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文学フリマへの道!

ここでは同人誌作成までの日々と、各メンバーの好きなことを記事にしていこうと考えています(´・ω・`)
文学だとかマンガだとかアニメだとかゲームだとか音楽だとか

こんばんは。鳴向です。
今夜の土曜プレミアムで踊る大捜査線2が放映されていましたね!レインボーブリッジ封鎖できません!懐かしかったです。
さらにその前、ご飯食べながらリアルスコープを見ていたらJRと地下鉄の特集じゃないですか!地下鉄かっこいいー!!
さて、こうなると次はこれを見るしかありませんね!
はい、「交渉人 真下正義」

『交渉人 真下正義』(こうしょうにん ましたまさよし、英題: Negotiator)は、『踊る大捜査線』のスピンオフ映画。2005年5月7日に『THE ODORU LEGEND CONTINUES』として公開された。
『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の事件終結から数時間後、事件は始まっていた。台場会社役員連続殺人事件の翌年(2004年との設定)のクリスマスイブの午後、大混雑している東京の地下鉄で東京トランスポーテーションレールウェイ(TTR)の最新鋭試験車両クモE4-600(通称『クモ』)が何者かに乗っ取られ地下鉄網を暴走し始めた。警視庁は緊急対策会議を招集、第1級テロの可能性ありと見た捜査一課の室井慎次管理官(警視正)は、緊急対応メンバーの招集を指示、その司令塔として日本初の犯罪交渉人(ネゴシエーター)、真下正義課長(警視)率いる刑事部交渉課準備室CICチームをTTR総合司令室へ急行するよう命じた。
(以上Wikipediaより引用)

もう、この架空の地下鉄新車両クモがめちゃくちゃかっこいいんですよ!
もちろん、青島さんの後輩、真下さんの活躍もかっこいいです。室井さんも出ますし!
このあと何作か続く踊るシリーズのスピンオフ第一弾なんですよね。本当に、何度見ても飽きないです。
で、何度か見返している内に、このクモの描かれ方が、怪獣映画の怪獣に共通しているのではないかと思いついたんですよね。
なので今回は、クモに注目して「真下~」の個人的な見どころポイントをお話したいと思います。
(解説本の類は一切持っていないので、もしどこかで似たような話が既にされていたらすみません。)

以下ネタバレありありなので、ご注意ください。

①正体不明で神出鬼没の脅威として
 最初、クモは謎の暴走車両として登場します。運転席を覗いても、遠隔操作されているため無人。この時点では誰が操っているのか、どういう意図で動いているのか全く不明です。線路の向こう側から想定されていないクモの車両がぬっと現れる不気味さは凄まじい。そして急に現れ普通の車両に追突寸前のニアミスを仕掛けたかと思うと、ふっと補足できる範囲を外れていなくなってしまいます。まさに神出鬼没としか言いようがない。
 ゴジラとかだと最初にシルエットだけがちらりと映ったり、漁船が謎の沈没事故を起こしたりするような部分ですね。「正体不明のものがそこにいますよ」というのをじわじわ描く序盤。
 ちょっと話が逸れますが「真下~」では地下鉄の総合指令室のようなところで話が進んでいくのですが、そこでは地下鉄の居場所は、モニターに表示された路線図の上で、ランプの光で表されます。この方法はなんだかガメラ3の、ガメラとイリスの空中戦がレーダーで表示されていたシーンのどきどき感を思い出します。こういうところもちょっと似てる。気がする。

②人智の及ばない存在として
 怪獣は必ず人間の通常兵器では倒せないという描写が入ります。それは怪獣が人の手に負えない、神の領域の存在であることを表すために必要なシーンで、ある意味序盤~中盤の見せ場と言えます。
「真下~」でもクモをSATの銃撃によって物理的に止めようとするシーンが出てきます。しかし車両に爆弾が仕掛けられているかもしれないという情報によって、ギリギリのところで狙撃は中止になってしまいます。このSATとクモの対峙のシーンがまためちゃくちゃかっこいいのです……!目の前を爆走しながら通過していくクモを歯噛みしながら見つめるSAT隊長、そして駅構内のカーブのせいでクモから火花が飛び散って後退する隊員たち。武器はあるけど倒せない、どうすればいいんだという焦燥感。そんな人間をあざ笑うかのように暴走を続ける、クモのかっこよさ最高潮のシーンです。

③正体の露見、衰退
 起承転結の転にあたる部分ですね。ゴジラが神ではなく古代生物の末裔だと説明されたり、キングギドラが金星人の操る侵略ロボットだと判明したりして冒頭で怪獣が持っていた神威が失われていくパートです。
 「真下~」ではクモの神出鬼没の謎が解ける部分です。このあたりはクモを操っていた犯人をネゴシエーションで推理し、またそれまで真下に半信半疑だった鉄道会社側の人たちが協力し始めるという人間ドラマが中心ですね。ストーリーの山場です。真下が力を得ていくのに反比例するように、クモはどんどん力を失っていく。それまでは神がかって、あるいは生物じみて見えていたクモが急にただの電車としてしか描写されなくなっていきます……序盤の暗闇の中で起動するところや水の滴る廃線に潜んでいるところとか最高にかっこよかったのに!!

④撃退と神威性の回復
 クライマックス後、ついに暴走を阻止されぼろぼろになったクモの姿は、火山や氷の海の底に沈んでいくゴジラに通じるものを感じます。切ない……。
 そして物議をかもしたラスト。あれは推理ドラマの結末としては「!?」という感想を禁じ得ません……(踊るシリーズの、犯人のことを描いて同情させる人情ドラマにはしない、という考えを聞いてから見ると納得できますが)。しかしこの、「本当に死んだ……のか?」という終わり方は、ED後に海の底でうごめく尻尾のカットが入るあれと同じなのではないかと思うのですよね。クモは単なる機械として動きを止めてしまったけれど、クモを操っていた悪意は、海底に姿を消してもまた現れる怪獣のように、けしてここで倒して終わりではない。彼らが相手にしていたのは、人の手では滅ぼせないものなのだ、という。

ということで、クモを怪獣に見立ててみるとまた楽しいですよ!という話でした。
あ、「真下~」には2で監視システムCARASのオペレーターとして出てきた小池くんも続投していますのでそちらも要チェックなのです。

そして来週は早くもファイナルが放送されるんですね。
Fではこの真下の部下として活躍していた小池くんがすごく重要な役回りに立っているので、ぜひ来週に備えてこれをご覧になっておかれることをおすすめします!!
小池くんについても語りたいことがいろいろあるのですが、それはまたの機会に……。

それでは、今回も長々と失礼いたしました。

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こんばんは、月が綺麗ですね。鳴向です。(書き始めたときは夜だったんです)
大きな試験があったり胃痛にのたうったりしている間にもう9月も下旬に突入ですか。締切ヤバス。

それはさて置き、今日は「好きな漫画家を挙げろ」と言われたら自分的に絶対外せない、藤野もやむの話です。
自分には珍しく、今はなきガンガンWINGで連載していた「ナイトメア・チルドレン」という作品を気に入って以来、もう10年以上?新刊が出るたび買い続けている作家さんです。
連載誌はいろいろ変わりましたが、最新作はBLADEのWEB連載だった「蒼きユピテル」
こないだコミックスが全2巻で出ましたね。
読んでいるとなんだか藤野もやむのエッセンス凝縮!みたいな作品だなあと思ったので、ちょっとあらすじを紹介しておきます。

父の田舎の学校に転校してきた高倉美琴は、一ヶ月経っても周囲と馴染めずにいた。
美琴を気遣う委員長や何かと絡んでくるアメリ(あだ名)にも心を閉ざしたまま、祖母と二人暮らしをする美琴の心の支えは、失踪した父が残した不思議な歌だけ。
ある日、その歌を口ずさんでいると、まるでそれに応えるかのように血まみれの大きな猫のような生き物――ユピテルが現れる。
最初は互いに警戒しあう美琴とユピテルだが、ユピテルの存在は次第に美琴を癒していく。
ところが、ユピテルの秘密の鍵を握る委員長の兄が帰省してきたことで、美琴はユピテルとの関係に大きな決断を下すことになる。

……というところでしょうか。
後はコミックス読んでください。全2巻だし。

さて、藤野もやむ作品ではこのユピテルを始めとして、たくさんの不思議な生き物が登場します。
彼らは、ただケモ耳の生えた人間とかそういうのではなく、人間とは異なる外見で、それ自身の独立した秩序・ルールを持っている存在として描かれています。
それは簡単に人間に迎合したりするものではなくて、なんなら絶対に相容れない。
そんな生き物たちとのコミュニケーションは、本質的に破綻しています。

けれど、だからこそ、理解し合えたように見える一瞬の美しさが際立つのです。
彼らがコミュニケーション不可なものであると描かれれば描かれるほど、心が通う瞬間が尊く感じられるようになります。
これは川上弘美が「神様」に出てくる「くま」に対して言っていた言葉と重なりますが、この、コミュニケーションが成立したように見える一瞬は奇跡なのです。
偶然と錯覚と希望的観測で成り立つ奇跡。
そういう儚くて不確かなものがもつ輝きみたいなものが、この話の中にも確かにあるのだと思います。

結局のところ、自分が藤野もやむの本を買い続けているのは、儚いもの、手に入らないものへの憧れなのかもしれません。
それでも、かわいい生き物たちと単に異種コミュニケーションを取るだけではなく、ただ価値観の違いによる不和が起こるだけでもなく、確かな決裂を含みながらも優しく描かれる、清濁併せ持つ藤野もやむの世界は魅力的の一言に尽きます。

ということで、今度本屋で見かけられた際にはぜひお手に取ってみてくださいませ。
昔はブレイドの新刊ってどこの本屋に行っても置いてたのに、最近は系列のレーベルが増えたせいか大型書店に行かないと見つからないのが悲しい…(´;ω;`)

ユピテルがいいなーと思ったら、藤野もやむ作品で一番キュートでキャッチー(だと個人的に思っている)な「はこぶね白書」もオススメです!
ぜひにぜひに。

それでは。

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待ちに待った三連休がやってきてテンションがおかしくなっている淡夏です。
この休みのうちにある程度書かないとまずいなー(遠い目)

その前に、現実逃避として最近読んだ本の感想をば。
以下、江波光則作『パニッシュメント』のネタバレ有。



“『ストレンジボイス』の江波光則が送る、ローリング必至の青春&恋愛模様”


あらすじ
高校生の郁は、クラスメートで幼馴染の常盤との関係に悩んでいた。
常盤が、まるで自分に対して気のあるような行動をとってくるのだ。
ともすれば一歩踏み込みそうになる気持ちを抑え、郁は常盤と適度な距離を保っていた。
そんな時、クラスの謎めいた占い少女、七瀬までが郁に好意を見せ始め……。


読んだ人は言いたいことあるかもしれないけど、別に、間違ったことは書いてませんよ?

ただ、常盤の母親が新興宗教にはまっていて、精神的にきてるから郁に救いを求めていたり。
実はその宗教の教祖様が郁の父親で、郁はその事実を言えないまま常盤との関係を保っていたり。
近づいてきた占い少女もその宗教の信者で、郁と父親の秘密を知っていて、自分と一緒にいないと常盤にそのことをバラすと脅しているといった事実を省いているだけで。

……うん、改めて見ると、ほんとひどい状況だな。

設定に違わず、物語の方も、どんどん皆悪い方に転がっていくという江波ワールド全開。
読者は、“ローリング必死”の意味を改めて考えさせられることに。


そんな風に“表紙詐欺”を疑いたくなる本作ですが、ただ単に落差で鬱を楽しむものではありません。
宗教と人間というテーマを、予備知識無しでも考えさせてくれるし、また青春の酸いも甘いもをしっかりと描いている小説だと思います。


宗教とは言っても、特定の宗派について語っているわけではありません。

“そもそも宗教というのは、な。弱い人間が縋るためにあるものだ。そして人間というのは、大抵、弱々しい”

人間は誰しもが宗教的な寄るべを待たなければ生きられない。
それは別に、世間一般でいうところの宗教じゃなく、趣味でも目標でも同じこと。
江波作品の一つ『ストーン・コールド』の解説で虚淵玄は、

“この国はとんでもなく盲信的な宗教国家といえよう。それも極めつけの淫祠邪教を崇拝している”
“その神の名を「みんな」という”

と言っている。
現代社会で、人は世間の目を気にして行動する。
それがシステムとして成立するのは、世間の目や常識の中にも、何かしら宗教的な要素があるからだ。
だから、宗教にはまること自体は特別なことではなく、むしろ人間である以上仕方ないこと、なのかもしれない。

作中宗教の被害者と言える常盤ですら、明確ではないものの、郁への恋心を拠り所として生きようとした。
その行動ですら、宗教的なものが介在しているかもしれない。


とまあ、本作について口を開くと宗教のことばかり語り出したくなりますが、
違う、俺が今回語りたいのはそこじゃないんだ。

『パニッシュメント』に限らず、個人的に、江波さんは青春というものをよく描けていると思う。
前回ブログで紹介した『スタドラ』の青春模様と打って変わって、江波作品の青春は相当に鬱屈している。
スクールカースト、バイオレンスが味を引き出しているのもあるけれど、それ以上に主人公達が冷静な視点を持っていることが一番大きいと。

青春――若さがあれば、自分の力量以上の力を出すことができる。
けど、それは自分の力量を測ることができないからじゃなく、むしろ逆に、自分の力量――限界が見えてしまうから、余計に越えようとする力が出るのだと思う。

でも、江波作品の主人公達は、自分達に立ちはだかる壁が、自分達の力で越えられないことをしっかりと把握している。
だから無茶な越え方は避けようとする。
そして、避けようとするにも関わらず、結局は無茶な越え方を選んでしまう。
欲求的に、衝動的に。
自分の心の平穏のために、最も愚かな選択をしてしまう。
その愚かしさこそが、青春なんじゃないかな。

何と言いますか、思春期とかそこらへんで生じる自我の芽生えって、社会化される自分に対しての反抗だと思うんですよね。
青春は、その反抗的な自意識と、社会なり世間なりの環境との鬩ぎ合いなんじゃないか、と。
その鬩ぎ合いの中でもがき苦しむ有様を、江波さんはうまく書けている。


巧くまとまんなかったけれど、他とは違う“青春”が読みたいと思っている人にはおすすめの一冊です。
これで物足りないと感じた人は、星海社から出てる『魔術師スカンクシリーズ』の方もご賞味あれ。

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