幻想郷に、人食いのるうみあといふ妖怪あり。
るうみあ永らく生きれど、かたちいはけなき幼女のままなり。
るうみあの腹、かたちの世に似ずろうたしければ、「いかで枕にせまほしく思わざるなり」とりんか言へば、るうみあ答えるやう「腹は枕にあらず、いはれぬこと言ふまじ。いとはしたなし」とて諌む。りんか、何ゆえかく言いつるにかと思ひますに、くちおしくて、くんず。るうみあ、これを見て、あきれてものも言わざりけり。
つとめて、るうみあ、いまだ悩みつるを見て、ぽんとぞ頭を叩きけり。「我が腹に頭を乗せるべし」とて、りんかよろこびて乗せ「あな、あたかも有り難き極楽浄土が如し」と言ふを聞きて、さすがにかたはらいたく思えど「さもあらばあれ」と忍びけり。
るうみあの腹の柔らかきこと、更なり。
るうみあ永らく生きれど、かたちいはけなき幼女のままなり。
るうみあの腹、かたちの世に似ずろうたしければ、「いかで枕にせまほしく思わざるなり」とりんか言へば、るうみあ答えるやう「腹は枕にあらず、いはれぬこと言ふまじ。いとはしたなし」とて諌む。りんか、何ゆえかく言いつるにかと思ひますに、くちおしくて、くんず。るうみあ、これを見て、あきれてものも言わざりけり。
つとめて、るうみあ、いまだ悩みつるを見て、ぽんとぞ頭を叩きけり。「我が腹に頭を乗せるべし」とて、りんかよろこびて乗せ「あな、あたかも有り難き極楽浄土が如し」と言ふを聞きて、さすがにかたはらいたく思えど「さもあらばあれ」と忍びけり。
るうみあの腹の柔らかきこと、更なり。