね。織姫と彦星が年に1回出会える日。といっても、本来の七夕は旧暦で8月下旬、この頃は夏空が安定し、天の川の高度もあって星空を眺めるのにはうってつ…ameblo.jp『七夕とそうめん』日付変わったが、昨日は七夕でした。どんな七夕をお過ごしだったでしょうか。今年は何を書こうかなと思っている間に日付が変わっていたというのは内緒ですが、去年の記事…ameblo.jp
こんにちは、生殖心理カウンセラーの菅谷典恵です。今回はストレスのお話。ストレスは心理学的には「刺激への反応」と考えます。何か自分の身に降りかかった出来事があったとして、その結果として感じるのがストレスです。したがって、心が動いたということでは、マイナスの意味だけではなく、プラスの意味を持つものも含まれます。要は、ストレスとは「絶対値」なのです。今の自分のルーティンの生活から、どれくらい大きな刺激を受けたか、ということです。「-1」も「+1」もあるのです。1968年にホームズという研究者が「社会的再適応評価尺度」といういわばストレスのランキングを作成しました。際たるものは「配偶者の死亡 100」、次に「離婚 73」などとなっています。「妊娠 40」となっており、喜ばしいことも大きな刺激という評価であり、ストレスなのです。「昇進・昇給・出産・引っ越し・別居」などもストレスです。今の生活から新たな生活に適応することは、私たちの日常になんらかの変化をもたらします。これがまさに「ストレス」です。生殖医療施設に通院することも、妊娠判定が陽性と出ることも、陰性と出ることもストレスです。色々な心配や不安がついてきますよね。どのような局面においても、心は複雑に動いて当然なのです。自分は耐えられる、何ともない、と感じたいこともありますが、内心は疲れていることもあります。そんな状況も認めてあげてください。心が疲れている時は、身体も休めてあげてください。逆も真なり、身体が疲れている時は、心も休めてあげてくださいね。疲れが取れるまで、自らへの刺激を少なくするということが大切ですね。私たちがコントロールできるのは、このような対処で刺激に適応していく、ということだと思います。
シリーズから脱線して、今日は採卵の痛みと麻酔についてのお話です。採卵は無麻酔、局所麻酔、静脈麻酔(全身麻酔)の3種類の麻酔方法(無麻酔は麻酔ではないが)があります。いわゆる「自然周期系」を謳うクリニックの多くの基本の麻酔は無麻酔です。「独自に開発した痛みのない針を使用しているので大丈夫です!」ということで、21G(ゲージ:数字が多いほど細い)や22Gの極細で針先が専用設計?の針を使います、みたいな案内になっています。針が細いのは痛みとしてはある程度少ない面もあるのですが、細い分、時間もかかり、かえって苦痛の時間が長いということもあり得ますし、吸引圧を高める必要があって度が過ぎれば卵子への影響も心配ですので、針が細いことはメリットだけではありません。リプロダクションクリニックでは、卵胞数により20Gと19Gの針を使い分けています(多分書いたことないですが、リプロ東京もいろいろ要望言って専用仕様の採卵針を使っています)が、たまに21Gとか22Gの針を使うこともあります。しかし、率直な実感は、20Gと21Gでそんなに痛みが違う印象はありません。22Gになると実感として痛みも出血も少ないなとは思いますが、とにかく時間がかかる上に針が「しなる」し、膣壁が固かったり子宮をかすって穿刺しながら卵胞に到達しなければならない例だと採卵困難になったりするので、採卵数が数個以内で容易に採卵できる方限定になり良し悪しです。いずれにせよ、20G~22Gで採卵する分には理不尽な痛を感じることは少なく、1回無麻酔で採卵した方の大半は次の採卵でも無麻酔を選択されます。後述しますが痛みは20Gと19Gの間にボーダーラインがあるような気がしています(筆者個人の感想です)。痛みに影響する要素としては、医師のスキルによる痛みの差がないわけではありませんが、その他にもエコーの太さとか採卵針のガイドアダプターの種類とか卵巣の場所、膣壁や卵巣壁の硬さ、膣から卵巣までの距離、卵巣が子宮の影にかくれているかどうか、内膜症等でお腹が癒着しているかどうかの有無など、痛みに関連する要素は実にたくさんあります。それだけではなく、採卵針も色々なメーカーが色々な種類を発売しており、採卵針と本人の体質の相性もあります(当院ではシステム上、採卵決定時に、卵胞数や過去の履歴等から最適な針が自動推奨されるようになっています)。卵胞が多くなるほど20Gでも時間がかかりますので、一定数以上の卵胞数の場合は19Gの針を選択することにしています。20Gと19Gでは実感できるレベルで痛みの差がありますので、19Gでも無麻酔でできないことはありませんが、局所麻酔くらいはしたほうがよいです。卵胞が15~20個以上になってくると時間がより長くなりますので、患者さんの痛みに対する耐性次第で静脈麻酔(全身麻酔)を選択肢に入れることになります。しかし、痛みに対する耐性は本当に個人差が大きいです。卵胞が1個でも不安でたまらない、あるいは痛みが耐えがたいということで局所麻酔や静脈麻酔を希望される方もおられますし、逆に卵胞数が10個とかでも、全然大丈夫なんでということで自ら無麻酔を選ばれる方もおられます。世には、卵胞数が1個でも全員静脈麻酔とか、逆に卵胞がどんなに多くても局所麻酔しかしないとか、色々なクリニックがあります。説明としては静脈麻酔しないと野蛮だ虐待だと言ってみたり(無麻酔採卵でも痛くない人は全然痛くないので、虐待とか言うクリニックはどんな針でどんな採卵してるんだろ、、、)、逆にことさら静脈麻酔のリスクばかりを強調してみたり、千差万別です。しかし、麻酔でこれが正解というものはありません。無麻酔で全然オッケーという方は思いのほか多いですし、静脈麻酔も十分注意して行えば体に負担があるような手技ではありませんので、本人の状態をきちんと把握して最適な採卵をするのが望ましいと思います。ということで今日は採卵の痛みについてお話してみました。採卵について『採卵の技術と痛み』以前に「胚移植の技術」について書いたところ、「いいね」が100を超えたので、気をよくして今日は採卵の技術について書いてみようと思います。過去ログはこちら。『…ameblo.jp胚移植について『胚移植の技術』松林医師のブログや、他の医師ブログで解説されているこの記事ですが、以前よりこうしたデータはありましたが、なかなか信じていただけません。少し解説を加えていきたい…ameblo.jp痛みについて『痛みについて』採血や注射、検査など、不妊治療(生殖医療)には痛みを伴うものがたくさんあります。避けられる痛みは避けたいし、わざわざ恐い思いはしたくないことでしょう。一方で…ameblo.jp