中学校の修学旅行は九州北部方面だった。

福岡に行ったら博多人形があるはず、と、行く前から期待していた。

 

もう、どこだったかは覚えていないが、相撲人形が並んでいたので、見に行ったら横綱土俵入りの人形が3900円。

なぜか、北の富士の顔に作ってあったのを覚えている。

所持が許された小遣いは5000円だったから、ここで小遣いの大半を使うのは、さすがに無理だった。

 

土産店の人に、いろいろ尋ねると、ショーケースの中のひときわ大きい人形を指して、

「この大きいやつは、作った人が亡くなったから値段がつけられないの」

そんな、中学生の手が出ないものに用はない。

 

「張子」があるよ教えてくれた。

これは1200円。これなら何とかなる。

そのとき買ったのがこれ。

なかなか、いい顔立ちだと思う。

紙でできていて、中は空洞なので、かなり軽い。

 

父が出張先だったか、どこだったかで土産に買ってきてくれたのが、これ。

これは焼き物で、もっと高級感がある。

頭についている藁紐のようなものを持って振るとガラガラと音がする。

土でできた鈴だから「土鈴」(どれい)。

 

それにしても、この姿。どう見ても小錦

この頃は、まだ大関にもなっていなかったと思う。

作者は小錦のファンで、横綱になってほしいという願いが込められていたのだろうか。

 

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