『関取になれなかった男たち』(佐々木一郎・著)

力士の大多数は、関取(十両以上/ブログ管理者注)になれないまま引退する。中でも、現役時代の最高位が幕下筆頭、つまり関取に限りなく近づきながらも夢を諦めざるを得なかった者たちがいる。あと半枚、あと一枚、番付を上げていれば関取になれた彼らは今、何を思うのか。引退後、どのような人生を送っているのか。長く大相撲を取材してきた佐々木一郎氏が、最高位が幕下筆頭という元力士6人(春日国、師子王、友鵬、錦風、緑富士、小金富士)の生きざまに迫った。

 

 

 

(写真は全てNHKテレビの画面を撮影したものです)

豊昇竜-阿炎

立ち合い、豊昇龍は右手で、阿炎のもろ手突きの左手を払い、右差し、阿炎が首を巻いて一気の速攻で向正面、赤房寄りに寄り切り。

豊昇龍の立ち合いは、張り差しのつもりが阿炎のリーチに遮られて届かなかったようにも見えるが、むしろ、もろ手突きで来ることは分かっているから、初めから手を払いにいったのだと思う。いずれにせよ、左の突きを払いながら右で踏み込むことで、もろ手突きを無効化できた。

豊昇龍の談話では、師匠立浪親方と作戦を練ったという。いつもと違った気迫が感じられた。阿炎は二敗。優勝争いからは一歩後退だが、優勝に色気なんか見せずに、阿炎らしくのびのび取ってほしい。

 

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御嶽海-大栄翔

大栄翔が、頭で当たって左右のノド輪で攻め立てると、御嶽海は下からあてがって下がらない。御嶽海、大栄翔の左のノド輪を右手で外したところで引き足を見せ、青房下で俵に足をかけると、大栄翔はそれ以上押せないと思ったか、まともに引いてしまい、御嶽海はつけ入って出て、回り込もうとする大栄翔を青房下に押し出した。

取組後の勝ち越しインタビューで「ここまでの相撲内容は」との問いに「しっかり体も動いているし、負けないという気持ちもしっかりと持っているので、最高にいいと思います」と、自ら最高の出来との手応えを覚えている模様。

 

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横綱照ノ富士は、隠岐の海を問題にせず、外四つで両上手から挟みつけて、つり身に寄って、寄り切り。

やはり、まともに組む相手には無類の強さを発揮する。再三言うように、問題は、そういう相手ではない時だが・・・。とにかく一敗を堅持。

 

照ノ富士春雄・著『奈落の底から見上げた明日』